Epidemic revolution(2)
続きを読むからご覧になれます。
12:07 微妙に修正
From: SAI MADOU
Sent: 30 March 20xx 17:45
To: イルネス幹部ML
Subject: 新規ウィルス 実験体01 観察結果及び機能(推定)報告
幹部各位
お疲れ様です、間藤@研究所です。
実験体01について
2週間の経過観察・インタビュー・血液と細胞の採取の結果から、
ウィルスの機能を推定いたしましたので、報告いたします。
よろしくお願いいたします。
間藤
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ウィルスは水などの流体を通じて粘膜から感染する。
症状の進行は大きく四段階に分けられる。

第一段階
ウィルスが粘膜の細胞内で溶原化を起こす。
※溶原化…ウィルスのDNAが人間の細胞のDNAに入り込んで一体化することです
虹彩の縁が充血し、唾液の分泌量が増える。
食欲が旺盛になる。
他には特に変化なし。
感染開始箇所と初期症状の関係性は今のところ不明。

第二段階
ウィルスに感染した細胞が
元々のスピードの数十倍の速度で分裂を起こし、増殖する。
同時に細胞内でウィルスが複製され始める。
瞳の色が徐々に黄色味を帯びた色へと変わり始める。
唾液の分泌量はさらに増え、まつ毛が伸びる。
感染した細胞は敏感になり、刺激すると快感をもたらす。

第三段階
細胞内で複製されたウィルスが血液を通じて体内にばらまかれる。
全身の色々な箇所の細胞がウィルスに感染する。
脳細胞にも感染が起こる。
虹彩の色がオレンジに近い色になる。
舌が長く伸び、そこから垂れる涎にはウィルスが含まれる。
この時点から、粘液から出る体液を通じ、
他者をウィルスに感染させられるようになる。
異常な量の女性ホルモンが脳から分泌されることで、
胸は膨らみ、腰は引き締まり、全体として女性的な雰囲気が強まる。
膨らんだ胸からは、母乳が出るようになる。
この母乳にも、ウィルスは含まれる。
全身の細胞が感染したことによる猛烈な快感と、
感染した脳細胞による多幸感に支配され、
ウィルスに感染したことを幸せだと感じるようになる。

第四段階
体内のほぼ全ての細胞で溶原化が完了する。
虹彩は明るい黄色になり、暗所では赤外線を含む光を発光する。
瞳が縦に割れた状態になる。
猫とは異なり、暗所においても瞳はさほど広がらないが、
暗所でも昼間のように明るい場所とほぼ同じように周囲を見ることができる。
爪は伸びてかぎ爪のように変形すると同時に、激しく黒ずむ。
身体のところどころに、タトゥーのような赤い模様が浮かび上がる。
以上の特性は、本人の意思で自在に隠すことができる。
精神的には落ち着きを取り戻し、問題なく会話を行うことができるが、
自己認識が変化しており、
自らを人間ではなく、人間とウィルスとが一体となった存在であると
考えるようになっている。
その考え方をすることで、人間では決して得られない幸福感に包まれる。
また、他の人間にも自らと同様の存在にすることを至上の喜びと感じるようになり、
知的な戦略をもって他の人間を自らのウィルスに感染させようとする。
感染の手段は、粘膜同士をこすれあわせるため、
性行為やそれに準じた行動が中心となる。
-------------------------------------------------------
From: EIRA TORAI
Sent: 30 March 20xx 17:55
To: SAI MADOU
Subject: 新規ウィルス 実験体01 観察結果報告
To Mr.間藤主任
ご苦労。
貴殿の報告を見たが、なかなかの成果だった。
また男を上げたというものだな。
今後も期待している。
しかし、自己認識を捻じ曲げる点など、
少々危険という印象を受けている。
実用化までには調整が必要と判断する。
被験者の処分をしておくように。
しかし、外からの観察とインタビューだけで、
なぜそこまで被験者の内面を、
まるで自分の事のように記載できるのだ?
虎井
-------------------------------------------------------
From: SAI MADOU
Sent: 30 March 20xx 18:05
To: 虎井エイラ実働部長
Subject: 新規ウィルス 実験体01 観察結果報告
虎井部長
お疲れ様です。
ご質問ありがとうございます。
インタビューを入念に、
被験者と膝などを突き合わせるようにして
行った成果とお考えいただけますと幸いです。
被験者の処分につきましても、承知いたしました。
追伸:
是非、一度研究所にお越しください。
現場の従業員一同、精一杯のおもてなしをさせていただきます。
今週末などいかがでしょうか?
間藤
------------------------------------------------------

