美少女になってちやほやされて人生イージーモードで生きたい!   作:煉瓦

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今回はこの人の回

【挿絵表示】



#22 プロゲーマー黒猫さん(プロの定義は問わないものとする)

 

黒猫さん爆発するってよ

 

コラボが多くて助かる

 

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アルマタソ~

絶対黒猫が叫ぶ

音量注意

▶ ▶❘ ♪ ・ライブ
 
 ⚙ ❐ ▭ ▣ 

 #アルマの手記 #黒猫さんの時間

【スーパーボンバーマンR】今日はゲストを爆破するぞ【朱音アルマ/黒猫燦】

  27,582 人が視聴中・0分前にライブ配信開始
 
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 朱音 アルマ 

 チャンネル登録者数 11.5万人 

 

「でさ、この前ゲーミングチェア買ったんだけどこれがいい感じで」

「げ、ゲーミングチェア、憧れます」

「黒猫は普段どうやって配信してるんだ?」

「小学生の時に買ってもらった勉強机で……」

 

 お? 

 配信始まっとるで

 裏トーク流出

 微笑ましい会話してんねぇ! 

 この中に混ざりたい

 ガッ…ガイアッッ

 

「え、もう始まってる!? ちょ、お前らどこから聞いてた!?」

 

 ゲーミングチェアの下り

 黒猫が勉強机勢って

 

「ほっ、そこか。ならいいや」

「アルマ先輩の下着事情は聞かれてなかった……セーフ」

「オイてめぇ!?」

「ぴぃ!?」

 

 ほうアルマちゃんの下着

 続けてどうぞ

 これもう絶対わざとダゾ

 

 わざとじゃないんです! 一瞬の気の緩みから口が滑っただけなんです! 

 そんなわたしの必死の訴えは当然の如く受け入れられず、ちょっと不機嫌なアルマ先輩が進行していく。

 

「取り敢えず黒猫集中狙いでボンバーマンやるか」

「ゆ、ゆるして、ゆるして……」

 

 後輩いじめの現場を見てしまった

 まじかよあるてま最低だな燦ちゃんのチャンネル抜けます

 

「で、まあ普通にやっても面白くないからな。当然負けた方は罰ゲームだ」

「ま、負けないからいいですよ」

 

 これでもボンバーマンは昔結構やった方だ。CPU相手だけど。

 歌声や絵心なんて才能がモノをいう企画は確かにわたしには不向きかもしれないが、ゲームは別だ。

 ゲームなんてのは才能よりセンスとプレイ時間がモノをいうのだから、転生してるわたしが小娘如きに負けるはずがないんだよなぁ! 

 

「じゃあ3本先取で、万が一NPCが先抜けした場合勝ち星の多いほうが勝ちってことで」

「は、はい」

 

 じゃあ僕らは今から罰ゲーム考えるから

 とびきり恥ずかしいやつで行こうぜ! 

 なんでもええんか?

 

「度を越さなきゃ好きにしていいぞー」

 

 よっしゃ黒猫センシティブ放送の開幕だ

 愛の告白リターンズ

 2時間褒め溶かす配信

 凸待ちやな

 イベント終わるまでライバー全員呼び捨てで

 

「私負ける前提なのおかしくないか!? 勝つ気満々なんですけど!?」

「ほぉーぅ、あたし様に勝つってか。いー覚悟だ」

「ぴ!?」

 

 や、やややっぱりこの人苦手だ! 

 このガツガツ来る感じ、クラスの不良を見てるみたいだ。

 陰キャとヤンキーはタイプ相性最悪って古事記にも書いてた! 

 うぅ、早く終わらせて早く終わろう。

 取り敢えずまずはキャラクター選択だ。

 

「じゃああたしはイメージカラー的に赤ボン選ぶぞ」

「わ、わたしは黄ボンで」

「……おい、お前イメージカラー黒だろ。そこは黒ボンにしろよ」

「べ、別に何選んでもいいじゃないですか」

 

 いつでも陽気なムードメーカー。天真爛漫、純粋無垢、奇妙キテレツ摩訶フシギ。

 つまり陽キャ

 黒猫……

 

「ゲームの中でさえ陽キャ選んじゃダメなの!?」

「ま、まあ、別にいいよ、うん」

 

 なんか納得いかない感じだがキャラクター選択も終わって対戦画面に移る。

 今更説明不要だろうが、ボンバーマンはボムを設置して自分以外の3人を爆破したら勝ちというシンプルなゲームだ。

 少し前に新作が出てオンライン対戦ができることもあって、今なお人気は強い。

 

「で、そろそろVtuberには慣れたか?」

 

 初期位置からボムを設置して順調にアイテムを回収しながら開拓していると、アルマ先輩が唐突に話を切り出してきた。

 あの、対戦ゲーム中にそういう話するの? 

