本日の日記

一期一会

2020年10月22日(木曜日)

秋を感じます。
吹く風に秋を感じます。
忙し過ぎると、季節の移り変わりも感じなくなります。
どうか、季節を感じてください。
今年の秋はもう二度とやって来ません。
あなたにとって、今年の秋が良き秋でありますように、心から願っています。

松原照子の印

本日の世見

中原中也

2020年10月22日(木曜日)

  • 文化・学問

風船が空高く昇って行く。
どこまで行くのだろう。
子供の頃、手に持ったガス風船を風に取られたことはないだろうか。
風船には命があるようだ。
時が経つと萎んでしまう。
時折、詩人になりたくなる。
中原中也という詩人がいた。
彼の処女詩集は『山羊の歌』。
この中には独特の擬声語がある。
「ゆあ~ん ゆよ~ん ゆやゆよん」
彼はよくこの部分を、独特な節回しで唄って聞かせたという。
結核性の脳膜炎で亡くなるのだが、若すぎた。享年30歳。
「詩人」の感性とはどんなものなのだろうか。
中原中也の顔写真を見ると、一瞬女性かと思う。
中々の美少年です。
かつては神童と呼ばれた少年でしたが、実際は酒癖が悪く、だらしなく、一度も定職に就かずに、母親から仕送りが頼りの生活をしていました。
母親は毎月、現代の貨幣価値に直すと50万円以上も送っていたといいます。
名家のお坊ちゃまがお決まりの堕落コースを進む中で、彼流に感じた詩集を手にしてみると、彼の心の内が見えて来ます。
酒癖の悪さは天下一品で、文学仲間達はほとほと手を焼いていたのです。
酒を飲むと、負けるのがわかっていても喧嘩を売り、坂口安吾は初対面で中也に殴りかかられるのですから、どうしようもない面も持っていたのです。
中也は小柄ながら美少年。16歳にして3歳年上の女優、長谷川泰子と同棲生活を送っています。
秋の夜長は詩集を手にしてみるのもおつなもの。
太宰治は中也が死んだ後に、「やっぱり中原だ 段違いだ」と言ったと言われています。

松原照子の印