家づくり系のブログに思うこと | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

家づくり系のブログに思うこと

最近、家づくり系のブログが増えてきている印象がします。
そのほとんどが、実際に家を建てた方。
つまりは「素人」が運営しているようです。



(ブログ村の住まいブログランキング)

 

 

どこかのハウスメーカーで家を建てた、
その経験談をベースに書かれているもの。

アフィリエイトを狙って、
副業の小遣い稼ぎでやろうとしているようです。

あるいは、
ネットなどで、家づくり系の情報を集めてきて、
「まとめサイト」にしたような体裁のものもありますね。

いずれも共通点は、運営者が実名も顔出しもまるでない
誰が書いているか全くわからないサイトです。

こういったブログはフォーマットが決まっているのか、
どれも同じような形式になっているケースもあります。

情報商材を販売する人がいて、
運営の仕方などを教えているとも聞いたことがあります。

そのノウハウを購入して、言われたようにやっているから、
同じようなサイトが乱立しているのだと推測します。

一条工務店のように建てる人の多い、
ハウスメーカー関係のブログを運営すると、
検索ボリュームが多いので、集客しやすいといいます。

奥様のパート収入よりもはるかに多い
アフィリエイト収入を稼いでいる人も
少なくないし、難易度もそう高くないそうです。

また、特定のハウスメーカーのステマと疑わしい
ブログも存在します。
フィーをもらって運営しているところもあれば、
顧客紹介手数料のキックバックもあるようです。


本当に家づくりを勉強しようという方のために、
こうしたブロガーに嫌われるのを覚悟ではっきり言うと、
8割方のブログには価値がありません。


この手の素人匿名系ブログの運営者でも
100%がダメだとは思ってません。 
2割くらいはとても有益になる発信者がいるのは確かです。

なかにはプロ顔負けの人もいることも知ってます。

しかしながら、そうしたブログと、実名で顔出しで、
家づくりを実践しながら、長年情報発信してきた私たちとは、
まったく別ものです。

実際に何千件もの住宅相談を行い、
何百件も家作りを手伝ってきたリアルの実践を通じて、
プロとしての研究と研鑽をしています。

私らの発信する情報価値と、
ネットでかき集めただけの情報とでは
すごみが全然違う。はず。

私たちは社会的な責任を負っています。


一般人以上に、当然プロたちも
私らのNET情報はガンガン見ています。

私の場合は、仮に間違ったことを書くと、
すかさず全国の建築関係者が指摘をしてくれる。

そうなると恥ずかしいので、
事前にネット情報などで裏を取ります。

ときにはFacebookの秘密のグループで、
プロからの意見を求めたりします。

そういったプロセスを経て出た情報は、
根拠のあるものになり、
ほぼ建築的に間違いのない内容になってきます。

それと、総合知といえるバランスが我々にはあります。

xxxxxxはとてもいいものだ。とします。

しかし、素人系は それをなしうるコスト面や

他に与える影響は分かってはいない。

実際に家づくりの現場でしか分からない情報が多いのです。



家づくりをこれからしようと、
勉強している消費者は、
情報の取捨選別する上での
リテラシーが求められているわけです。

まずは、顔出し実名の、業界内部で評価されている人の情報を
そして、書籍を通じて学びましょう。

 

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家づくり系ブログの
8割方のブログには価値がありません。としましたが、

すみません 言い過ぎました。 訂正します。 

 

テレビで言えば、バラエティ番組並みの価値はあるかもしれません。

 

知らない人の家づくりの事例での 思ったことや体験談。

バラエティとして見て楽しむ価値はあることでしょう。

 

 

 

 


 

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住宅産業のコアとなる技術は何なのか? 

テーマ:社会


工務店業界のご意見番として知られている
SAREXの代表 野辺公一さんをホスト役として、
コロナでステイホームの、業界の賢者たちは、
月1・2回のペースで、Zoomで飲み会をされている。
なぜか私もそこにお声かけさせていただいてご一緒しています。

(右上の方が松村秀一様)


そこで東大教授の松村秀一様の、
おっしゃっていたことが深くて 
飲み会後に色々考えた。

「業界産業ではコアとなる技術がある。
例えば、自動車はエンジンの内燃機の技術がコアであった。
それがEVになり、バッテリーと制御技術がコアになり、
ブレークスルーが起こっている。
それでは住宅産業においてコアとなる技術は何なのか?」
という命題です。

例えば断熱技術や空調設備はコアではなくて、
付加価値的な周辺の技術である。

あえてコアとなる技術と言えば
「アッセンブリー(組み立てる)技術」であって、
幅広く存在している建材を、どのように組み合わせるか、
すなわち設計・施工がコアとなる技術としか言いようがない。

自動車の内燃機から電気自動車にとって変わったような、
住宅の場合は、そのような革新的な
ブレイクスルーは 住宅では起こらないのではないか? 

現在大型パネルが注目されているが、
それは木材の仕口加工の自動化である、
プレカットの技術のさらなる進展であって、
住宅産業のブレイクスルーとまでは言えない。

であるから、未来の住宅において、
降ってわいたようなカプセル住宅のようになるわけではなく、
現場からの 遅々とした部分改良の積み重ねによって
変化していくのが未来の住宅だろう。」


概ねそのような趣旨のお話があった。

なるほど、そのような上空から俯瞰した観点で、住宅を考えるのは新鮮です。

 




戦前までにおける住宅産業は、
コア・テクノロジーは、やはり「木の活用」にあったと思う。
昔の家は、徹底的に木を使ってできていた。
柱や梁という構造部分はもちろん。
床材、 外壁材も杉の板。 建具も板戸、 障子戸で杉である。
家全体の建築コストでの、木材関係の占める割合が極めて大きかった。

しかし、現在の住宅においては、電化され 設備類も充実し、

外壁は窯業。建具は塩ビシート張り。床もプリント合板(複層フローリング)
木軸構造ぐらいしか、木が使われないのが普通になり、
製造原価で木軸構造の占める割合はせいぜい10%程度でしかなくなった。

まさに核なる技術は アッセンブリーしか残らない。

松村先生の面白い観点に興味がわいて、
著書もかなり出されているうちの 2冊取り寄せして読んでみた。
すると めちゃくちゃおもしろい。 

 

業界関係者は絶対読むべき本でした。
 

その一冊、「ひらかれる建築」

 

名著ですが、新書の定め、売れ行きは芳しくはなく

絶版とのこと。 

在庫も この記事で 瞬間蒸発必至。

 

あーもったいない。 みんな本を買いましょう。