はじめに
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発音解説 PRONUNCIATION
『グランドセンチュリー英和辞典』では、見出し語の次に、標準的なアメリカの発音とイギリスの発音を載せてあります。用いられている記号は「発音記号表」に挙げてありますが、ここでは、それぞれの記号を具体的にどのように発音するかを説明します。見慣れない記号もあると思いますが、記号に対応する音を覚えれば他に複雑なルールを覚えなくても発音できるように工夫してあります。アメリカ発音とイギリス発音で違いがある場合は、 /アメリカ発音 | イギリス発音/ のように書き分けたりカッコを使ったりしてこれを示しています。なお、そのような書き分けをしていない場合でも、アメリカとイギリスで音色が違っている場合があります。
→「発音記号表」を開く1 母音
強母音 = 強勢のあるところで現れる母音
(1) /iː/
日本語の「イー」と同じで構いませんが、唇を横に引くと、より英語らしくなります。
seat/síːt/
key/kíː/
(2) /ɪ/
日本語の「イ」と「エ」の中間の音質を持ちます。単なる短い「イ」ではありません。舌の位置を「イ」と「エ」の中間におくようにしてください。
*/ɪ/を/i/で示している教科書があります。
hit/hɪ́t/
before/bɪfɔ́ɚ|-fɔ́ː/
(3) /e/
日本語の「エ」と同じで構いませんが、特にアメリカ発音では、やや口を開き気味にした方がそれらしくなります。
get/gét/
west/wést/
(4) /æ/
アメリカ発音では「エ」と「ア」の中間の音質で、「エア」という二重母音になることもよくあります。また、(3) の/e/に比べて長めになります。イギリス発音では「エ」と「ア」の中間というよりもむしろ、日本語の「ア」を口先の方で言った感じの音になります。
fat/fǽt/
had/hǽd/
(5) /æ|ɑː/
アメリカ発音では上記 (4) の/æ/と同じ、イギリス発音では下記 (6) の/ɑː/と同じになります。アメリカ発音ではつづり字aに対して/æ/が規則的に現れるので問題はありませんが、イギリス発音では同じつづり字aでありながら比較的ありふれた単語にこの母音が現れる場合が多く、(4) と (5) のどちらになるかは一つ一つ覚えなければなりません。
last/lǽst|lɑ́ːst/
half/hǽf|hɑ́ːf/
(6) /ɑː/
日本語の「ア」よりも口を大きく開けて舌を奥に引いて「アー」と言います。
calm/kɑː(l)m/
father/fɑ́ːðɚ|-ðə/
(7) /ɑː|ɒ/
アメリカ発音は上記 (6) の/ɑː/と同じ母音です。イギリス発音の/ɒ/は、日本語の「オ」よりも口を大きめに開いて「オ」と「ア」の中間のような音を短く出します。
*/ɒ/を/ɔ/で示している教科書があります。
hot/hɑ́ːt|hɒ́t/
bother/bɑ́ːðɚ|bɒ́ðə/
(8) /ʌ/
アメリカ発音では、日本語の「ア」よりも口の開きを狭くして短く「ア」と言います。イギリス発音では、日本語の「ア」とほぼ同じです。
cut/kʌ́t/
sun/sʌ́n/
(9) /ɒː, ɑː|ɒ/
アメリカ発音の/ɒː/では、日本語の「オ」よりも口を大きめに開いて「オー」と「アー」の中間の音を伸ばして発音します。ただし、(6) (7) の/ɑː/と同じ発音になってしまう人が西部では主流です。イギリス発音は (7) の/ɒ/と同じです。
*/ɒ/を/ɔ/で示している教科書があります。
loss/lɒ́ːs, lɑ́ːs|lɒ́s/
dog/dɒ́ːɡ, dɑ́ːɡ|dɒ́ɡ/
(10) /ɒː, ɑː|ɔː/
アメリカ発音では (9) と同じで、/ɒː/のほか、/ɑː/と同じ発音になってしまう人が西部では主流だという点も同じです。イギリス発音は、日本語の「オー」と同じでまったく問題ありません。「オウ」のようにすると、かえって誤りになってしまいます。
talk/tɒ́ːk, tɑ́ːk|tɔ́ːk/
law/lɒ́ː, lɑ́ː|lɔ́ː/
