打ち切り (テレビ番組)
テレビ番組における打ち切りは、視聴率至上主義における現代のテレビ業界で「視聴率の低迷」「マンネリ化」「出演者の都合」「スポンサーの都合」「その他大人の事情」により、急遽番組(もしくは番組内の一部コーナー)が終了する事態、もしくはこれに付随して製作スタッフの雇用やテレビ局の経営が終了する事態を指している。
目次
[非表示]概要[編集]
視聴率[編集]
現在のテレビ番組は高い視聴率を記録してスポンサー料を上げたり、番組関連のグッズ収入を獲得したりと要するに金につながる番組が重宝される。この為、視聴率が取れなければCMを流しても見てる視聴者が少ないと言う事でスポンサー収入を減らされかねない為に低視聴率の番組は内容をリニューアルしたり、早めに終了させられる例が後を絶たない。またこれとは逆に昼や夜中で視聴率の取れた番組は最も視聴率が獲りやすいゴールデンタイムに移籍させられ、時間帯が違う事が原因で視聴率が下がってしまう場合も多い。
景気が悪い際には視聴率はさらに細かにチェックされ、リストラの口実として多用されることになる。
他媒体との対抗[編集]
このような視聴率との戦いに疲れ果ててしまった者の中には、テレビ出演を減らしてYoutuberとかインスタグラマーに転向する芸能人の他にも、スポンサーを気にする必要のないNHKへの転職をする製作スタッフもいる。これらに対抗するため、バラエティ番組ではYoutube登録者数やSNSフォロワー数の少ない芸能人を徹底的につるし上げて他媒体投稿を打ち切らせたり、NHKへの亡命を阻止するために対立政党への支援が行われている。
主な種類[編集]
打ち切りはいくつかの種類に分類されている。大まかには「製作陣に責任があるタイプ」「外的要因によるタイプ」に分けられる。
製作陣に責任があるタイプ[編集]
- 短期終了・単純不発型
- 最も多いパターン。人気を得られるだろうと企画するも視聴率が獲れず1クールから1年前後で終了となる場合である。しかし同じ番組が長続きして視聴者が飽きてしまうという本末転倒な状態を予防するためにも、多くのテレビ局は今後も短期終了を前提とした番組制作を続行する予定である。
- 二番煎じ失敗型
- 人気を博した前番組や過去の名番組をリメイクさせるも、裏番組等による敗北や現在の視聴習慣に合わないなどの理由で視聴率が取れずに終了した場合である。なお少子高齢化の進む日本ではリメイクを好む高齢者が少なからずいるため、多くのテレビ局は打切り覚悟で二番煎じを量産を続ける予定である。
- 弱点型
- 日テレやTBSやフジのようなメジャーな局でも、時間帯によって得意不得意はあり、苦手な時間帯では幾ら頑張っても花が咲かない物である。「この時間帯はこのチャンネル」という流れがはっきりしている番組(主に平日の帯番組)で顕著になる傾向がある。しかし「苦手克服が合格へのカギ」という受験時代の有難い教えを受け継ぐテレビ局では今後も苦手分野への挑戦が終わることはないだろう。
- 文化の違い型
- 他地方の文化や視聴習慣をそのまま他地方に持ち込もうとして、受け入れられなかった場合。他地方でやってた番組をそのまま持ち込んで失敗したというケースでは、本来の製作局では引き続き長寿番組として人気を誇っている場合も多い。しかしGo To キャンペーンのような地域横断型行事が爆発的に増えている現代では、文化の違いを超えた番組制作が求められているため、製作陣は打切り覚悟で今後も文化の壁に挑む予定である。
- 逆打ち切り型
- 視聴率が取れなかったりネタ切れでリニューアルするも、返ってそれが仇となり打ち切りに繋がるパターン。
- やらせ・勝手行為発覚型
- 製作陣によるやらせや勝手な行為が発覚して大騒ぎとなり打ち切りが確定したパターン。会社の評判は落ちてしまうが、同系列の週刊誌が騒動をきっかけに売れてくれれば損失を補填することも可能であるので、製作陣はやらせによる打ち切りを必ずしも恐れていない。
- とはいってもやらせによる打ち切りは起こるより起こらない方がましなので、コンプライアンス部門は研修用動画の視聴を社員たちに呼びかけているが、こちらの視聴率は中々伸び悩んでいるため逆に打ち切られる懸念がある。
- ゴールデン降格型
- 人気のある深夜番組や昼間の番組をゴールデンに持ってきて打ち切られるパターン。ほとんどがテレ朝に多い。
- これを恐れてゴールデンに行きたがらない番組も多数存在する。
- 主な理由として「深夜帯でしか使えない下ネタがゴールデンでは封じられる」などがある。一方で、大容量録画機の登場で年齢に関係なく深夜番組を視聴できる現代では、下ネタなんか気にしても仕方ない問題ではないかという議論もある。