 

「えっと、少しは慣れました」

 

 初配信みたいに強制終了しなくなったしね

 黒猫さんも成長した

 コミュ障は改善されましたか?

 

「うっ、コミュ障は改善されてないけど……」

「そうか? 初めの頃より喋れるようになってると思うけどな」

「はじめの頃、見てたんですか?」

「当たり前だろ? 新人の配信見てないやつなんてうちにはいな──あー、にわの奴は見てないかもしれないな……」

 

 にわちゃんはしゃーない

 自分のチャンネル登録者数すら把握してないからな

 旅に出るっつって一週間音沙汰なしで急にブラジルからつぶやいたー更新したときはビビった

 箱庭の民は理解者が多いな

 あれであるてまの中核メンバーや

 

 チャットは何かと問題行動というか不思議行動の多い箱庭にわ先輩の話題で持ちきりだった。

 あの人、噂では気紛れすぎて運営の言うこともたまにしか聞かないらしいけど、夏コミ来るのか……? 

 来ないならわたしも真似したいんだけど、ダメかな、ダメだよなぁ……。

 

「あ、やった、勝った!」

 

 最後はわたしとアルマ先輩の一騎打ちで、火力アップとボム数アイテムをたくさん取っていたわたしがジワジワと追い詰めて勝利というじみーな決着だった。

 ともかく、これで1勝である。

 あと2回勝てば初の罰ゲーム無しで枠を終える事ができる! 

 

「あちゃー、負けた負けた。結構強いな」

「ふふん、いつも負けてばかりな黒猫さんではないのですにゃ」

 

 久々ににゃって聞いたな

 コラボ多くて余裕なかったからね

 つまりアルマ先輩は余裕と

 

「ま、たった1勝だから誤差みたいなもんだ。こっから勝てば問題ないさ」

「にゃっふっふっ、はたしてそううまくいきますかにゃー??」

 

 先ほどと打って変わって対戦中に余計なお喋りをしなくなったアルマ先輩。

 本気で勝ちに来てるのは通話越しでも伝わってくる。

 しかし今回も無駄なくアイテムを回収して、キックグローブボムボムボムボムと一気呵成に攻めて勝利した。

 

「あれ、あれ、あれあれあれ? これあと1回で終りますけど大丈夫ですか?? 罰ゲーム考え直したほうが良くないですか???」

「………」

 

 煽りよる

 アルマブチギレ

 解釈違いなのでチャンネル抜けます

 

「いやぁー、ゴメンナサイね! 普通に強くってゴメンナサイ! 強すぎて面白みなくてゴメンナサイ! 先輩のチャンネルで無双しちゃってホントゴメンナサイ!」

 

 最高の気分だ。

 これもう絶対勝ち決まってるよ。

 NPCなんて相手にならないし、アルマ先輩も下手ではないけど特別上手くもないから負ける気がしない。

 万が一負けたとしても向こうはこっから3連勝しなくちゃいけないのに対して、こっちは1度勝つだけで終わりだ。

 勝確ですわー。

 

「罰ゲーム何がいいですか? あ、夏コミ終わるまで呼び捨てタメ口とかどうです? もちろん私のことは黒猫さん、って呼んでくださいね!」

 

 そろそろ黙ろうか

 やめろーそれ以上フラグを重ねるなー

 黒猫さんのチャンネル登録者数マジで減ってて草

 

 いやぁ、この優越感に浸れるならチャンネル登録者数とかどうでもいいね。

 陰キャってのは自分の優位性を確立すると途端に調子に乗ってしまうものだ。それこそ今までの鬱憤を発散する勢いで。

 相手が不良っぽいと余計気持ちいい! 

