■旦那が発達障害だった

会った日に、この人はアスペルガーだろうと思った。

素人判断なので本当のところはわからない。ただ今まで会った中でもかなり変わったタイプの人だった。

電話で一方的に何時間も難しい話をし続け、私の都合関係なく繁忙期の仕事中（２２時頃）に毎日電話をしてきた。

予定が狂うと癇癪を起こした。予定が変更できなくて日が落ちた暗い山道を２時間歩き続けたこともあった。

すぐに別れるべきだった。

しかし、優柔不断で３年くらいしないと結論が出ない自分は、一生添い遂げる覚悟がないまま、相手が外国に行くタイミングに合わせ１年半でとりあえず入籍した。

（日本だったらまずは婚約・同棲したであろうが、渡航が近く時間の余裕はなく、職場も退社しなければならなかったので即入籍にした）

歩く辞書のような知識量は見ている分には物珍しかった。外国生活というのにも興味があった。

観光で色々な場所に行ったが、いくら風光明媚な場所に行ってもあまり楽しくなかった。

友人たちとはどこに行っても楽しかったのに、旦那とはどこに行ってもそんなに楽しくなかった。

旅行計画を一緒に立てるということはなく、なんでも彼が勝手に決めた。

行く場所もプランもわからないまま私はついていくだけだった。

どこへ行くかではなく誰と行くかが大事なのだとこの時初めてわかった。

夫婦生活は初めから全くなかった。入籍して一緒に暮らし始めても変わらなかった。

お金を全部出してもらっておいていうのもなんだが、同性の友人と旅行に行く方が何倍も楽しいだろう。

一緒にいてストレスはないけれどユーモアも楽しさもなかった。

ただ壁が隣にいるようなものだ。ワクワクがないのだ。

彼はシングルタスクなのか土日はずっと寝ていた。退屈だった。

ついに３年が経ち気持ちに整理もつき離婚を切り出すと相手は発狂をした。

３年の間、彼の癇癪を見るたびに気持ちがすっと冷めるのがわかった。

５歳児と一緒に生活しているようなものだ。わがままで、自分のことしか考えていない。

想定外なことに離婚を言い渡して別居をすると情が移ったようで良心の呵責に苛まれた。

彼が自分に対し常に肯定的であったこと、生涯添い遂げるつもりでいてくれたこと、生活の全てを彼が

面倒を見てくれていたことを含め、相手の誠実さを裏切ってしまったことに対する後悔の念が起きた。

彼はピュアで一途な気持ちを向けてくれていたのだ。しかし自分は根本的に不誠実だった。

それまで愛というものを信じていなかったがもしかしたらそういうものがこの世にあるのではないかと思わされた。

最終的に離婚するべきか生涯添い遂げるべきか正直今も決断に迷っている。

何がが上手くいき子供ができた場合、彼は教育熱心で優秀な良い父になるだろうと思うからだ。ただ一方、発達障害は遺伝するので子供が癇癪を起こしたら自分は耐えられるだろうか、子供が発達障害で生きにくかった場合私は責任が取れるだろうかと考えてしまう。

自分がもっと寛容かつ柔軟で心の広い人間だったらよかったのにと思う。

追記1

入籍前からそんなに楽しくはなかったが人間的には信頼できたので一緒にいた。誠実で真面目で意見がはっきりしていて、私にないものを持っていた。お金は自由に使えたし楽しさは自分で趣味でもやって補えるとも考えた。最終的には最初からセックスレスで遂に子作りも想像できない精神状態になったことが一番大きい。話し合おうにも言い方とタイミングが悪いと激昂されて話し合いにならない。そして絶対に謝らない。

追記2

楽しくないと言いつつ戻りたいとも思っている自分がいる。思いやりはあった。自分と同じレベルで私を大切にした。決して私に対し否定的な発言はしなかった。むしろ私のほうが、最終的には相手を責めてしまいモラハラっぽくなっていたと思う。

私と同じレベルで魂が傷ついていた。つまり、何故結婚したのかについて、変な話だが魂のレベルが恐らく近かったのだと思う。

裕福な生活で時間とお金が自由だった。家事も積極的にやってくれた。恥ずかしい話だが専業主婦の私よりやっていたと思う。頭が良いので手続き関係は全てやってくれた。お互い細かいことは気にならないので日常の細かい喧嘩は全くなかった。

子供が出来れば育児に気が向き、色々なことがそこまで問題にはならなかったかもしれない。逆に軋轢が大きくなったかもしれない。人としての器がもっと必要だった。ただ私も仏ではないのだ。

追記3

ネガティブな事実を列挙しているけれど、旅行においては予め予定を詳細に組んだりはしないので彼が癇癪を起こしたことは殆どない。彼はとても熱心に旅程を調べ素晴らしいホテルに泊まり素敵なレストランで食事をした。能力が高いからほとんど完璧なので私と友だちみたいに旅程を組む必要がないだけなのだ。

追記4

ある特性をカテゴライズしてラベリングをしてしまったことを申し訳なく思う。偏見を助長する結果になってしまったと思う。実際には人により特性が違いすぎるので後天的な環境による性格と生まれ持った性質は分けて考えなければならない。

不快にさせてしまった方もいるのでこの記事は消します。

完璧な人間なんていないしいろんな側面が個性だと思う。相手に対して一度「アスペルガーじゃない」とつらく当たってしまったことを私はとても後悔している。彼は多くの点でとても素晴らしかったし、一方で上記に列挙した特性もあった。なるべく公平に書こうと努めたが一面を切り取るのは不誠実な態度かもしれない。指摘されている方もいたが、本質的な不満の原因は実はセックスレスのほうにある。とはいえ何より私が完璧ではなかった。もっと心温かく常に肯定的でありたかった。

癇癪を起こしている旦那が一番つらい、というのが真実だと思う。溢れそうなコップで生きていかなければならないのはきついことだろう。私もお互いが幸福になるなら添い遂げたかった。ただ前述したように私も仏ではない。

Permalink | 記事への反応(30) | 04:15

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