外的要因によるタイプ[編集]
製作陣からすれば言い訳がいろいろあって責任転嫁しやすいため、比較的好都合な打ち切りである。
- 大人の事情型
- 視聴率以外の理由で潰されるパターン。主な理由として放送内容の問題やスポンサー企業、はては出演者や芸能プロダクションのわがままや編成の都合がある。
- 基本的に終了が決まっても改編期までは続くのが多いが、様々な事情により時期に関係なく即効に打ち切られた例もある。
- 司会者もしくは主要な出演者が自粛警察に摘発されるなどしてカメラに映せなくなり、番組全体や一部コーナーが継続できなくなる場合もある。この場合は再放送時における画面の打切りも必要になる。
- 感染症型
- 感染症流行に伴うロックダウンもしくはそれに準ずる状態となった結果、ロケを行うことができなくなり、企画が破綻してしまうケースである。スタジオでのクラスター感染に起因する場合もある。
- 主な延命策としてはひたすら傑作選という名の再放送を繰り返したり、ロケを大幅縮小して継続するというのがある。しかし巨大スケールのロケを期待している視聴者からすればもはや別の番組であるため、同じ番組名で続いていたとしても事実上の打切りと見なされる場合もある。
- 一方で、パンデミック状態下での放送では「マスクをアピールできる」「医薬品CMとか健康番組の需要が高まる」という利点もあるため、実際の現場ではスタジオにおけるクラスター感染を覚悟の上で放送が継続されることも多い。
人気低迷寿命型
- 番組そのものだけでなく、司会者もしくは主要な出演者が寿命を迎えてしまったため、生き残った出演者たちで番組を回していった結果、番組の性格が変わってしまって新番組に移行するタイプの打切りである。
メリット[編集]
一般には打切りはテレビ業界において屈辱的な仕打ちだと考えられているが、メリットがないということもない。
芸能界でのメリット[編集]
芸能界で最終回への出演を果たした強者には「ストッパー」または「クローザー」の称号が与えられる。野球もやらずにはこのような尊称をいただけるのは単においしい話であるだけでなく、エピソードトークのネタが増えるためトーク番組での需要が高まる。
製作陣のメリット[編集]
製作陣からしても、「この番組で培ったノウハウは他の番組でも生かせます」「番組の打切りは私のせいではありません」等という詭弁さえ成立すれば雇用は守られるので、打切りに伴うリフレッシュ休暇を享受しつつ次の仕事をいただけることが保証されるのである。特に感染症型の打切りではウイルスに責任を押し付けられるだけでなく自宅待機・入院という名の追加休暇もプレゼントされるため大変有難い話である。このような理由から、過労死寸前のスタッフにとって打切りは救いの星だと考えられており、前述したようなメリットがあるからこそ社員たちは打切りも恐れない挑戦的な番組制作に専念できるわけである。
有名な事例[編集]
直近の著名な打ち切り事例として以下がある。
番組 | 打切り規模 | 類型 | 詳細 |
---|---|---|---|
消えた天才 | 全体 | やらせ・勝手行為発覚型 | 各分野における消えた天才を追跡取材するという番組であったが、製作陣が天才的な編集能力を発揮した結果として苦情・批判の餌食となり、2019年8月に天災的な結末を迎えることとなった。結局この番組のスタッフこそ一番の消えた天才だったのだ。 |
行列のできる法律相談所 | 大部分 | 自粛型、寿命型 | 2011年に島田紳助が電撃引退したのも大打撃だったが、それに加えてお抱えの弁護士たちが次々と他所にヘッドハンティングされた結果、法律相談所としての機能を概ね喪失した。製作陣は挽回を図るべく食育系企画など様々なコーナーを新設したものの、それらのコーナーを担うMCたちが番組に見切りをつけて次々とYoutuberなどに転職した結果、ほとんどのコーナーが打切り&再放送不能という状態に陥った。 |
世界の果てまでイッテQ! | 大部分 | 感染症型 | 2020年の新型コロナウイルス流行に伴う渡航制限及び手越祐也のジャニーズ事務所退所により、世界の果てどころか海外ロケに行くこともできなくなった製作陣は、何とかして尺を稼ぐために全てのロケを日本国内に切り替えたり、ヒルナンデスと出演者トレードを行うなど番組の刷新を行った。しかし長年のファンたちからすればこれは最早「日本の果てまでイッテQ!」であり、実質的な番組縮小・打ち切りと捉える意見が少なくない。 |
関連項目[編集]
この番組「打ち切り (テレビ番組)」はまだパイロット版です。 実用化に向けて更なる検討を必要としています。 (Portal:スタブ) |