出典 大阪市
大阪府・大阪市・公立大学法人大阪は、2022年4月に「大阪府立大」と「大阪市立大」を統合し「大阪公立大学( University of Osaka)」を設立・開学する。
- 2025年4月には大阪城の東側の大阪市城東区に「森之宮新キャンパス(約108,500㎡)」を開校する予定で、事業費は1,000億円となる。
- 2025年4月以降は「森之宮新キャンパス」で1回生と2回生の基幹教育を行う。また「森之宮新キャンパス」にはデータセンターが設置され「スマートシティ」の拠点として将来の大阪の街づくりの中核施設という役割も持つ。
- 初代学長は、現在の大阪府立大の「辰巳砂 昌弘 学長(64歳・専門ガラス科学)」が選出された。
- 2020年10月に文部科学省に大学設置認可申請し、2021年8月に認可される見込み。
新統合大学の名称
- 「京都市立芸術大学」と「(私立)京都芸術大学」との名称問題は「市立」という単語で区別できるとする大阪地裁の判決があった。
- この判決から類推すると「大阪公立大(University of Osaka)」の英語名には「公立」を示す単語がなく、大阪大学(Osaka University)と区別できないとも解釈できる。
| 所在地 | 大阪市城東区 |
| 新大学学生数 | 16,000人(学部12,430人+院3,488人)/学部入学定員2,850人 |
| 森之宮地区メインキャンパス | 1回生・2回生 |
| 整備費用 | 1,000億円 |
| 開校 | 2025年4月 |
| 敷地面積 | 108,500㎡(合計) |
| うち(12,500㎡)大阪市ごみ焼却場跡地(2013年閉鎖・既存建物あり) | |
| うち(26,000㎡)もと焼却場建替計画地(現在は更地) | |
| うち(70,000㎡)地下鉄検車場(今後移転予定)(20,000㎡を先行開発する可能性もある) |
アクセス
大阪公立大(大阪府大・市大合計)の学部入学定員は2,853人、学生数(学部+院)は約16,000人、となる。
国公立大学として、大阪大学(3,255人)、東京大学(3,063人)に次ぎ3番目に学部入学定員数が多い大学となる。
また、公立大学としても「東京都立大(旧首都大学東京)」の学部入学定員1,570人、学生数(学部+院)9,134人を抜き日本最大となる。
但し、学部生+院生の合計数では、京都大学22,629人、九州大学18,490人、神戸大学16,226人に次ぎ、6番目となる。神戸大学を抜くためには「大学院教育」の充実が必要となる。
国公立大学生数ランキング
| 順位 | 大学名 | 学部入学定員数 | 学生数(学部生のみ) | 学部+大学院 |
| 1位 | 大阪大学 | 3,255人 | 15,285人 | 23,316人 |
| 2位 | 東京大学 | 3,063人 | 14,007人 | 26,900人 |
| 3位 | 大阪公立大(大阪府大・市大合計) | 2,853人 | 12,430人 | 15,918人 |
| (市大6,556人) | (市大8,240人) | |||
| (府大5,874人) | (府大7,678人) | |||
| 4位 | 京都大学 | 2,808人 | 13,094人 | 22,629人 |
| 5位 | 九州大学 | 2,555人 | 11,600人 | 18,490人 |
| 6位 | 神戸大学 | 2,530人 | 11,596人 | 16,226人 |
| 参考 | 東京都立大(旧首都大学東京) | 1,570人 | 6,895人 | 9,134人 |
| 2019年4月 | 大阪府立大と大阪市立大を運営する両法人を統合し「公立大学法人 大阪」を設置 |
| 2020年6月26日 | 「大阪公立大」(英語名 University of Osaka)に決定 |
| 2020年10月 | 文部科学省に「大阪公立大」の認可申請(新大学名届け出) |
| 2021年8月 | 文部科学省が「大阪公立大」の設立を認可 |
| 2022年4月 | 「大阪府立大」と「大阪市立大」を統合し「大阪公立大」を設立 |
| 2025年4月 | 森之宮地区にメインキャンパスを開校 |
ライバルは「神戸大学」?