(11) /ʊ/
日本語の「ウ」と「オ」の中間の響きを持つ音です。単に「ウ」と言うのではなく、唇をやや丸め、舌を少しゆるめて「オ」の響きを加えます。
*/ʊ/を/u/, /u/で示している教科書があります。
foot/fʊ́t/
good/gʊ́d/
(12) /uː/
日本語の「ウー」とは違って、唇を思い切り丸めて突き出しながら発音します。
root/rúːt/
new/núː|njúː/
(13) /eɪ/
日本語の「エ」よりもやや舌を高い位置に置いて「エイ」と言います。日本人は「エイ」と言ったつもりで単に「エー」となっている場合が多いので注意しましょう。
make/méɪk/
H/éɪtʃ/
(14) /aɪ/
日本語の「アイ」とほぼ同じで構いませんが、「アーイ」のように前半を長くすると、より英語らしくなります。
kite/káɪt/
lie/láɪ/
(15) /ɔɪ/
日本語の「オイ」とほぼ同じで構いませんが、「オーエ」のように前半を長くして到達点を「エ」にすると、より英語らしくなります。
boy/bɔ́ɪ/
coin/kɔ́ɪn/
(16) /aʊ/
日本語の「アウ」とほぼ同じで構いませんが、「アーウ」のように前半を長くすると、より英語らしくなります。アメリカでは出だしが/æ/に近い発音もよく聞かれます。
count/káʊnt/
ground/gráʊnd/
(17) /oʊ/
アメリカ発音では「オウ」です。日本人は「オウ」と言っているつもりでも単に「オー」と言っている場合が多いので注意して下さい。イギリス発音では、辞書によっては/əʊ/と表記されることもあり、出だしは口を狭めた「ア」のような音で始まります。
rope/róʊp/
no/nóʊ/
(18) /ɚː|əː/
アメリカ発音の/ɚː/は「アー」よりも口を狭めた母音にrの音色が加わった長い単母音です。舌先をそり返らせたり、舌の中央部分を盛り上げたりすると、この音が出せます。イギリス発音ではrの音色のない/əː/となります。「アー」よりも口をかなり狭めて、「アー」と「ウー」の中間のような音になります。
*/ɚː|əː/をまとめて/əːr/で示している教科書があります。
bird/bɚ́ːd|bə́ːd/
learn/lɚ́ːn|lə́ːn/
この母音の直後に更に母音が続くと/r/のわたり音が加わり
furry/fɚ́ːri| fə́ːri/
のような発音になります。ただし、hurry/hɚ́ːri|hʌ́ri/ のように、イギリスでは (8) の/ʌ/が対応する単語の方が大多数を占めます。
(19) /ɪɚ|ɪə/ (20) /eɚ|eə/ (21) /ʊɚ|ʊə/
アメリカ発音ではそれぞれ/ɪɚ/、/eɚ/、/ʊɚ/とします。(18) と同様の/ɚ/というrの音色を帯びた母音を/ɪ/、/e/、/ʊ/それぞれの後に続けます。
イギリス発音ではそれぞれ/ɪə/、/eə/、/ʊə/とします。後半の母音は (18) と同様にrの音色はありません。それぞれ「イア」「エア」「ウア」のように響きますが、/eə/に関しては、「エ」と「ア」の中間の[æː]のような長い単母音に聞こえることもよくあります。/ʊə/は (10) の/ɔː/と同じになることが多くあります。
*/ɚ|ə/をまとめて/ər/で示している教科書があります。
hear/hɪ́ɚ|hɪ́ə/
share/ʃéɚ|ʃéə/
cure/kjʊ́ɚ|kjʊ́ə/
これらの母音の直後に更に母音が続くと、
serious/sɪ́(ə)riəs/
fairy/fé(ə)ri/
jury/dʒʊ́(ə)ri/
のような表記になります。
アメリカ発音ではカッコの中の/ə/を削除して serious/sɪ́riəs/, fairy/féri/(ferry/féri/と同じ), jury/dʒʊ́ri/になり、イギリス発音では/ə/を生かして serious/sɪ́əriəs/, fairy/féəri/, jury/dʒʊ́əri/になります。
(22) /ɑɚ|ɑː/ (23) /ɔɚ|ɔː/
