小さな島から 五島・椛島

 長崎市の西方約80ロメートルに浮かぶ椛島。大小140の島々からなる五島列島に属する小さな島だ。かつてイワシ漁などで栄えた島の人口は一時、3400人を数えたが、戦後は減少の一途をたどる。4月末現在ではわずかに154人となり、その3分の2は65歳以上の高齢者だ。過疎化に歯止めがかからない「離島の離島」の今を追った。 (16日 6:30)

弧を描くように浮かぶ椛島。手前は無人のツブラ島(5月17日、長崎県五島市)

  • 伊福貴(いふき)、本窯の両漁港を中心に集落が広がる。生活を支えるのは今も漁業が中心だが、高齢化に伴い漁師は40人ほどに。後継者もほとんどおらず、「漁獲高は毎年減る一方」(五島ふくえ漁協伊福貴支所)だという
  • 五島列島の中心である福江島への定期船は1日3往復。通院や買い物に使う「普段の足」だ。郵便や物資の輸送にも使われている
  • 島唯一の店を切り盛りする西村茂子さん(68)。野菜などの生鮮食品や菓子、日用雑貨などがそろう。島の生活になくてはならない存在だ
  • 子育て世帯がほとんどいなくなり役目を終えた保育所の跡地は、10年ほど前からデイサービスセンターに。遊具のほとんどが撤去され、草が生い茂っていた
  • 小さな集落はほとんどが消滅。5世帯8人が住む芦ノ浦地区の高崎ハマさん(88)は「ここで生まれてここで死ぬつもり」と話す
  • 最年少の鍛冶梁(かじやな)祐貴くん(8)がただ1人通う椛島小中学校。定期的に授業参観などの行事が開かれ、疎遠になりがちな島民が集まるきっかけになっている=写真 柏原敬樹

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