ビッグデータ統計会社が中国の20代と30代を「Y世代」、10代と20代を「Z世代」と呼び、その共通点として「スマートフォンによく通じていること」を挙げている。中国のモバイル人口は2007年の時点では5000万人ほどだったが、北京オリンピック直後に2億人を超え、今では9億人に近づいている。中国の若い世代は幼い頃からモバイルを使ってコミュニケーションを取ってきた。いくら貧しくてもスマートフォンは持っていた。1989年の天安門事件をきっかけに強化された愛国主義教育を受けた点も共通している。「世界の中心だった中華民族が列強の侵略によって屈辱を受けたが、共産党の統治と改革・解放のおかげで栄光を取り戻しつつある」と学んだ。中国による月への着陸を見て涙を流し、誰でも中国のプライドを傷つければ、即座に爆発する。このような人口が6億人に達しているのだ。
2003年にピンクで彩られた女性文学サイトがオープンした。ここには文学ではなく盲目的な愛国主義に陥った若いネットユーザーたちが集まり、中国を批判する人物や団体を攻撃する書き込みを始めた。このピンクのサイトに由来する「白粉紅」が今では過激な中国のネットユーザーを意味する言葉となった。ここには女性が多いという。台湾の旗を持った韓国のガールズグループ、チベットの指導者に言及しした自動車メーカー、箸でピザを食べる広告を出したブランド品企業などに対して集中的に攻撃を加えた。不買運動も行っている。相手が膝を屈するまで執拗(しつよう)に活動を繰り返している。