個人事業主や零細企業…コロナ禍で「隠れ倒産」が激増する
新型コロナウイルスの影響で企業倒産が続出している。上場企業では5月に、アパレルで一時代を築いたレナウン(東証1部)が倒産。9月には「トップボーイ」の店名でゲームソフトなどの販売を手掛けていたNuts(ジャスダック)が経営破綻した。
コロナ禍で有名企業がバタバタと倒れているのに、今年の上半期(4~9月)の倒産件数(負債額1000万円以上)は昨年より減少している。東京商工リサーチの調査によると、2019年上半期は4256件が倒産。20年上半期は3858件で、前年の同じ期間と比べて9・35%減だ。
コロナで外食産業が大ピンチに陥り、ホテル業界は客足がパタリと止まった。訪日客はほぼゼロで、百貨店の売上高は8月まで11カ月連続で前年割れ。それなのに、倒産件数は前の年より減少している。
「カラクリがあります。倒産は確かに減っていますが、いわゆる隠れ倒産は凄まじく増加しています。経営難に追い込まれた個人事業主や零細企業は休業や廃業、解散という形で、続々と会社をたたんでいるのです。これは倒産ではないので、倒産件数にはカウントされません」(市場関係者)