無症候性Brugada症候群の予後に関する検討 <I>The prognosis in patients with asymptomatic Brugada syndrome</I>
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抄録
【背景】有症候性Brugada症候群, 特に心室細動 (VF) の既往を有する例の予後は不良であるが, 無症候性Brugada症候群の予後については意見が分かれている.<BR>【方法】心臓電気生理検査を含む精査を行い, 無症候性Brugada症候群と診断された10例の予後を, 有症候性Brugada症候群16例と比較した.<BR>【結果】Type1のST上昇の頻度は無症候例, 有症候例ともにほぼ同様で (20%vs.25%) , 突然死の家族歴は無症候例で有意に多く (50%vs.6%) , 薬剤負荷陽性率 (100%vs.53%) , VF誘発率 (90%vs, 60%) は無症候例で高い傾向を認めた.追跡期間中 (42ヵ月) , 無症候性例ではVFを認めず, 植込み型除細動器 (1CD) 誤作動を3例で認めたのに対し, 有症候性例では4例 (25%) でVFを認め, うち3例がVF蘇生例であった.<BR>【結語】無症候性Brugada症候群の予後は良好であり, ICDの適応には慎重を要すると考えられる.
収録刊行物
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- 心電図
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心電図 28(Suppl4), 53-56, 2008
一般社団法人 日本不整脈心電学会