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D52・D62の組み立て(やえもんデザイン)

やえもんデザイン D52

2012.4.28/2013.2.27

前作D51なめくじに続き、2012年に発売されたコンバージョンキットです。C59・C61と一緒に発売されました。
特に何を先に組み立てるか予定はありませんでしたが、メーカーのサイトにD52の説明書訂正が載ったので、D52を先にしました。
個人の組み立て結果のメモ書きであり、組み立て方法ではありませんのでご了承ください(間違っているところもあります)。

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キットの様子

パッケージ

キットは片手に乗るくらいの大きさのプラケースに入っています。
基本的にはD51のときと同じような構成です。

中身

中身はプレス済みのボイラーとキャブ、エッチング板各種、多数のロストワックスパーツ、線材などです。

ボイラー上の配管類のうち、ハンドレールと空気作用管はエッチングパーツが付属しており、加減弁ロッドと吐出管操作ロッドは真鍮線で製作するよう図示があります。 その他の配管には特に製作指示はなく、必要に応じて付属の線材などを使って製作します。

ベース車両はKATOのD51 498(新)が指定されています。エンジン部下廻りのほか、安全弁とダミーカプラーも使います。
ほかテンダー台車としてKATOのTR41とセンターピン(KATO製の、先端が割りピン状になっていてパチンと押し込むもの)が必要です。

キャブの組み立て

キャブ妻板
  1. 前後の妻板を2つ折りにして貼り合わせ。
  2. キャブひさしに丸みを付け、両側を折り曲げて窓の上部に固定。
    前作のD51では、両側の曲げ線はPカッターを使って自分で入れる必要がありましたが、今回は折り線がエッチングされています。

前部妻板には、あらかじめ必要な配管用の穴を裏側から開けておきます。
また後部妻板の角(赤い矢印の付近)には、あとで手すり(雨樋)を付けやすいよう、キャブ側板の取り付け位置の凹みに合わせて軽く溝を付けておくと楽です。

キャブ前方
  1. キャブ側板をぴったり合わせ、裏のハンダ穴からハンダを流して固定。
  2. 妻板をはめ込んで固定。側板との突き合せに隙間がないよう注意します。
  3. 天窓を固定。
  4. 天窓のレールを屋根の下側から差し込み、先端を突き合わせてを固定。キャブ屋根と接する部分も裏からきちんとハンダを流さないと、あとで取れてしまうことがあります。
  5. 暖房安全弁を固定。
  6. 信号炎管を固定。
キャブ後方
  1. 後部ひさしのフチをハンダ付け。左右にずれないように注意します(私はズレたうえ修正に失敗し、一部別な真鍮板で作り直しました)。
  2. 後部妻板をはめ込んで固定。
  3. 左右の手すりを固定。形状の違うものが2種付属しています。下側の処理はこの時点では考えていませんが、とりあえず前方に曲げておきました。

キャブの床板はあとで固定しますが、ここで一度床板と組み合わせて形を合わせておいたほうが楽だったと思います。

ランボードとボイラー

ランボード
  1. ランボードは所定の形に折り曲げます。網目部分は外側に折り返して、裏のハンダ穴等からハンダを流します。
    水平部が直線になるよう特に注意します。
  2. コンプレッサー、給水ポンプの屈曲部に別途網目板を貼り重ねます。
  3. 前方デッキ部の網目板を貼り重ねます。ステップ等の取り付け穴がずれないように重ねますが、折り曲げ位置が悪かったのがどうしてもうまく合わず、あとで裏側から穴を削り直しました。
ボイラー組み合わせ

ボイラーの下辺が平行になっているのを確認してから、ランボード後方をまず引っ掛け、ボイラーの左右3箇所ずつの穴(矢印)にランボードの爪をはめ込んで固定します。
うまく爪が入らないときは、爪の前後や肉厚を少し削ったりして調整します。

写真ではボイラー前方の下部を閉じてありますが、ここで閉じないほうが組み合わせやすいような気がします。

これだけでほとんどランボード前方が直線になるので楽でした。屈曲部を境に前後の高さがずれる恐れは残っているので、できれば後部にも爪が欲しかったと思います。

ランボード前方
  1. 前方の特徴的なバネ箱を固定。組み立ては説明書に図示されているとおり、内側からフォーク状の部品(B-1-4b)を差し込み、先端をコの字に折り返して上部の網目板と合わせます。
    ※この部品は2種付属していることがあとでわかりました。使い分けを間違えているかもしれません。
  2. ランボード前方に突き出たステップ(左右)を固定。下側の取り付け足は傾斜部の穴に差し込んで裏からハンダ付けし、後部はランボード前端にベタ付けしました。
  3. 傾斜部のステップ(左右合計4箇所)を固定。

