コロナ潜伏「10日以上」症例 名古屋市発表 「まれなケース」観察期間維持

コロナ潜伏「10日以上」症例 名古屋市発表 「まれなケース」観察期間維持

コロナ潜伏 10日以上症例も

コロナ潜伏「10日以上」症例 名古屋市発表 「まれなケース」観察期間維持

名古屋市役所=名古屋市で、鮫島弘樹撮影

 名古屋市は19日、新型コロナウイルスの感染源に接触してから10日以上たって発症したケースが8月から出現していると発表した。潜伏期間は平均5、6日程度とされているが、8、9月で計19人が「10日以上」だった。現在は14日間としている健康観察期間の見直しにつながる可能性があり、市は国立感染症研究所などと分析や研究を進める方針。

 同市では、7月まではゼロだった潜伏期間10日以上の陽性者が、8月に初めて8人確認され、9月には11人に増えた。陽性者全体に占める割合は8月(陽性者1435人)が0・6%、9月(439人)が2・5%。14日を超えたケースが両月で計5人含まれている。

 市は潜伏期間が長い陽性者で年代や地域など共通点があるかについて、「まだ十分解析できていない」としている。一方、健康観察期間については「(10日以上の潜伏期間は)まれなケースなので、これまで通りとしたい」として現時点では現状を維持する。

 感染症に詳しい富山県衛生研究所の大石和徳所長は「検査数が増えて軽症者を多く捉えられるようになった影響もあるかもしれない。ただ、軽症者の増加は6月ごろからみられたので、8月になってから潜伏期間が10日以上の症例が出てきたのであれば、別の要因が考えられる」と指摘。これまで潜伏期間は1~14日で、感染から5~7日目以降に発症するのは患者の5%以下とされており、「潜伏期間が延びていることが確かであれば、ウイルスの変異により病原性が変化している可能性もある。ゲノム解析によって変異の有無を慎重に検討する必要がある」と話す。【岡正勝、小川祐希】

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