九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)の整備方式を巡り、山口祥義知事は6日、与党検討委員会が求めている長崎県、国土交通省、JR九州との4者による協議について「協議は『5択』で。その前にいろんな条件を確認することも大切だ」と述べ、調整役である国交省の考えを見極める必要があるという認識を示した。

 県議会一般質問で藤木卓一郎議員(自民)の質問に答えた。

 4者協議について知事は、与党検討委が示した「フル規格が適当」という方針を国交省が「重く受け止める」と説明していることを踏まえ「協議に乗ったはいいものの、方向性が見えているということではいけない」と、フル規格化を前提にした協議への参加は拒む姿勢を強調した。

 その上で参加に向けては、県が過去に合意してきた在来線を生かすスーパー特急やフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)、リレー(対面乗り換え)方式に、フル規格とミニ新幹線を含めた「5択」の協議になるかどうか、事前の入念な確認が必要とした。

 未着工区間のフル規格化に関しては「(線路使用料の)貸付料や在来線の運行ダイヤ、並行在来線の取り扱いなど全てが不確定な中で、どう議論すればいいのか。佐賀県にとってのリスクが増えるばかりだ」と重ねて否定的な見解を示した。