幸福感 | ココ

ココ

筆文字アート作家として
歩み始めました。

感性を育みながら
言葉を必要とする方と
寄り添っていきたい。


テーマ:

しばらく予約更新だけにします。
誰の所にも行かないよ!





外観からしてめっちゃええやん!

デザイナーズマンションやなぁ。

内装もマジで洒落ていた。


白いフローリングに漆喰。

壁が渋い色のレンガがステキ過ぎて。


家具はIKEAやニトリとは全然違う。


モノトーンで揃えられててアクセントに

ソファーの背もたれがペイズリー柄。


ファブリックやから冷たすぎる感じは

全くなくて、やけに落ち着く部屋。


間接照明もBAR風でスポットライトが

照らし出すカウンターの棚には、タカヒロが

言うてた通り色々な種類の洋酒が

所狭しと並んでいた。



「うわ、すごい……」


思わず微塵も語彙力のない呟き漏らして

タカヒロが大袈裟に笑う。


「由美子!明日は休みやった?」


「うん」


「じゃあ、ゆっくり飲めるやん

……あ、先に風呂入る?」


「そうやねぇ。酔っぱっらたら

面倒にくさくて入りたくなくなるし!」


宅飲みするんやったら飲んであとは

寝るだけ状態が一番楽やし。


同意した返事をしたらタカヒロは

満足そうに笑みを浮かべる。


「……一緒に入る?」


「「いややわ‼︎」


冗談っぽかったんで苦笑して遠慮なく

断わったらタカヒロは軽く肩をすくめた。


「ま、一緒に入ったら飲むどころじゃ

なくなるしな。由美子から先どうぞ」


「ううん、家主がお先にどうぞ」


「由美子が髪乾かしてる間に

俺が入れば丁度ええんちゃう?」


「ああ、せやな!」


結局アタシが先に入ることになって、

タオルと寝間着を貸してもらい

バスルームへと急いだ。


メイクを落として髪と身体を洗い、

いつもよりちょっと急ぎ目で

シャワーを終わらせる。


スキンケアのあとにナイトパウダーを

はたいてからリビングへ顔を出すと、

タカヒロはソファでお酒を飲みながら

テレビを見て寛いでたわ。


「お風呂上がったから」


「うん」


テレビ見るんをやめてこっちに

視線を向けたタカヒロは半ば服に

着られている状態のあたしを見て...

笑いこけてるやん!


「でかいな」


「丈が長すぎるわ!」


裾を引き摺らないように少し

引っ張り上げながらソファに座った

タカヒロが両手両足の裾を丁寧に

マクリあげてる。


「ありがとう」


「どういたしまして。……

なんか作ろうか?由美子は

何がええん?」


「んー……最近ディタに凝ってんねん」


ライチが原料のリキュール「ディタ」

香りが良くて飲みやすいことから

女性にも大人気のリキュール。


「うん。よう知ってんなぁ!

あるよディタは......

ディタスプモーニはどう?」


「あ、ディタあるんや!

うんさっぱりグレープフルーツ多めで

お願いするわ」


どちらかといえば女性が

好むやつやん!

なんでタカヒロの部屋にあるんかなぁ?


「雅也用に置いてんねんけど」


「……それって飲んでもええんかな」


「あいつ酒弱いねん。

全然減れへんからへーき」


それもちょっと意外やった。


立ち上がったタカヒロ。


カチ割り氷の入ったタンブラーに

ディタを丁寧に入れて、そして

絞ったグレープフルーツジュース、

トニックウォーターも順に入れた。


バースプーンで軽くステアする

一連の動作は、流れるように滑らか。


「職人さんや!」


「いや、好きなだけやし」


「でも、素人じゃないわ」


「BARでバイトしてただけ。

はい、出来上がり〜」




差し出されたのを早速飲んだら

華やかなライチの香りがふわっと

鼻を抜け、グレープフルーツと

トニックウォーターの仄かな苦味が

後味を引き締めつつ余韻を残す。


あぁ

「……美味しい」


「せやろ?じゃオレも風呂行ってくるわ。

テレビでも何でも好きに見てて」


「わかった」


髪を乾かし終えて抜けた髪の毛の

回収に没頭してたら浴室のドアが開く。


しばらくして髪を拭きながら

出てきたタカヒロはTシャツと

スウェット生地パンツ姿やけど

それでもスタイルの良さは健在だ。


「髪、乾かそっか」


この間は乾かしてもらったし

……と思って今日はアタシがタカヒロの

髪を乾かすことにする。


「お願いします」って言ってアタシが

座るソファの足元に座る彼。



さっぱりとした黒髪は、

触れてみると案外柔らかくて

サラサラとしている。



滑らかな指通りを楽しみながら

乾かし終える頃には、ドラマがちょうど、

終わりかけていた。


「次、なんか作ろうっか」


「タカヒロのはジントニック?」


「そう正解。タンカレーで」


「じゃあ、アタシも」


今度はアタシががジントニックで

タカヒロはモスコミュールを片手に

ソファへ戻る。


どちらもライムの香りが爽やかやなぁ。

並んで座ると、緩く引き寄せられて、

身体の右側が彼にぴたりと

寄り添う姿勢になった。


「…………」


ふと、側頭部に何かが触れる

感覚があって隣を見上げる。


「なに?」


「いや。なんかええなって思って」


タカヒロの言葉は、漠然としすぎて

よく分かれへん時ある。


『どういうこと?』と視線で

訴えんねんけど。

それ以上言うつもりのなさそうな彼は、

再びテレビに視線を移した。


しばらくしてから

最初にバーで話していた時や、

チンタラとメッセージのやり取りを

していて感じててんけども

やっぱりタカヒロとは波長が合う。


時々新しいお酒を作ってもらったり

他愛ない話をしたりしたうちに

テレビを消した.......





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