厚生労働省の有識者研究会は19日、若者の雇用に関する報告書案をまとめた。新型コロナウイルス流行で新卒採用への影響が懸念される中で「新たな就職氷河期世代を生み出さぬよう、あらゆる方策を通じ、支援体制の整備を図るべきだ」と提言。卒業後3年間は新卒採用の対象とする厚労省指針の徹底などを求めた。
リクルートキャリアの調査によると、2021年卒業予定の大学生就職内定率(10月1日時点)は88.7%。前年同月を5.1ポイント下回った。進路が確定していない学生の比率は、女性で2倍近くに増えている。
厚労省は、不況などの影響で卒業時に就職が決まらなかった場合、その後3年間は新卒と同じ扱いで書類選考や面接に応募できるよう求める規定を10年に企業向け指針に盛り込んだ。有識者研究会はこの指針を広く産業界に浸透させるよう要望した。19年の実施企業は約7割にとどまっている。