最近、よく花の動画を見る。
花が咲く姿も、種になって散っていく姿も、枯れて土に戻っていく姿も、どれも美しい。
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映画の連載コラム「やっほー!シネマ」が更新されました。
どこかにいるあなたへ届きますように。
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以下の文章は、コラムの本文で書ききれなかったこと。
H君のことで思い出すのは楽しかった時のこと。
あれは三年ほど前のクリスマスに近い夜、私たちはドラマの撮影で海岸の船着き場にいた。遠くに見える街はライトアップされていて、海の向こうには大きな満月が顔をのぞかせていた。
スタッフがカメラの位置を決めたり、私たち役者の足元をバミっている間(役者が自由に動きすぎて映像からはみ出さないように、立ち位置を固定するテープを張るのを「バミる」と言う)、私はふと何年か前に大ヒットした「千の風になって」の替歌を口ずさんでいた。確かこんな歌詞。
そこに 私はいません〜
立ちたくもありません〜
千の風に 千の風になって
あの大きな空を吹きわたっています〜♪
隣で聞いていたH君は「真歩さん、その歌売れるよ!」とお腹を抱えて大笑いした。私は「たぶん役者しか買わないよ」と苦笑いした。足元にテープを貼っていたスタッフも申し訳なさそうに「すみません、バミらせてください……」と言いながらも笑っていた。
私たちはその替歌を一緒に歌いながら、撮影が再開するのを待った。そんな思い出。
つい最近、あの「千の風になって」という歌詞は、ネイティブ・アメリカンの言葉が基になっていたということを知った。とても良い詩だなと思ったのでノートに書きとめた。
わたしの墓の前で、泣いたりなんてしないでくださいそこにわたしはいません眠ってなんかいないのですわたしは千の風になって、空に吹いていますダイヤモンドのようなきらめきになって、雪の上に照り輝いています暖かい日差しになって、実った穀物に降りそそいでいます秋の雨になって、やさしく地面をぬらしています鳥になって、やわらかい朝の光の静けさのなかを かろやかに飛んでいますわたしの墓の前で、泣いたりなんてしないでくださいそこにわたしはいません わたしは死んでなんかいません
(作者不詳)