青森県は17日、新たに17人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。弘前保健所管内14人、五所川原管内2人、青森市1人。17人中10人がクラスター(感染者集団)となった弘前市の飲食店「シャモン」の客と従業員で、ほか7人も関連する感染者。飲食店クラスターは計52人(客31人=県外在住4人含む、従業員21人)に拡大した。大規模な集団感染に発展したことにより、県内の感染確認は12~17日の6日間で63人増え、一気に累計100人に達した。県は依然として拡大局面にあるとみている。
県によると、感染する恐れがある期間(9月28日~10月10日)に同店を利用した客約180人は、検査済みの約30人以外ほとんど特定できていない。感染した従業員で他店と兼業していた人が1人確認されたが、このほかに複数いることも判明。人数や関係先は把握できていない。
県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「利用客の特定が進んでおらず、厳しい状況。今後も相当数、感染者は増え、新たなクラスターの発生や市中感染が起こる可能性はかなり高い」との見方を示した。感染者と関連する人で検査を受けていない人もいるとみられるため「利用客は我慢しないで検査を受けてほしい。ほかにも感染の懸念のある人はとにかく早く、保健所に連絡を」と呼び掛けた。
飲食店クラスターは、新たに客9人と従業員1人を確認。16日判明分で行動歴などを確認中だった男性3人(65、66、83例目)も新たに利用客と判明し、前日の39人から計13人増えた。
従業員は25人全員が検査を終え、陽性21人、陰性4人。陽性率は84%となった。
客や従業員以外の新規感染者5人は、いずれも感染した客や従業員の同居人か知人。このほか86例目と98例目の女性2人は行動歴などを確認中だが、飲食店クラスターに関連する可能性が高いとみられている。
県によると、16日に重症となった入院中の60代男性患者1人は現在、人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使用している。
17日現在、入院中の患者は22人。新規の17人はそれぞれ医療機関に入院するか、宿泊療養施設の利用を調整する。感染者は重症の1人を除き、大半が軽症か無症状。
弘愛会病院(同市)の患者と職員ら約220人の検査では、17日までに199人の陰性を確認。現時点で患者への感染はない。