Haruki Inagaki

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Haruki Inagaki
@HarukiInagaki
Historian of the British empire, university lecturer, dad of two young girls
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Haruki Inagakiさんのツイート

つまり「上」の人びとは、民衆が遠くでどんなに騒いでいてもあまりなんとも思わないが、下からどんどん報告が上がってくると、焦るかもしれない。何かしなければと思うかもしれない。・・・いや、またアームチェアになっていますかね。
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ただしここでもあくまで下からの図を描くことが大事かなと。民衆を恐れる地方の行政官の恐怖は、報告書として地方の中央(例:インドのカルカッタ)に伝えられ、それはイギリス本国に報告され 、マコーリーの演説の情報になる。そうすると、やはり物事の流れを決めているのは一番下。
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ただやっぱりこの辺は難しいですね。そのような行政官と民衆のありかたをみれば「イギリスの強さ」というのは簡単に否定できるような気がしますが、しかしT・B・マコーリーのような、インドに行ってもラテン語しか読んでないような人間のメモが統治構造の青写真となってしまうのは、やはり「強い」。
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でもおそらく、とくに植民地統治の最前線で圧倒的多数の民衆と対峙していた行政官は、本当に民衆を恐怖していたのです。ジョージ・オーウェルに「象を撃つ」という短編がありますが、まさにあんな感じで、全然余裕なんてなかったのではないか。その恐怖が、史料にそのまま表れている。
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それは彼らの恐怖の表現なのです。じっさい、かれらの書いた史料には、反乱がおこるとやばい、という恐怖がたくさん書いてある。いままでは、それらはまあレトリックというかリップサービスというかウソというかで、実際はイギリス人が最強だったんでしょ、と考えてきた。
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なので、適当なガス抜きはしますが(商業活動は積極的にやってください、とか、私的な問題=家族関係とかについての裁判なんかは現地の法律とか慣習とかに則って決めていいですよ、とか)、政治的な問題についての決定権を与えることは絶対にしない。
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彼らはひとたび民衆が反乱を起こすともう手を付けられない、ということがよくわかっていました。なので、それを防止することを常に最優先に行動しました(最近フロンティア・ガヴァメンタリティーとか呼ばれています)。
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ついでに強調すべきは、被支配者側の主体性を理解することと同じくらい、支配者側のメンタリティを理解することも大事だ、ということです。帝国の弱さについての研究から、植民地行政官自身が自分の立場の危うさをよく理解していたこともわかってきました。
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話がそれましたが(それていないとも言えますが)イギリス帝国は「強い帝国」だったのかという問いは、レトリカルですが、けっこう大事なのです。それは支配された人びと(そしてそれに共感を寄せる人びと)がどのようにその状況を変えていったのか、ということについて考える良い材料になります。
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・・・でもこの辺は難しい話ですね。イギリスの奴隷制についての研究は現在日本の中国・朝鮮人差別への取り組みにも示唆を与える、ということは、私は正しいと思いますが、しかしアームチェアーに座って社会を批判するリベラルと言われてしまえばそれまでかもしれない。
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例えば最近の奴隷制に関する研究は、奴隷自身の抵抗(そして狭義の抵抗に収まらない様々な主体的な活動)についての研究をものすごいスピードで蓄積しています。毎月1~2冊出ている印象。それらは、奴隷貿易廃止運動を最初に始めたのは奴隷自身であり、それを成功させたのも奴隷自身であった、とみる。
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まあでもどうなんですかね、GAFA支配の社会構造を変えるためにはその同じレベルで何か対案/対抗策を出す必要があるのだ、それ以外にはないのだ、というのはそれはそれで結構厳しいんですかね。むしろミクロな無限の抵抗の先に変革が待っている、というほうがメッセージとして大事かもしれない。
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で、大きな問題は、こういう話がこれまでのイギリス帝国史の政治史・経済史とどういう風につなげて考えるといいのか、ということで、これについては実はけっこう悩んでいるというか、勉強が足りないのですが、現状ではけっこう両者は分離しているようにみえる。
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特にアジア史の研究者との対話においては、強い反発を受けることもたまにあります。しかしよく説明するとなるほどそういうことね、とわかってもらえるので、けっきょくは丁寧に議論するしかないのですが。
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ただ繰り返しになりますがこれはやはりプレゼンが難しい。政治的に難しい。つまり、弱さのためにやむなく暴力を使ったのであれば、それはしょうがないことだったのではないか、という反応がどうしても出てくる。
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この意味で、イギリス帝国を理解するためには、その植民地統治の現実を根本で規定した「弱さ」と「暴力」について理解する必要がある、というのが、私も含めて、いま研究者の大きな問題関心となっています。
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むしろ植民地支配とは、現地の民衆による反乱を恐れ、現地社会の構成原理を理解できないままに場当たり的な対症療法を繰り返し、自己保身のために暴力的になるしか方法がなかった弱い統治者が生み出した混乱の連続だった、という見方です。
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いま研究者が強調しているのは、植民地で実際に帝国統治を担っていた行政官は、全然そんな感じではなかったということです。何らかのヴィジョンに基づいて植民地社会を一方的に作り変えることのできるイギリス帝国というのは、そうありたいという願望ではあっても、植民地支配の実態では全然なかった。
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強い帝国というのは、例えば鉄道とか教育とか司法とか医療とかの進んだ文化を世界に広めた存在として帝国を肯定的にとらえる立場もありますし、あるいはイギリスはただひたすら植民地の富を搾取するためだけに現地社会の伝統を破壊した、という否定的な立場もありえます。
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イギリス帝国はパックスブリタニカと呼ばれたりもするように産業革命を達成して日の沈まない帝国を作り上げた世界最強の存在のように言われるわけです。でも本当にそうだったのか。
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でもこの話がなかなか難しいのは、簡単に修正主義的な話にされてしまうこと。イギリス帝国は植民地にも独立の司法権を導入して民衆による政府への批判を許していた、それくらい進歩的だった、というような話になってしまう。そうではない。
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でもそれは現地の民衆が好き勝手出来たわけではなく、やはり植民地政府に土地の接収とかいろいろ理不尽なことをされて、それに抗議するために裁判所に行った、という感じ。制限された中での主体的な活動を拾い上げていこう、その重要性を評価しようという感じです。
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いまイギリス帝国史で熱い分野は法社会史です。と言っても内容はオーソドックスで、イギリス人が持ち込んだ法や裁判所は、しばしば植民地統治の道具とみなされがちですが、実は支配された側の民衆はそれらを植民地政府への抵抗のために盛んに利用していた、という感じ。1/2
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とかなんとか、ツイッターのつぶやき方で悩み中。ここ数日は書いては消し書いては消し・・・。社会的な発言をするのか、大学の話をするのか、初心にかえって研究内容のアウトリーチなのか。誰に向けて話すものなんですかね。
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