「キラーT細胞」活用しコロナ治療 藤田医科大など、2〜3年で治験へ
2020年10月15日 05時00分 (10月15日 05時02分更新)
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藤田医科大(愛知県豊明市)は十四日、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った免疫細胞を活用した新型コロナウイルス感染症の治療法の開発を始めると発表した。免疫細胞はウイルスに感染した細胞を攻撃する「キラーT細胞」で、京都大の河本宏教授(免疫学)が創業したベンチャー企業「リバーセル」(京都市)と共同研究する。二〜三年以内の治験開始を目指す。
藤田医科大や河本教授によると、京大がつくった財団が備蓄しているiPS細胞を使ってキラーT細胞を作製。この細胞を点滴で投与し、新型コロナウイルスに感染した細胞を攻撃させることで患者を回復させる。
新型コロナなどのウイルスは生物の細胞内に侵入して増殖し、ほかの細胞に侵入することを繰り返して感染を広げる。ウイルスに結合して無力化させる抗体を作るワクチンの開発などが進んでいるが、感染細胞を攻撃するキラーT細胞を用いる方法は新しい考え方の治療法となる。
河本教授は「キラーT細胞の活用は治療法として確立するまで時間がかかるので、コロナ対策として取り組んでいる研究機関などは他にはないが、他の感染症への活用も視野に共同研究を進めたい」と話した。河本教授は、がん...
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