各種パーツの取り付け・配管

ボイラー上パーツ
  1. 給水温め器を固定。何度やっても左右に微妙に傾いているような気がして、なかなかニクい部品です。
  2. 煙突を固定。何度やっても(以下略)。
  3. 砂箱蓋をドームに固定。ドームをボイラーに取り付ける前に裏からハンダ付けしました(以下4~6も)。
  4. 汽笛をドームに固定。
  5. 砂撒き管(左右3本ずつ)をドームに固定。
  6. 加減弁のクランクをドームとボイラーに固定。細かい部品なのでよく見えず、上下の向きを間違えていないかやや自信がありません。
  7. ドームをボイラーに固定。6本の砂撒き管はランボードの穴に差し込み、ボイラー下部にベタ付けしました。

ドームはあらかじめボイラーにぴったり合うよう形や高さを調整しておきますが、前作のD51のときにこれが非常に大変だったため(特になめくじ。軽く1~2時間はかかった)、そのまま付けてしまいました。
しかし、煙突よりもドームが若干高くなってしまい、結局はやり直すはめに…。やっぱり気になるものは気になるんですワ。

ボイラー非公式側パーツ(1)

目に付いた順に適当に付けております。

  1. ドーム前ステップを固定。
  2. ボイラーに穴を開け、ロストの2又ユニオンを固定。3の真鍮線を延ばして直接ボイラーに差し込もうと思いましたが、結局付属パーツを使いました。
  3. 配管は0.3mm真鍮線で作りました。もっと格好良く曲げればよかったです。
  4. ドーム横ステップ(左右3箇所ずつ)を固定。
  5. 配管覆いを固定。
  6. 逆止弁を固定。
  7. 給水ポンプの送水管を固定。ランボードの屈曲部に配管を通すような切り欠きがあったので、そこを使って全部ランボード上に出しました。
ボイラー非公式側パーツ(2)

さらに適当に付けております。特に目指す特定機があったわけではなく、各機からつまみ食いしています。

  1. 清管剤挿入装置を固定。ないものもあります。
  2. 吐出管ロッドを固定。後部を少しクランク状に曲げました。
  3. ロスト+エッチングパーツの吐出管レバーを固定。
  4. 配管受けを固定。
  5. 吐出管レバー(長)を固定。6の真鍮線を先端に固定し、下部はランボードの穴に差し込みます。
  6. 吐出管ロッドは0.3mm真鍮線を使います。実物は他の配管を避けてぐにゃぐにゃに曲がっていたりします(まともに操作できたのだろうかと思うほど…)。
  7. 反射板ハンドルを固定。反対側にも留め具が付きます。
  8. 安全弁座を固定。これがなかなかぴったり合わず、ちょっと浮いています。裏の取り付け足を平らに削ってしまい、ベタ付けしたほうが簡単だったかもしれません。
  9. 発電機を固定。

キャブは脱着式にしようかと思いましたが、固定しないことには配管が難しいことがわかり断念しました。まず床板を固定し、それからキャブも固定しました。

キャブの取り付け
  1. キャブ床板は網目が上側になるよう折り重ねます(写真は下側から見た様子)。
    ※床板がキャブに無理なくはまるよう、削り合わせておきます。無理するとキャブが歪んでしまい、左右ばらばらに前後に傾いてしまいます(やりました)。
  2. 後部にできるΩ形の切り欠きに、渡り板の蝶番部分を引っ掛けます。
  3. 左右の押さえ板を折り重ねて、蝶番が外れないようにします。
  4. ランボード後部の仮ブリッジをカットしてから、バックプレートを固定。バックプレートの下部は説明書に従って少し削っておきます。
  5. キャブ床板を固定。床板の前方に残るブリッジ部はあとで切り取ります。
  6. キャブをボイラーの3箇所の穴にはめ込んで固定。※床板やバックプレートを付ける前に付けてもまったく差し支えありません。
  7. 左右の火室下部を裏側から重ねて固定。

赤い矢印の三方コックや火格子シリンダは一度付けましたが、キャブ下はD51の配管で代用することにしたので取り外しました。

ボイラー非公式側パーツ(3)

キャブが付いたので、残りの配管を取り付けます。配管の線材は別途用意したものもあります。

  1. ハンドレールを固定(これはキャブに関係しません)。
  2. 通風管を0.3mm真鍮線で作り固定。ボイラーの数箇所に穴を開け、薄い真鍮帯材で取り付けました。
  3. 給水ポンプ配管を0.4mm真鍮線で作り固定。
  4. 発電機の蒸気管を0.2mm真鍮線で作り固定。
    ほか、発電機には真鍮線と真鍮パイプで排気管と消音機を作って取り付けました。

