宅飲みBAR | ココ

ココ

筆文字アート作家として
歩み始めました。

感性を育みながら
言葉を必要とする方と
寄り添っていきたい。


テーマ:


「そろそろシメにしよか!」


タカヒロにつられて時計を見たら

とっくに1時を過ぎ、

2時が近づいている。


明日休みやねんけどあまり夜ふかしして

生活リズムを崩すのも良くないし……と、

アタシも頷いた。


「ジンとコアントローが好きやねん

やったら...…ホワイトレディとか?」


「いいね。シェイカー振って欲しい」


「あんま期待せんといて!」


ちょっと恥ずかしげに言いつつ

カクテルグラスとシェイカーを

取り出したタカヒロは氷、タンカレー

とコアントロー、レモンジュースを

入れてシェイクしていく。


『バーでバイトしてただけ』と言うたけど

なんども経験してる感じ!


小気味いい音を奏でながらシェイカーを

振るタカヒロは今でもバーで働けそうな

くらいの手際の良さやん。


「はい、お待たせ」


一口飲んでみると、すっきりと爽やかな

柑橘の香りが広がる。


度数は高いカクテルやけども

するする飲めてしまいそう。


「タカヒロってなんでもできるなぁ」


しみじみ呟くと、自分の分のカクテルを

作っていたタカヒロは苦笑した。


「なんでも出来へん!

まともな社会人経験もないし」


「そうなんや!」


「大学生の時にインディーズで

デビューして、就職してへんし

バイトしかしたことない」


「ふぅん」


再びシェイクする音が響く。

さっき作ったカクテルのコアントロー

抜きでレモンをライムに変えてたから

ギムレットを作っているんや。


それぞれ作り終わって先程の話に戻る。


「それ、気にしてるん?」


「……まあ、普通の生き方ちゅうし

ミュージシャンってイメージあんま

良くないと思うねん。


「付き合っちゃいけない3Bって

よく聞いてるけどなぁ」


「俺、3Bリーチかけてたな」


「ホンマや!」


バンドマン、バーテンダー、美容師――

付き合ったらあかん“ 3B ”。


あと美容師の修行をしてたら3Bビンゴや。


グラスを傾けつつ少し笑うと、

ぐいっとお酒を煽ってこちらを見据える。


「由美子は気にしてへんの?そういうの」


「んー、別に。ヒモやってんのとちゃうし

成功して売れっ子やしいカッコいいわ」


「そんなもんか」


「うん。っていうかむしろ、

アタシの方が駄目やん。初めて会った時は

タカヒロに迷惑かけたやろ?」


「迷惑だと思ってへんし」


「そう? でも、お礼もまだやのに

今日は美味しいお酒作ってもらったし

……タクシー代も払ってもらった」


「誘ったのは俺やから。

それくらい当たり前やんか」


「でも、ちょっと申し訳ない」


「…………」


「……ん?どうしたの?」


無言でじっと見つめられつい

聞いてしまう。


「……だったら、“お礼”してや」


ギムレットを飲み干したタカヒロは

こ惑的な笑みを浮かべた。


そして距離を詰められて、少し身を引く。


「……身体でお礼的なやつなん?」


「そう言わてたらなんか嫌な感じ」


「けど言い出したんはタカヒロ」


「そうだやけど」


いまいちムードのない掛け合いを

楽しみながらも、肩を抱き寄せられて、

こめかみ辺りにキスをして来た。


指先が耳の縁をくすぐるように

なぞられたら、少し落ち着かへん

気持ちになって、アタシは顔を背けた。


「ちょっと待って……」


「ん?」


「……っ!」


返事をしつつ、うなじを軽く撫でるから

危うくお酒をこぼしそうになる。


「ね、待って.......これ、

あと一口で飲み終わるから」


「うん、早よ飲んで!」


そう言いつつ、またこめかみにキス。


これは彼的には『待つ』に

入ってんのかな?


このままやったら本当にこぼしてしまう。

せっかくの美味しいホワイトレディを

生温くしたら勿体ないし。


グラスを傾け、最後の一口を味わった。


度数の結構、高いカクテルが、

カッと喉を熱くした。


「……美味しかった」


タカヒロの手がグラスを奪って

見つめられて今度は唇が重なる。


微かにギムレットの香りがして、

タカヒロにはホワイトレディの香りが

届いてるんかとぼんやり思った。


「ん……」


頬や耳元、首筋に大きな手のひらが触れて、

アタシより少し高い温度を感じて

いるうちに深まる強弱あるキス。


タカヒロとのキスってぞくぞく、

ふわふわして凄く気持ちいい。


――もちろんキスだけと違う。


あの金曜日の夜に味わった、凶暴で、

それでいて蕩けるような快感を思い出し、

お腹の奥の子宮がジンと熱くなる。


タカヒロが着ているTシャツの裾を

掴んでいた手を、彼の頬へ伸ばす。


男性にしては滑らかな肌を親指で

そっとなぞったら、彼は目を開けて、

濡れた唇をぺろりと舐めた。


タカヒロの野性味がありつつ綺麗な

顔立ちは、その仕草が驚くほど映える。


「おいで」


誘われるように首元に腕を回すと、

膝裏をすくわれて身体が浮かんだ。


アタシを抱えたまま器用に寝室の

ドアを開けたタカヒロは真っ直ぐに

ベッドに向かい、そっと下ろした。


ライトアップ照明がぼんやりと照らし

誘惑的でシックな寝室。


さすがお洒落マンション..........


標準装備らしい照明までお洒落――

そうした感想は、再び深く唇が重なって

薄っすらと霧散していった。


「……ふ、……ッ」


ふわふわとした気持ちよさに

陶酔してると時折の甘噛みが

柔く立てられて、ぞくっと震えが走る。


Tシャツの裾を掴んだ彼の手は、

キャミソールごと器用に上を

ゆっくりと脱がせていって、

淡い照明に照らされた肌が小さく

痺れるように鳥肌が立った。


「寒いん?」


「ううん。大丈夫……」


タカヒロもTシャツを脱ぎ捨てて、

引き締まった上半身をあらわにする。


シックスパックのお腹の硬さは

自分にはないもので、つい凹凸を

楽しむようになぞっていると、

彼がふっと笑うのがわかった。


「俺の身体好きなん?」


「その言い方だと語弊があるけど

..........かっこいいと思う」


「ツアーの1ヶ月ほど前に

メンバーと合宿してトレーニング

してるねん!」


「そうか。なるほど.....」


「ライブとか、体力使うもん」


言いつつ、また腹筋を触ってたら

「くすぐったい」と低い笑い声が響く。


「あ、あと、タカヒロは声がいい」


「そうか? 自分の声、録音で聞いたら

なんか変な感じやで!」


「それわかる。こんな声やってんや!

って感じするもん」


「でも、俺も由美子の声好き」


「え、どこが」


「普段の落ち着いた声もいい。

あと――う〜ん。言われへん!」


首筋から胸元へ、時折軽く肌を触れるか

触れないか程度の唇が、紅色づいた

そこを柔く優しく食んで来て

思わず「あっ」と声を上げてしまう。


「――こうした時のエロ声が」


今度は舌先で転がされるようにされて

堪えきれずに鼻にかかった声が漏れた。


「はぁ……んっ!」


「声、我慢しようとして漏れるの

めちゃくちゃそそるねん」











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