2020-10-29

高速道路トンネルで漏らしそうになった話

クソどうでもいい話(クソだけに)

天気がよかったので始業前にドライブに行こうと思い車を走らせていたら、いきなりボコン!という音と共に車体が跳ねた。

なんか踏んだか?と思いそのまま走行したが1分ほどすると車が「タイヤの空気圧を確認してください」みたいなメッセージを出してきた。

すでにトンネルに突入してしまっていたので、抜けたところで停車するか・・・と思ってたらいきなりベコベコバコンバコンみたいな音。

こいつぁやべぇと思ってすぐに非常駐車帯に停めた。ドアを開けるとゴムが焼ける強烈な臭い。終わった・・・と思って目を閉じた。深呼吸して目を開けたら目の前にはバーストしたタイヤがあった。スペアは積んでいたが、交通量が多くて自分で替えられそうになかったので#9110に電話をする。丁寧に対応してもらった。管制センター?に伝えるから待ってろと言われたから待ってたらすぐに連絡がきた。パトロール車がくるらしい。

ここまではよかった。会社にもすぐに連絡して平謝りしたら上司が「事故らなくてよかった。午前中はなんとかするから無事に帰ってこい」と頼もしいことを言ってくれた。

問題はこの直後である。お腹が痛くなってきたのだ。じわじわと痛みが広がる。汚い話で申し訳ないがこの感じは水っぽいほうのうんちだ。

目を閉じて仏のような心持ちで待つ。きっとすぐにタイヤ交換にきてくれるはずだ。交換したらピュ〜とトンネルを抜けて次の休憩所に駆け込めばいい。

しかしどうしたものか、「我慢をしなきゃ」という気持ちがプレッシャーとなり、余計お腹が痛くなってきた。楽しいことを考えよう!と思いこの前食べたお取り寄せA5ランク黒毛和牛のことを思い出した。でも食べた翌日にサシ肉にやられてお腹を下したことも同時に思い出す。今度は気を紛らすためにはてブを開いてみた。あまり内容が頭に入ってこない。新鮮な空気を、と思って窓を開けたら爆音と排気ガスと焼けるゴムの臭いしかしなかった。

最初に#9110に電話をかけてから40分が経過していた。本格的にやばくなってきた。体がすごく熱いのに頭と手足は冷たかった。火照った顔に一生懸命手のひらを押し付けるも、汗が止まらない。少し先には非常出口が見える。あの非常出口の先にはトイレがあるだろうか?いや、シン・ゴジラで前田敦子が避難してたけどトイレがありそうな場所はなかったと思う。困った。漏らしそう。どうしよう。まっすぐ座ってたら腸に負担がかかりそうだったので後ろの席で横になった。横になったら余計痛くなってきたので、また起き上がる。バリウム前の発泡剤を飲んだ時みたいにお腹がぶくぶくしているような感覚があった。

念の為ビニール袋を席に敷くが、お腹の痛みと過去の経験からしてこのレベルの腹痛は我慢すればするほどロケット噴射になりかねないので正直ビニール袋1枚じゃ防御力15くらいしかない。100のうち15だ。どうしようもなくなって管制センター?に電話をかけ直す。

「すみません、ちょっとお腹の調子が悪く、この近くにトイレってありませんか・・・」と聞いたら「トンネルの中にはありませんね・・・」と困ったように言われた。

あとどれくらいでパトカーがつくのかを聞いたら道が混み合ってて30分くらいとのこと。「30分!」と思わず復唱したらあまりにも切羽詰まった声だったのか「少々お待ちください!」と言われ、少し待たされたあとに「近くの車が向かってます。そちらに乗っていただければ一度お手洗いのほうにご案内します」と言われた。

ん!!!!!そんなご迷惑を!!!と思ったけどもうなんでもいいから漏らしたくない一心で「お願いします!!!」と頼んだ。

下腹部と肛門に全神経を注ぎ、漏れないようにだけした。そうこうしてるうちに後ろからサイレンが!きた!きたぞ!うんちを漏らしそうな人のためにサイレンまで鳴らしてくれた!

正直このあたりはあまり覚えてない。挨拶して、説明を聞いて、頭を下げて、お礼を言った。でも心ここにあらず。心肛門にあり。ちょっとだけ漏れたかもしれない。ちょっとだけ。

あのかっこいい黄色い車に乗せてもらい、近くの料金所へと向かう。無線で「○○番、女性を乗せ、お手洗いまでお連れして戻ります」と説明していた。死にたくなった。この人たちはタイヤのパンクを直しにきたんだ。車を直しにきてくれたんだ。事故が起きないように頑張ってくれている人たちなんだ。なのに今はどうだ、うんちを漏らしそうで顔面蒼白になってる女を乗せてるんだぞ。本当に申し訳ない。この人たちにも申し訳ないし、管制センター?の人にも申し訳ないし、日本のどこかで事故って困っている誰かにも申し訳ない。

最寄りの料金所まで乗せてもらい、従業員専用のトイレを貸してもらう。公衆トイレを想像してたので除菌ウェットティッシュを握りしめてトイレに入ったが、超絶きれいだった。びっくりするくらいピカピカだった。慌ててドアを締めるも鍵の締め方がわからず、でもタイムリミットは近いので少しドアが開いた状態のままパンツを勢いよく降ろして便座に腰掛ける。3−2−1とカウントダウンする間もなくお尻が便座にタッチすると同時に出てきちゃった。でもまだ焦りは止まない。その1、ドアを閉めないといけない。外にはパトロール隊員が待機しているので、時既に遅し、発射音を聞かれてしまったかもしれない。その2、いつまでも待たせることはできないので(トンネル内に車置いてきちゃったし・・・)なるべく早く出し切らないといけない。その3、料金所の方に申し訳ないのでなるべく早く用を済ませて汚してしまってないかチェックしないといけない。考えることはたくさん、でも下のほうはフリーフォール。ちなみにちょっと液体が漏れてたけど、セーフだった。よかった。頑張ったね肛門

とりあえず全部は無理だが最速で出せる分は出しておき山をこえる。入念にお尻を拭き、便座裏をチェック。発射音とは裏腹に飛び散り力は弱かったらしい。助かった。ただ手を洗うところがなく、取り急ぎ除菌ウェットティッシュで拭いたもののなんとなく汚いイメージが抜けなくて大腸菌まみれの手でパトロール車に乗り込むことになった。帰りの車中ではひたすら「お手数をおかけしました・・・ありがとうございます・・・」とうわ言のように繰り返す。正直言うとお尻の穴がめちゃくちゃ痛かったが、それでも行きの時よりは余裕を持って車内を観察することができた。荷物が多い。パネルがすごい。かっこいい!!

というわけでちゃんと車のところまで送っていただき、到着していた別のパトロール車にタイヤ交換をしてもらい、書類に記入して終了。本当にありがとうございました。あなた方のおかげでひとりの大人が人間としての尊厳を失わずに済みました。車2台も使わせてすみませんでした。また何かありましたらよろしくお願いします。

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