エッジ AI 受託開発サービス
「エッジ AI」 とは、ディープラーニングなどを用いた AI アルゴリズムを、クラウドではなく端末側(=エッジ)で実行する技術を指します。
TAI のエッジ AI ソリューションでは、高度な 「ニューラルネットワーク圧縮技術」 と 「ハードウェア実装技術」 により、リアルタイム、かつ、低消費電力での AI を実現します。
「エッジ向け AI の受託開発企業」 として、データセット構築からハードウェア実装まで、お客様のニーズに合わせた軽量かつコンパクトなエッジ AI ソリューションをご提案します。
様々なタスクやハードウェアに対応
エッジで AI の開発においては、以下のような要素のトレードオフから最適な構成を検討する必要があります。
- 処理速度(フレームレート)
- 分類クラス数
- 認識精度
- 消費電力および発熱
- 重量・実装面積
- 長期供給性
TAI では、FPGA をはじめ、CPU、GPU、ASIC、ASIP など様々なハードウェアへの AI 実装が可能です。
また、弊社が持つニューラルネットワークの圧縮技術は、多くのハードウェアにおいて推論速度やメモリ使用量などの改善効果をもたらします。
お客様が検討されているアプリケーションやニーズに最適なハードウェアを、柔軟にご提案させて頂きます。
TAI のエッジ AI 技術の特徴
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エッジでのスタンドアロン動作
クラウドや外部ネットワークを必要とせず、すべての処理が端末(エッジ)で完結します。インターネットや LAN に接続できない環境でも安定した動作が可能です。
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リアルタイム推論処理
実用的なスピードで物体検出などの AI 処理が可能です。
高フレームレートかつ低レイテンシであるため、衝突回避などリアルタイムの判断が必要なアプリケーションにも適用可能です。 -
軽量・コンパクト
軽量かつコンパクトなため、ドローンなど重量に制限のある移動体への搭載も可能です。
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低消費電力
TAI 独自の深層学習モデル圧縮技術により、演算回数を大幅に削減することで、長時間のバッテリー駆動を可能にします。
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過酷な環境でも動作可能
バッテリーを含む全ての構成部品を一つの筐体に封入することで、高い防塵性・防水性が要求される過酷な環境でも、最先端の AI 処理が実現可能です。
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システム全体をワイヤレスで構築
モニターを含むシステム全体を、ワイヤレスで接続することも可能です。
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プライバシーにも配慮
全ての処理がエッジで処理が完結するため、カメラ画像などの情報を外部に送信する必要がありません。プライバシーが要求されるシーンにも最適です。
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データセット構築から対応可能
多くの場合、独自アプリケーションの開発には、独自のデータセットが必要です。学習の仕組みを理解したエンジニアが、学習用データの収集からアノテーションまで対応します。
コンパクトな FPGA ボードの例:
XILINX Zynq UltraScale+ MPSoC ZU3EG 搭載の AVNET製 FPGA ボード「Ultra96v2」は、名刺サイズの小型 FPGA ボードです。
エッジ AI 開発例
Edge AI を活用したアヒルの高速カウントデモ
円形のプールを流れるアヒルをカウントするデモです。
XILINX 社製 FPGA を搭載した Ultra96v2 という小型 FPGA ボード上で動作します。
AI 画像処理技術を活用した、実用的なスピードで動作するカウントシステムは、様々なアプリケーションへの応用が可能です。
データセットの作成から、学習、モデル圧縮、FPGA 実装までをすべて弊社でスクラッチから開発しています。
レーシングサーキット高速物体検出デモ
AI EXPO 2019 で展示した、高速で動くミニカーを検出するデモです。
こちらも、小型 FPGA ボード「Ultra96v2」上で動作します。
このデモでは、高速に動き回る物体の位置とラベルを、FPGA 単体で推論しています。 トラッキングは使用せず、1枚1枚の画像を約40ミリ秒という非常に短い時間で検出しています。
使用しているのは、一般的なウェブカメラと、Ultra96 小型 FPGA ボードのみ。スタンバイ時と推論時での消費電力の差分=約 2.4W と低消費電力であるため、モバイルバッテリーでの動作も可能です。
高速キズ検知デモ
物体検出を応用した、欠陥検知のデモです。
検出されたキズは、Line / Circle / Wave / Other の 4 つのクラスに分類されます。
TAI のエッジ AI ソリューションは、ネットワーク不要、かつ過酷な環境でも駆動できるため、その実現においてフィールドを選びません。
重量や消費電力といった制約に対し、FPGA や CPU ベースの最適な異常検知・欠陥検出ソリューションを提供可能です。
学習データセット作成サービス
高品質な CNN アルゴリズムの開発には、高品質な学習データが必要です。
認識精度や誤検出率は、ニューラルネットワークだけでなくデータセットにも大きく依存しています。学習の仕組みを理解したエンジニアによる、誤検出を抑制するようなアノテーションが望まれます。
TAI は、自社開発のアノテーションツール (L-meister) をお客様のニーズに合わせてカスタマイズすることで、個々のアプリケーションに応じて最適なアノテーションを実現します。
フィリピン拠点を有する弊社パートナー企業と連携することで、コストパフォーマンスに優れたデータセット開発サービスをご提供します。
- 目的・用途に応じた柔軟な付加情報
- 学習の仕組みを理解したアノテーション仕様策定
- 海外拠点を活用したコストパフォーマンスの高いアノテーション
- 精度評価を行いアノテーション仕様にフィードバック
物体検出向けアノテーションの例
データセット作成フロー
(L-meister : 自社開発のアノテーションツール)