米連邦議会上院の国土安全保障委員会は「千人計画」への特別調査を実施、昨年11月の報告書で「計画に関わる研究者たちに、諸外国の高度技術を窃盗してでも入手して中国の軍事や経済に活用することを求めている」し、「計画への関与を一切口外しないよう命令されている」とも。
米メディアの報道として2018年までの「千人計画」への参加者が全世界では7000人を超え、国別で日本は米国、ドイツに並んでトップ3に入っているという。
同誌が千人計画に携わった日本人教授や研究者など14人を特定し、匿名希望も含め11人を取材しているが、もとより氷山の一角でしかない。
野放し状況で草刈り場になっており、まさに「スパイ天国」だ。
特定された教授たち
再三の依頼に断固無回答であったのはマイクロナノロボットや生物模型ロボットシステムの権威で2011年から3年間、学術会議会員であった名城大学の福田敏男教授。
また、2012年に同会議の特任連携会員となった天文学の権威の梶野敏貴・東大准教授は一度取材を許諾したが直前に「断り」が来たという。
実名公表で取材に応じたのが2008年から中国で教鞭をとる原子炉工学の権威である吉川榮和・京大名誉教授である。
定年翌年に、哈爾賓工程大学の助教授になっていた京大時代の中国人教え子から「中国政府の千人計画に申請したい」と言ってきた。
履歴書を書いただけで、すべては大学の方でやってくれ、パスして現地に赴くと、20人ほどの大学院生の指導を任された。
研究室は3部屋で、研究費は年間2000万~3000万円、5年間で1億5000万円、予算にはすごく余裕があった。月給は50万円ほどで、冬は極寒であるため滞在は6月から9月ぐらいの3カ月だけで、避暑感覚で、費用は大学もちのホテル住まいだったという。