指輪の秘密 | ココ

ココ

筆文字アート作家として
歩み始めました。

感性を育みながら
言葉を必要とする方と
寄り添っていきたい。


テーマ:


由美子の身体は仄かに

甘い香りがして、

柔らかく滑らかな肌が欲情を唆る


二の腕の内側、ひときわ肌が

柔らかくって白い部分。


そこへ吸い寄せられるように

顔を近づけて歯で甘噛みして

強く吸って痕を残した。


夜を盛り上げるための一手段か

……あるいは、醜い独占欲の現れか。


今まであんまりした事のない

所有印をつけるという行為に高揚してる

自分に気付いて、自分自身で驚く。


下着だけの姿になった由美子が

恥じらって胸元を隠そうとしたんで

「脱がせるわ」ってシャツの襟元を

引っ張りながら言うたらコクリと

頷いた彼女は細い腕を

脱がし易いように腕を伸ばした。


1つ、1つとボタンを外していき

素肌が空気に触れていく。


じっとオレの身体を見た由美子が

おもむろに指先で、胸元からおへその

辺りまでツツ……と撫で下ろしていく。


背筋にぞくっと震えが走り、

俺は不覚にも小さく息が乱れた。


「……っ由美子!」


ゴクリと喉が鳴る。


衣類を脱ぎ捨てて全てを晒し、

由美子の下着も取っ払った。


歯止めなんてもう利かへん。


「……うぅ........っ」

エロチックな漏れる喘ぎ。

律動のたびに、微かに鳴る水音。


後ろから突き立てながら背筋を

すうってなぞっり首筋に舌を這わせたら

ひときわ高い声が上がり、うねった

中が吸い付くように締め付けてくる。


「はっ…ぁ。気持ちええ!」


思わず呻いて、ぐっと腰を押し付けた。


彼女はこういう行為が久々やったんやな。


しっかり慣らしたつもりやってんけど

最初は少し苦しそうで大丈夫か心配やった。


でも1回目ですっかり馴染んで今は熱く

トロけて絡みついてくる。


えるように頬を紅く染めた表情も

俺の脳が刺激されて落ちていった。


目をとろりとさせ、唇を噛んで、

我慢しきれずに甘い声を微かに

上げるところは……もう堪らんやん!


くびれたラインや綺麗な背筋も

見惚れてしまうねんけど

またあの表情を見たい感じ。


「由美子!仰向けになって」


「ん……」


別世界の感覚に微かに抜けた声を上げ、

追いすがるように腰が少し動くもんやから

一息にねじ込みたくなるのを

我慢する羽目になる。


わざとなんか無意識なのか……

彼女はまじで盛り上げ上手。


「タカヒロ..........…」


仰向けになって吐息と共にオレの

名前を呼びながら腕を伸ばす由美子。


誘われるように由美子の腕の中へ

身を寄せ、愛おしい激しいキスを

交わしながら俺は彼女の中へと

再び吸い込まれ深く沈んでいった。


「ん……」

まどろみながら緩やかに

意識が浮上していく感覚や。


窓の外は既に明るく、眩い朝日が

品の良いのカーテン越しに

室内を明るく照らしていた。


「……あっ!ヤバ〜」


飛び起きかけても由美子を

抱きしめてたから寸でのところで

まぐわいの動きを止める。


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どれほど時間が経ったんか

戸惑ったけど由美子は

眠り落ちていた。



そっとベッドから抜け出して、

時計をどこ置いたかと探す。


リビングのローテーブルの上に

乗っていたそれは、

AM 7時10分を指していた。


「はぁ……セーフや…」


今日のレコーディングは10時から。

1回自分の家に戻って着替えを

済ませても十分間に合う時間や。


……もし寝坊していたら、

雅也にこっぴどく怒られる。


安堵の息を漏らしてソファに座り、

昨夜外してローテーブルに置いてた

指輪を手に取ってみてんけど........


いつも通り右手の中指につけて、

眠たそうなあくびをした。


立ち上がり、再び寝室に戻って、

眠っている由美子のそばに座る。


「……無理させて悪かった」


回数としては2回か..........

できるだけ長く味わいたかったんで

自分が果てないように膣壁刺激に

影響を受け過ぎないようにして

結構長いこと余韻に浸った。


最後のあたりの由美子が、ゆらゆら

トロけながら涙目で「もうアカン!」

と舌っ足らずに言うたんが最高で。


……いや、最低やんかオレ。

真っ直ぐな髪をそっと撫でて

、額に軽くキスを落とす。


置いてあったペンとメモ用紙を取り

連絡先とメッセージを書くため。


昨夜連絡先を交換できたら

良かってんけど、うっかりスマホを

家に忘れて来たんで出来ひんかってん。


「なんでスマホ忘れるねん!」


さて、どうしよっか?


考えながら、手持ち無沙汰に右手の

指輪を回しながらいじる。


「……あ」


不意に、妙案が浮かんだ。


中指にはめたシンプルな

シルバーリングを再び外す。


そして、ローテーブルの端……

ソファに座った時すぐに目につく

場所に置いといて「よっしゃ!」

と小さく自分で納得させた。


由美子ってどんな人なんか

大体の大まかなことは掴めている。


まず、真面目か不真面目かで言うたら

圧倒的に真面目の方。


そして、聞いた仕事の話からして、

責任感も強そう。


指輪を置いて帰ったら

「返さんと....」って思って、

なんとしてもオレに接触してくるはず。


つまり次の金曜日、またバーの

Stax』で会えるんに違いない。


回りくどい手やけど、これがもっとも

無粋ではないやり方やって思った。


陽光を受けてキラリと光る指輪は、

そうは見落とせへんやろ?


テーブルの上に置いとったら由美子も

「わざと置たんちゃうん?」

ってたぶん察するやろし。


……由美子がオレとのことは

「ワンナイトラブ」やと思ってて。


掃除の時ローテーブルにぶつかって

カーペットの上に落ちた指輪を発見して

「忘れていった?」と誤解して

しまうことなど、この時のオレは知る由もなかった。






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