「送信、と」
「それじゃ、私は帰らせてもらいますね。間藤博士♪
明後日から会社員ですから♪」
「うん、今まで協力ありがとう。それに……インタビュー中に感染させてくれて♪」
「男の力で抵抗するから、大変でしたよぉ♪」
「ごめんごめん、こんなにイイ気分になれるなんて知らなかったんだ♪」
「でも、今はすっかり美人なお姉さんですね♪」
「あぁ♪まさか女体化の症状まであったなんてね……
はぁぁ……早く上の連中にもこの悦びを教えてあげたいよ♪」
間藤は、長く伸びたかぎ爪を、
同じく長い舌でぺろりと舐めあげてほくそ笑むのだった。
つづく
12:07 微妙に修正
From: SAI MADOU
Sent: 30 March 20xx 17:45
To: イルネス幹部ML
Subject: 新規ウィルス 実験体01 観察結果及び機能(推定)報告
幹部各位
お疲れ様です、間藤@研究所です。
実験体01について
2週間の経過観察・インタビュー・血液と細胞の採取の結果から、
ウィルスの機能を推定いたしましたので、報告いたします。
よろしくお願いいたします。
間藤
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ウィルスは水などの流体を通じて粘膜から感染する。
症状の進行は大きく四段階に分けられる。
第一段階
ウィルスが粘膜の細胞内で溶原化を起こす。
※溶原化…ウィルスのDNAが人間の細胞のDNAに入り込んで一体化することです
虹彩の縁が充血し、唾液の分泌量が増える。
食欲が旺盛になる。
他には特に変化なし。
感染開始箇所と初期症状の関係性は今のところ不明。
第二段階
ウィルスに感染した細胞が
元々のスピードの数十倍の速度で分裂を起こし、増殖する。
同時に細胞内でウィルスが複製され始める。
瞳の色が徐々に黄色味を帯びた色へと変わり始める。
唾液の分泌量はさらに増え、まつ毛が伸びる。
感染した細胞は敏感になり、刺激すると快感をもたらす。
第三段階
細胞内で複製されたウィルスが血液を通じて体内にばらまかれる。
全身の色々な箇所の細胞がウィルスに感染する。
脳細胞にも感染が起こる。
虹彩の色がオレンジに近い色になる。
舌が長く伸び、そこから垂れる涎にはウィルスが含まれる。
この時点から、粘液から出る体液を通じ、
他者をウィルスに感染させられるようになる。
異常な量の女性ホルモンが脳から分泌されることで、
胸は膨らみ、腰は引き締まり、全体として女性的な雰囲気が強まる。
膨らんだ胸からは、母乳が出るようになる。
この母乳にも、ウィルスは含まれる。
全身の細胞が感染したことによる猛烈な快感と、
感染した脳細胞による多幸感に支配され、
ウィルスに感染したことを幸せだと感じるようになる。
第四段階
体内のほぼ全ての細胞で溶原化が完了する。
虹彩は明るい黄色になり、暗所では赤外線を含む光を発光する。
瞳が縦に割れた状態になる。
猫とは異なり、暗所においても瞳はさほど広がらないが、
暗所でも昼間のように明るい場所とほぼ同じように周囲を見ることができる。
爪は伸びてかぎ爪のように変形すると同時に、激しく黒ずむ。
身体のところどころに、タトゥーのような赤い模様が浮かび上がる。
以上の特性は、本人の意思で自在に隠すことができる。
精神的には落ち着きを取り戻し、問題なく会話を行うことができるが、
自己認識が変化しており、
自らを人間ではなく、人間とウィルスとが一体となった存在であると
考えるようになっている。
その考え方をすることで、人間では決して得られない幸福感に包まれる。
また、他の人間にも自らと同様の存在にすることを至上の喜びと感じるようになり、
知的な戦略をもって他の人間を自らのウィルスに感染させようとする。
感染の手段は、粘膜同士をこすれあわせるため、
性行為やそれに準じた行動が中心となる。
-------------------------------------------------------
From: EIRA TORAI
Sent: 30 March 20xx 17:55
To: SAI MADOU
Subject: 新規ウィルス 実験体01 観察結果報告
To Mr.間藤主任
ご苦労。
貴殿の報告を見たが、なかなかの成果だった。
また男を上げたというものだな。
今後も期待している。
しかし、自己認識を捻じ曲げる点など、
少々危険という印象を受けている。
実用化までには調整が必要と判断する。
被験者の処分をしておくように。
しかし、外からの観察とインタビューだけで、
なぜそこまで被験者の内面を、
まるで自分の事のように記載できるのだ?
虎井
-------------------------------------------------------
From: SAI MADOU
Sent: 30 March 20xx 18:05
To: 虎井エイラ実働部長
Subject: 新規ウィルス 実験体01 観察結果報告
虎井部長
お疲れ様です。
ご質問ありがとうございます。
インタビューを入念に、
被験者と膝などを突き合わせるようにして
行った成果とお考えいただけますと幸いです。
被験者の処分につきましても、承知いたしました。
追伸:
是非、一度研究所にお越しください。
現場の従業員一同、精一杯のおもてなしをさせていただきます。
今週末などいかがでしょうか?
間藤
------------------------------------------------------
「送信、と」
「それじゃ、私は帰らせてもらいますね。間藤博士♪
明後日から会社員ですから♪」
「うん、今まで協力ありがとう。それに……インタビュー中に感染させてくれて♪」
「男の力で抵抗するから、大変でしたよぉ♪」
「ごめんごめん、こんなにイイ気分になれるなんて知らなかったんだ♪」
「でも、今はすっかり美人なお姉さんですね♪」
「あぁ♪まさか女体化の症状まであったなんてね……
はぁぁ……早く上の連中にもこの悦びを教えてあげたいよ♪」
間藤は、長く伸びたかぎ爪を、
同じく長い舌でぺろりと舐めあげてほくそ笑むのだった。
つづく