「息子」と「娘」、違いはあるのか
「お母さんにとっては息子が断然かわいい」という言説もよく聞きます(逆に「父親にとって娘は特別な存在」みたいな言い方も)。おそらく、深く考えずさらっと言う人が多いのだ と思いますが、けっこう問題ある言い方だよね......と思います。「母親は、息子がかわいくて 仕方なく偏愛してしまうもの」「娘をかわいいというのと息子をかわいいというのは質が違う」 みたいな言説は、ほんとうにそうなのでしょうか。
私には娘はいませんが、ほかのお宅の娘さんを見ていても、娘がいたらそれはそれで楽しくかわいく思っただろうと思います。実際、親子でも人間どうしですから、相性のようなものは あると思います。でも、少なくとも娘や息子が子どものときは、親はきょうだい間で愛情の違いを感じさせないように心がけるべきですし、まして「性別によってかわいさが違う」なんて ことは、堂々と公言していいものではないはず。
もしも内心「娘より息子のほうがかわいい」 と思っていても、それをあたかも自然なことのように正当化するのはおかしいと思います。
「息子がバカなほど母親はかわいいって言うし」といった言説が無意識に内面化されることが、 男の子の「有害な男らしさ」の萌芽になりかねない行為を放置してしまうことにつながるのではと気になっています。