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(御手洗)何それ。 つまり 受かったら帝都劇場の舞台に立てるってわけ?
(音)狭き門ですが…。
そりゃあ 応募する人も多いだろうし簡単にはいかないでしょうけど…。
占ってあげる。いいです! 遠慮しておきます。
ホワイ?悪いカードが出たら 怖いですし。
そんな弱気なこと言って…。まあ でも 気持ちは分かるわ。
私も コロンブスのオーディション受けた時は 毎日ドキドキしたわ。
そういえば… あいつ どうしてるの?
あいつ?プリンス久志。
福島に帰られてから連絡が来なくて。
彼のことだから またひょっこり現れるんじゃない?
「みんな お待たせ」なんて言って。ハハッ!
そうだといいですね。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
♪「朝も昼も夜もずっと そこにある」
♪「暗闇にほら響け 一番星」
♪「愛する人よ 親愛なる友よ」
♪「星影に響くはエール」
(杉山)お疲れさまでした。
次の録音の日程はまた改めて ご連絡します。
それでは失礼します。(裕一)よろしくお願いします。
(鉄男)あの人 ディレクターになったのか。うん。 廿日市さんのご指名だよ。
そうか…。
いや~ レコードもラジオの方も順調そうで何よりだ。
あっ 大将だって忙しいでしょう。
あっ! この前 「港の恋唄」聴いたよ。
明るい歌なんだけど大将の詞が また切ないんだよね~。
いや~ よかったよ。♪~(裕一の鼻歌)
うん?元の裕一が ようやく帰ってきた。
あっ…。(せきばらい)
本当に… 心配かけたね。
また一緒に曲作ろうな。うん。
(ドアが開く音)どうも~。
えっ!?藤丸さん!あ~!
お二人が こちらにいるって聞いたもんだから。
久しぶりだな~!えっ 元気だった?
座って 座って 座って。ありがとう。 お二人とも ご活躍ね!
藤丸さんだって 歌手 続けてんだろ?うん!
ええ。 キャバレーで歌ったり時々 レコード出させてもらったり。
まあ なんとかやっているわ。藤丸さんの歌 いいもんね~。
ああ!あら。(笑い声)
あっ その手 どうしたの?うん?
ああ…。
お二人とも このあと 少し時間ある?
・(電車の走行音)
あ~。
また飲んでんの?
えっ?どちらさん?
えっ? いや…。
久志…。久志?おめえ…。
ブッ… ハハハハハ 冗談だよ。 ハハハ…。
おい… ふざけんなよ。ごめん ごめん。
いや 久々の再会だからさ何か 驚かせようと思ってさ。
これだけでも十分驚いたか? ハハハ…。
いやいや… ねえ ねえ 福島の実家に…あの… 手紙送ったんだよ?
でも 宛先不明で戻って…。せっかく来たんだ。 つきあってよ。
やめなさいよ!
どして こんなとこにいんだ?
おい… ちょっと そこの屋台からちょっと コップ借りてきてよ。 早く。
ねえ… ねえ いつから ここにいるの?(久志)どうでもいいじゃない そんなのは。
(藤丸)あんた いいかげんにしなさいよ!
はあ… 君も君だよ。何で この人たち 連れてくんだよ。
本当 いつも 余計なことばっかすんね。
半年ぐらい前 闇市でばったり出会ったの。
最初は 誰だか分からなかった。
久志さん 何があったんです?
農地改革で 福島の土地も お屋敷も取られてしまったみたいで。
持ってた土地を二束三文で買いたたかれて小作人も離れて 収入もなくなってお父さんも… 亡くなられたって。
あの人 戦争中は 福島で慰問に回ったりしてたみたいだけどお父さん亡くなってからは歌も やめたみたい。
こっちに来てからは…酒と博打で どうしようもない暮らしをしてるもんだから時々 食事を差し入れたりしていたの。
私の働いてるキャバレーでボーイ募集してる。 やってみたら?
そんな必要ない。
そもそもさ 君は何の権利があって僕に あれこれ言うの?
世話してくれなんて頼んだ覚えないよ。
とにかく食べて!要らないって!
熱っ!
私一人じゃ もう どうにもできなくて。
話してくれて ありがとう。
大変だったね。明日にでも 久志と話してみるから。
藤丸さんも しんどい時はいつでも話して。
ありがとうございます。
(久志)おっ ロンだ。 ヘヘッ。
ほら 出た。 役満だ。んん…!
(中村)大三元か~。(犬井)地獄だな…。
・お前 最近 調子いいからな…。・勝ちっ放しじゃねえか。
・マージャンなんて勝ったり負けたりだから。
すいません。
あっ… 久志。
今 大事なとこ。 邪魔しないで。
お… 終わってからでいいからさ少しだけ時間…。
(犬井)何だ こら。君と話す気ないから。
帰って。
・ごめん。 お願いだから少しだけ話せないかな?
もう しつこいな。 もう帰ってくれよ!帰れ こら。
(関)何だ この野郎!
(戸をたたく音)
久志。
よっ!よっしゃ~!
おい どうするんだよどうするんだよ これ! アハハハ!
・ただいま~。お帰りなさい。
今日は どうでした? 少しは話せた?
う~ん… もう どうすればいいんだろう。
時間をかけるしかないのかもね。
うん… そうだね。
ゆっくりいきましょう。
明日 大阪でしょ?すぐ お夕飯 用意するね。
うん… ありがとう。
よいしょ。
(大倉)こちら 作曲家の古山裕一先生です。
初めまして 古山と申します。(斎藤)お目にかかれて光栄です!
「紺碧の空」大好きなんです!えっ!
僕ね 早稲田なんですよ。あっ そうなんですね!
(富田)「大阪タイガースの歌」も先生の作品ですよね?
♪「六甲おろしに 颯爽と」
う~ん…。
いや どれも力作で迷いますな!
この「球児の夏よ」なんかプロの作詞家 顔負けですよ。
古山先生は いかがですか?
そうですね… どれもすばらしいと思いますが 僕は…この「栄冠は君に輝く」がとても好きです。
おお… いい題名ですよね。
明るさと希望が みなぎってる。
歌詞の内容にも 心打たれました。
一見 勝った人に向けた歌に聞こえますがよく読むと 負けた人への温かいまなざしも感じるというか…。
なるほど!
勝ち負けではなく精いっぱい頑張ってる人たち全てに向けた温かい歌に 僕は感じます。
ああ…。
(恵)「栄冠は君に輝く」。へえ~!
私も これすごくいい歌詞だと思うんです。
野球を楽しめる時代がやっと帰ってきたんだね。
(保)この詞に裕一君のメロディーがついて甲子園で流れるのか。
楽しみだな。
♪~
どうぞ ごゆっくり。ありがとうございます。
♪~
♪「いさぎよし」
♪「ほほえむ希望」
♪「あゝ 栄冠は君に輝く」
すごくいい。あ~ よかった~。
早く聴きたい…。 これ どなたが歌うの?
う~ん… 久志は どうかな?
もう一回 前向くためにはさ何か きっかけが必要だと思う。
やっぱ あいつは…音楽なんじゃないかなって。
(戸をたたく音)
久志 いるかな?
久志!
・(足音)
安眠の邪魔。
久志 君に歌ってほしい曲がある。
高等学校野球大会の歌。君の声に ぴったりだと思うんだ。
・一度でいいからさこの譜面 見てもらえないかな?
(ため息)
本当 分かんない人だね 君は。
もうさ 関わってこないでくんねえかな。
君の顔見ると 気分が沈むんだよ。
(ため息)
もう 昔とは違うんだよ。
久志…。