宅ディナー | ココ

ココ

筆文字アート作家として
歩み始めました。

感性を育みながら
言葉を必要とする方と
寄り添っていきたい。


テーマ:


スーパーに行って、足らへん食材や

カクテルに必要なものなどを買い足す。


タカヒロが全部払おうとするんで

「アタシも払う」と半分お金を出した。


「払わんでいいやん!」


「甘えてばっかりやから」


「俺は甘えて欲しいねんな」


押し問答をしつつタカヒロの

マンションに着いて、まだ18時前。


ローストビーフの下準備の合間に

二人ともお風呂を済ませて

それから仲良く料理をスタート。


まずはアタシがコールスロー。


キャベツと人参を千切りして

塩揉みでしんなりさせて軽く絞った。


クルトン、カリカリベーコンを散らして

昨日の余ったドレッシングで和えて

カレーパウダーをアクセントに......

これめちゃ旨やねん‼︎‼︎


その間にタカヒロが下味を付けた

牛ロースの塊肉を真っ黒って思うほど

強火でソテーして丁度いいらしい。


炊飯器でほったらかし調理で

30〜40分ほどで出来るんやって!


「ローストビーフって外食か

買って食べるかの発想しかない!」


「作ったら安上がりやしな。けど

炊飯器やからな!ローストしてないのに

ローストビーフやで‼︎ええの?」


「外側がカリッと黒くて

カット面がキレイなピンクやったら

ええんちゃうの?」


「由美子って割と適当やなぁ」


「バレてもうたなぁ」


そんな会話を楽しみながら

お醤油と味醂と穀物酢を

2:1:1の割合でタレを作る。

チューブのニンニクと生姜を

少し加えて完成した。


メインのパスタに取り掛かる。


生パスタのフェットチーネを

ボイルしてる間にパンチェッタを炒め、

卵とパルメザンチーズを綺麗に混ぜておく。


茹で上がったパスタを軽く水気を

切ってフライパンへ投入。


全体が馴染んだところで、

混ぜておいた卵とチーズと

絡めて完成させた生クリームを

使用しないカルボナーラ。

黒胡椒はたっぷりかけて.......

「できました!」


「おお、美味そう」


二人で手を叩きながら

はしゃいでお皿に盛り付け。


シャンパングラスに澪を入れて

いつもより早い夕食の時間になった。




「いただきます」


まずはコールスローから......


塩揉みしてドレッシングで

和えてあるからしんなりして最高。


「うん、すんごく美味しい」


また二人で作ろうなぁって言うから

うん、と頷いて--------そう言うたら

水族館の帰りにも『忙しくなる』って

言っていたことを思い出す。


「来週から忙しいんやったね」


「そ。アルバム出してツアー始まるから」


「ああ、あの」


花園さんが「行きましょう!」と

誘ってくれてたんがこのライブ。


城ホールでの久々ライブ。


ドラマのOP曲になっている

シングルを含めたアルバムが

もうすぐリリースされるらしい。


そのアルバム曲の披露を主とした

ツアーになるねんて。


「あれ、知ってたんや」


「会社に、ぼんくらの

大ファンの後輩がいて、

その子が話してくれてん」


「へぇ。……あ、

カルボナーラ美味い」


「ホンマ マジ旨〜」


彼の自炊レベルはかなり高そうなので

サラダとか口に合うか不安やったけど

大丈夫だったみたいでホッとする。


冷めないうちにとアタシも

パスタを食べていると、

不意にこちらを軽く覗き込むように

タカヒロが見てきた。


「由美子もライブ来る?」


「……どうかなぁ!後輩の子が、

チケット当たったら行こうって

誘われてんけど」


「ああ、なるほど。もしアカンかったら

俺に言って」


「え」


「いや、でもそういうのって...

コネチケットみたいなもんでしょ?」


「んー、ちょっと違う。

ちゃんとした席じゃなくて、

所属会社の人とか内輪の関係者で

来たい人はどうぞって感じのエリア。

だから、カメラが前通ったり、

インカムの声とか聞こえたり

色々難はあんねんけど元々売ってへん

席やし気にせんと来てほしい」


「なるほど……。ありがとう」


もしもコネチケットやったら

昔からの大ファンでもないのに

図々しく行くなんて出来んわ!


売り物にできないエリアに

ちょっとお邪魔するくらいなら、

ファンの迷惑にはならんわなぁ……


それに、花園さんは『バンドは音っすよ』

と力説してたんで曲さえ聴ければ

文句はないはずやから。


「……でも、もしお邪魔するとしたら、

後輩の子になんて説明したらええかな」


「普通に、俺に誘われたって

言えばいいやんか」


「えっ、言われへんわ!」


この人は、何でサラッと言うねん!


いやぁって即座に否定したら

タカヒロは「せやなぁ。言いづらいな」

と納得したような様子。


いやいや……言いづらいも何も、

当たり前やん。


「たまたま知り合いが会社にいて……とか」


「……うん、そうする」


それよりも花園さんにチケットが

当たりますように!...........



パスタを食べ終えた頃にピピピピピー。

ローストビーフの完成を告げる。


粗熱を取りってアルミホイルの

包みを剥がしたら表面に焼き目の

ついた肉の塊に期待感MAX!


「いきます」


「どこへ?」(笑)


包丁を構えるタカヒロやけど

こっちが緊張してんねん!


ローストビーフはカットしやんと

出来栄えがわからんから

入刀は緊張の一瞬.....


ストーンプレートに盛り付け

「おっ、ええ感じちゃう?」


火の入れ方最高やんか。じっくり

低温調理された塊肉が

ジューシーで美味しそう。


切り落とされた断面を見てアタシが

拍手したら、つられてタカヒロも

”Thumb up”「よし!」と小さく

親指を突き上げた。


無邪気な笑みは少し少年っぽくって

なんや知らん可愛いくてたまらん。







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