電気配管、汽笛引き棒は作りませんでした。別に嫌いなわけではなく、気が向いたら作ることはあります(面倒くさがり屋なので…)。

ボイラー公式側パーツ
  1. 空気作用管をボイラーにぴったり重ね、要所のボイラーバンド位置で固定。
  2. 加減弁ロッドを0.3mm真鍮線で取り付け。これが取れやすく、最後まで何度もポロポロやりました。ロストパーツの磨きが不十分で、しっかりハンダが食いついていなかったようです。
  3. 逆転機カバーを固定。
  4. 逆転機ロッドを折り重ねて(180度の谷折り)貼り合わせ、固定。
  5. コンプレッサーの排気管を0.3mm真鍮線で適当に作り、ランボードに穴を開けて取り付けました。
  6. ハンドレールを固定。
  7. コンプレッサーの蒸気管を0.4mm真鍮線で作り固定。一番外側に配管されているものにしましたが、機体により加減弁ロッドの下をくぐっていたり、さらにハンドレールの下もくぐっていたりと色々あります。

煙室まわり

煙室扉周辺

煙室扉は、手すりやライトなどパーツをすべて取り付けてからボイラーに固定しました。

  1. 煙室扉の蝶番をはめ込んで固定。開閉式にできますが、今回はちょっと合いが悪く、調整が面倒だったので固定しました。
  2. 手すりを0.3mm真鍮線と真鍮ノブで固定。曲がって付いてしまい、ヤットコで無理に真鍮ノブを曲げようとして首チョンパ(あれはひでぇオモチャだったかもしれませんがドリフによく似てました…)。急いではいけないです。
  3. 煙室扉ハンドルを固定。本来は、開閉機構の固定用のボスを兼ねています。
  4. ライトを固定。ここで煙室扉一式をボイラーに取り付けました。
  5. 0.25mm線を端梁に差し込み、ヤットコで手繰り寄せるように曲げて解放テコを製作。
  6. 端梁を固定。
  7. デフを固定。上部の傾斜は、最初に内側にPカッターで筋彫りをして曲げます。後方ステーは先を上方に曲げ、ボイラーの表からベタ付けしました。
  8. 前方ステーを0.25mm線で作り固定。デフ裏側に水平前方に向けてハンダ付けし(デフを本体に固定する前に付けておくと楽なのかも)、90度内側に曲げて煙室扉枠に重ね、ベタ付けしました。

この作例では単に付け忘れているのですが、扉の下に付けるシンダー除けも3種付属しています。

ランボード下のパーツ

キャブ下配管は、元のD51のパーツを代用することが想定されているようです。
よって素組みとしては少し楽です(もちろんそのままでは妥協しなければならない部分もあるわけで、そこは各自工夫ということになるでしょう)。D51パーツの取り付け方法はあとで考えることにしました。

公式側ランボード下
  1. 小形オイルポンプ箱は穴付きが2個付属しています。D51のときは1個だけだったので大助かりです。1個はこちらに付けました。曲がっているのであとで付け直し。
  2. コンプレッサーを固定。
  3. コンプレッサー蒸気管を接続。本当は調圧器が付きますが、私のキットには付属していなかったので付けませんでした。逆止弁が2つ付いていたのでこの一方を利用するのかもしれません。
  4. エアタンク(小)を固定。これは5の放熱管と重ねて一緒に仮組みしてから固定しました。
  5. 放熱管を固定。後方は内側に少し曲げてコンプレッサーに接続しました。
非公式側ランボード下
  1. もう1個の小形オイルポンプ箱はこちらに付けました。穴なし風にしてみようと向きを変えて付けました。なお穴なしパーツも別売されています。
  2. 給水ポンプを固定。内側が第四動輪ロッドピンに当たりそうになるので、少し削っておいたほうがよいようです。
  3. 送水管を0.4mm真鍮線で取り付け。
  4. エアタンク(大)を固定。これも5の放熱管と重ねて一緒に仮組みしてから固定しました。
  5. 放熱管を固定。エアタンクに合わせて適当に曲げました。
  6. オイルポンプ箱は補足説明書きにあるとおり、取り付け足を削り取って放熱管の直前に取り付けます。
端梁下
  1. 左右のステップを折り曲げて端梁下に固定。中段は前方に向けて取り付けます。
  2. 排障器を固定。なかなかまっすぐ付かず、左右の取り付け具合が同じようにならず、難しいです。
  3. エアホースを固定。取り付け足が短いので裏側から固定しにくく、表から付けました。このパーツはD51のときより細くなっているようです。
エンジン側部材完了

これでエンジン側の真鍮部材の組み立ては終了です。まだ全体の工程の一部です。

やえもんデザインのキットのよいところは、しっかりしたボイラーを背骨とみなして構造の基本にできることと、基本的にすべてのディテールパーツがハンダ付け可能であることです。
ホワイトメタルなど融点の異なる部品が混じっていると、部品の取り付け順に神経を使いますし、あとで周囲の部品を付け直す必要に迫られたときに、溶かしてしまう恐れもあるためです(間違ってコテを当ててしまうということもありますし)。

プラ製車体の改造用パーツなら、ホワイトメタルでできていても別に心配はないですね。

次はテンダーです。


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