 

「じゃあじゃあラストいってみるにゃ!」

 

 もう先の2戦で大体のパターンは把握した。

 あとはこっちも型に嵌まった動きを続ければ必然的に勝ちが、

 

「え?」

 

 アルマ先輩の現在地を探ろうと画面全体を見ると、先輩はいなかった。

 代わりに自分の枠外真後ろで先輩が構えている。

 

「は?」

 

 一度負けたプレイヤーはみそボン、と呼ばれる枠外参加に移動する。

 そこからボムを投げて見事生存プレイヤーを爆破できると入れ替わりができる、要は敗者復活要素。

 今まで一度もNPCに負けてこなかったアルマ先輩が何故かみそボンになってわたしにボムを投げていた。

 まさか自爆したのか、最後の一戦で? 

 

「よし、死ね」

「あーーー!!!!」

 

 その事実に気を取られている隙に、わたしにボムが直撃して目眩を起こして爆破されてしまった。

 入れ替わったアルマ先輩は早々にアイテムを回収してわたしが入れ替わりをする前に残りNPCを爆破して勝利を収めた。

 

 ザマァ見ろ! 

 やったぜ狂い咲きィッ!!

 爆破されるのが似合う猫

 

「ひ、卑怯! ズル!」

「あーはっはっ、なんも聞こえねぇ! さあ次だ次」

 

 ぐぅ、しかしわたしの優位はいまだ揺るがず。

 あんな奇策は慢心につけ込んだ1度きりの奥の手だ。

 次は本気で行くし! 

 

「ん、んんんっ、あっ、ちょっ、せんぱっ、だめっ、はげしすぎ、あぁっ!」

 

 な、なんか急に強くなってるんですけど! 

 今まで割と無駄の多い動きしてるなぁーと思ってたのに、今回は無駄なくアイテムを回収して詰めも凄い無駄なく一気に攻められた。

 え、もしかして今まで本気じゃなかったの……? 

 

「接待プレイは楽しかったか〜? ほら、あと1回勝つだけだぞ〜がんばれがんばれー」

「む、むむぅ」

 

 まだ負けてないし! 勝てばいいだけだし! 余裕だし! 

 思わず台パンしそうになるのをグッと堪えてコントローラーを握り直す。

 落ち着け、落ち着け。

 アルマ先輩は確かに凄い上手かったけど勝負は時の運だ、最後まで分からないものだ。

 わたしは、つよい! 

 

「はいざーこ」

「ぐすんぐすん」

 

 ま、負けた。

 調子に乗ってハイテンションで色々ヤバいこと言った気がするけど、ものの見事に負けてしまった。

 アルマ先輩強すぎない? 前世プロゲーマーか?? 

 

「じゃあ早速罰ゲーム決めるか!」

 

 待ってた

 イェーイ

 先輩にイキった代償はデカイ

 

「なんだっけ、あたしが負けたら夏コミ終わるまで呼び捨てタメ口で黒猫さんって呼ぶ、だっけ? ふーん、なるほどなぁ〜」

「あ、あの、ほ、本当にゴメンナサイ。調子乗りました……」

「ふっ、可愛い後輩の頼みだ。あたしは許そう」

「せんぱいっ!」

 

 さ、流石アルマ先輩だ! 

 1期生の姉御は伊達じゃない! 

 

「だがリスナーが許すかな!」

 

 ギルティ

 とりあえず脱げ

 夏コミ終わるまで語尾ににゃって付けろ

 下着の色と特徴教えてくれたら俺は許そう

 

「うぅ、きょ、今日はしろのひも、ですにゃ……」

 

 ノルマ達成

 ノーパンって約束は!? 

 俺は許した

 俺は許してないけどな

 

「に゛ゃんでぇえ゛え゛え!」

「オイオイ、あたしのチャンネルで変なこと言わないでくれよ」

「へ、変なぱんつじゃないもん!」

「誰もお前の下着が変って言ってないから」

 

 下着の詳細教えるのが罰ゲームじゃダメなんですか! 

 乙女の秘密を暴くのは充分罰ゲーム足り得ると思うんですけど! 

 

「もっかい! もっかいやって負けたら罰ゲーム! アルマ先輩は罰ゲームしなくていいから!」

「はぁ……、仕方ねーな。負けたら覚悟しろよー」

「はぁ!? 負けないが!?」


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