関西の大学ヒエラルキーの頂点に君臨する「京阪神(京都大学、大阪大学、神戸大学)」の序列を揺るがしかねない衝撃を与えるのは想像に難くない。
両大学の幹部たちは言う。「神戸大学を超えねばなりません。それが、われわれの使命です」
引用 ダイヤモンド誌 https://diamond.jp/articles/-/213168?page=2
- 2020年から大阪府民(入学の3年前から大阪府内に居住)で年収590万円未満の場合、大阪府大・大阪市立大の学生は入学料と授業料が全額無償となる。
- また、年収590万円~年収910万円未満の世帯も子供の数によって1/3支援~全額無償となる。
| 世帯年収 | 子供1名 | 子供2名 | 子供3名以上 |
| 590万円未満 | 全額無償化 | ||
| 590万円~800万円未満 | 1/3支援 | 2/3支援 | 全額無償化 |
| 800万円~910万円未満 | 免除・軽減なし | 1/3支援 | 2/3支援 |
| 910万円以上 | 免除・軽減なし | ||
例えば、大阪府立北野高校の京大合格者数は72人、阪大58人、神戸大42、市大12人、府大21人だが、大学無償化・軽減となれば「大阪公立大学」へ進学する者が増加する可能性がある。そうなると現在よりも「大阪公立大学」の偏差値が高くなるかもしれない。
森之宮地区(JR大阪環状線から撮影)
大阪城公園側とは、JR大阪城公園駅と数百m南の2か所からペデストリアンデッキ(空中歩道)で接続する計画。
出典 大阪市(当ブログで加工)
2019年11月
JR森ノ宮駅から北へ歩くと大きななビルがあるが、計画外と思われる。
2019年11月(JR西日本森ノ宮電車区)
JR森ノ宮駅から近い方に「JR西日本森ノ宮電車区」(約9.6ha)があるが、この施設はそのまま残る。
2019年11月(大阪メトロ森之宮車庫の側道から南を撮影)
大阪メトロ森之宮車庫(約11.5ha)があり、ここに新キャンパスが建設される。
2019年11月(大阪メトロ森之宮車庫の側道から北を撮影)
OBPの超高層ビルが見えるが、開発面積はかなり広いので建設には相当の年月がかかると思われる。
2019年11月
大阪メトロ森之宮車庫の東側にはUR森之宮団地(約2.3ha)があり、こちらも計画外となる。
| キャンパス | 所在地 | 学部等 | 大学 |
| 森之宮(メインキャンパス) | 大阪市城東区 | 基幹教育・文学部・リハビリ学・生活科学部 | 大阪公立大学(2025年開設予定) |
| 阿倍野キャンパス | 大阪市阿倍野区 | 医学部・看護学部 | 市大 |
| 杉本キャンパス | 大阪市住吉区 | 法学部・経済学部・商学部・理学部 | 市大 |
| 中百舌鳥キャンパス | 堺市中区 | 現代システム・情報学部・工学部・農学部 | 府大 |
| りんくうキャンパス | 泉佐野市 | 獣医学部 | 府大 |
| 梅田サテライトキャンパス | 大阪市北区 | 都市経営研究科 | 市大大学院 |
| 羽曳野キャンパス | 羽曳野市 | 保育・医療などの図書館・講堂など | 府大(2025年閉鎖予定) |
2022年の新統合大学開校時には6キャンパスで運営し、2025年には「森之宮メインキャンパス」が開設され、それと同時に「羽曳野キャンパス」は閉鎖される予定。「羽曳野キャンパス跡地」の売却益を新キャンパス建設費の一部に充てる計画もある。
新大学キャンパス
今後、大阪公立大は「1学域と11学部」に再編し、大学院も15の研究科に集約する予定。
学部・学域(1学域と11学部)
| 学部・学域 | 特徴 |
| 基幹教育機構 | 英語教育の強化(卒業までにCEFR B1*以上を目指す)、数理・データサイエンス基礎を全学に提供、初年次に基幹ゼミナールで能動的学習姿勢を習得。大学院において研究公正、キャリアデザイン、プレFDなど共通教育を提供。 |
| 現代システム科学域 | 新大学で唯一の「学域」。SDGsを実現できる人間を育成するため異分野融合、多様な学びの実践及び他学部のSDGs導入に当たっての組織的関与。新大学の入試改革の先導。海外インターンシップや資格取得コースを選択。
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| 文学部 |
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| 法学部 | 「法学部3年+法科大学院2年」の5年一貫教育で司法試験にチャレンジできる法曹養成コースを設置
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| 経済学部 |
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| 商学部 |
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| 理学部 | 数学から地球科学まで多様な分野での革新的イノベーションを創造する高度な教育研究を実施
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| 工学部 | 土木、建築、海洋、航空、宇宙を含む工学のフルラインナップで教育研究を実践
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| 農学部 | 農学部は新大学で独立、分子から生態系をとらえる
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| 獣医学部 | 獣医学部は新大学で独立、公立大学かつ関西圏唯一の獣医師養成課程を設置
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| 医学部 | 高度先進医療を推進
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| 看護学部 | 看護学部は新大学で独立、高度先進医療を推進
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| 生活科学部 | 高度先進医療を推進
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大学院(15の研究科)
| 大学院・研究科 | 専攻 |
| 現代システム科学研究科 |
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| 文学研究科 |
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| 法学研究科(法科大学院を含む) |
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| 経済学研究科 |
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| 経営学研究科 |
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| 理学研究科 |
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| 工学研究科 |
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| 農学研究科 |
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| 獣医学研究科 |
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| 医学研究科 |
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| リハビリテーション学研究科 |
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| 看護学研究科 |
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| 生活科学研究科 |
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| 都市経営研究科 |
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| 情報学研究科 |
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「森之宮新キャンパス」と呼ばれているが、「JR森ノ宮駅」周辺には民間のビルやUR団地があり、新キャンパスまで到達するのに徒歩で10分以上かかる。したがって「JR大阪城公園駅」に近い場所に校舎を配置すると思われる。
しかし、「JR大阪城公園駅」の東側の「大阪メトロ森之宮車庫の線路や設備」をすべて撤去するには1年以上かかるので2025年4月には間に合わない。
したがって、2025年4月には、先行して「旧ごみ焼却工場跡地1.2ha」「大阪メトロ森之宮検車場の一部2.0ha」「旧ごみ焼却工場建替え計画用地2.6ha」の合計5.8haの敷地に校舎を複数棟建設(合計延床面積96,000㎡)すると予想される。
みずほ総合研究所 森之宮新キャンパスの移転整備、建物構成や規模についは、公募で「みずほ総合研究所」が特定された。