近未来をイメージした楽曲作りは中田ヤスタカ氏のプロデュース。作詞から作曲、アレンジまで全てひとりでやるからスタッフは出る幕がない。
メンバーも歌入れは壁に向かって歌うみたいなものだから、感情移入が難しかったのかもしれない。僕が中田氏に会ったのは、3枚目あたりのころ。それぞれの顔が見えなくても事が済んでしまう。まさに近未来型レコーディングだった。
編成会議で試聴したが社員からは気の利いた発言は何もなかった。歌詞もタイトルが聞き取れるぐらいだから仕方がない。年配たちには林檎に次ぐ違和感だった。
2005年、「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たし、翌年には「コンピューターシティ」をリリース。そのころには、ネット上の漫画サイトや、動画サイト「YouTube」などで大量に書き込みが投稿されようになった。
ネット配信の時代にのったのか、メンバーのダンスとテクノサウンドが若者にフィット。あれよあれよという間に大ブレークしていった。 (敬称略)
■獅子丸好(ししまる・こう) 本名・篠木雅博。徳間ジャパンコミュニケーションズ顧問。1950年生まれ。渡辺プロダクションを経て、東芝EMI(現ユニバーサル)で制作ディレクターとして布施明、アン・ルイス、五木ひろしらを手がけた。徳間ではリュ・シウォン、Perfumeらを担当した。