アメリカ発音の/ɑɚ/では/ɑː/の後に/ɚ/を続けます。/ɔɚ/の場合は、日本語の「オー」とほぼ同じ[ɔː]の後に/ɚ/を続けます。どちらも表記上は/ː/を省略して/ɑɚ/、/ɔɚ/としてあります。イギリス発音では、(22) は (6) の/ɑː/、(23) は (10) の/ɔː/とまったく同じになります。
*/ɑɚ|ɑː/, /ɔɚ|ɔː/をまとめて/ɑːr/, /ɔːr/で示している教科書があります。
far/fɑ́ɚ|fɑ́ː/
store/stɔ́ɚ|stɔ́ː/
この母音の直後に更に母音が続くと story/stɔ́ːri/、starring/stɑ́ːrɪŋ/ のような表記になります。
弱母音 = 強勢のないところでのみ現れる母音
(24) /ə/
代表的な弱母音で、舌をゆるめて「ア」と「ウ」の中間のようなあいまいな音とします。ただし、綴り字がoの時は「オ」に近く、e, iの時は「エ」に近くなるなど、一定した音色のない音だとも言えます。
about/əbáʊt/
obey/əbéɪ/
element/éləmənt/
(25) /ɚ|ə/
アメリカ発音では (18) と同様のrの音色を帯びた単母音を弱く発音します。表記に/ː/がありませんが、特に語末では必ずしも短くはなりません。イギリス発音では、(24) の/ə/と同じになります。
*/ɚ|ə/をまとめて/ər/で示している教科書があります。
letter/létɚ|-tə/
surprise/sɚpráɪz|sə-/
(26) /i/
軽く「イ」と発音するだけで十分ですが、語末ではやや長めにします。
city/sɪ́ti/
previous/príːviəs/
(27) /u/
軽く「ウ」と発音するだけで十分ですが、語末ではやや長めにします。
usual/júːʒuəl/
2 子音・子音連続
破裂音
(28) /p/ (29) /b/
日本語のパ行・バ行と同様に、両唇を閉じて破裂させる音です。母音間では特にきちんと破裂させるように注意してください。語末では破裂しないこともあります。あとに母音をつけてしまわないように注意して下さい。
pie/páɪ/
supper/sʌ́pɚ|-pə/
cup/kʌ́p/
buy/báɪ/
hobby/hɑ́ːbi|hɒ́bi/
cab/kǽb/
(30) /t/ (31) /d/
日本語のタ・テ・ト、ダ・デ・ドと同様に、舌先を上の歯茎につけて、それを破裂させる音です。語末では破裂しないこともあります。あとに母音をつけてしまわないように注意して下さい。アメリカ発音では、母音間で、あとの母音に強勢がないときには/t, d/ともに舌先で上の歯茎をはじいたラ行の子音のようになることが非常に多いです。
tie/táɪ/
matter/mǽtɚ|-tə/
sat/sǽt/
door/dɔ́ɚ|dɔ́ː/
ladder/lǽdɚ|-də/
sad/sǽd/
(32) /k/ (33) /g/
日本語のカ行、ガ行と同様に、舌の奥を口の中の上面につけて、それを破裂させる音です。母音間では特にきちんと破裂させるように注意してください。語末では破裂しないこともあります。あとに母音をつけてしまわないように注意して下さい。
key/kíː/
bucket/bʌ́kət/
back/bǽk/
guide/gáɪd/
tiger/táɪɡɚ|-ɡə/
bag/bǽg/
摩擦音
(34) /f/ (35) /v/
上の歯を下唇の内側にあてて、隙間から空気を出すことによる音です。/v/ではその時すでに声が出ていますが、特に摩擦を持続させるように注意してください。
fan/fǽn/
offer/ɒ́ːfɚ, ɑ́ːf-|ɒ́fə/
if/ɪ́f/
voice/vɔ́ɪs/
cover/kʌ́vɚ|-və/
have/hǽv/
(36) /θ/ (37) /ð/
舌先を上の歯の裏に近づけるか、上下の歯の間をのぞかせて隙間から空気を出す音です。摩擦は非常に弱く、/f, v/に似た響きがします。/ð/は、空気を出す時にすでに声が出ています。
thing/θɪ́ŋ/
author/ɒ́ːθɚ, ɑ́ː-|ɔ́ːθə/
math/mǽθ/
this/ðɪ́s/
mother/mʌ́ðɚ|-ðə/
smooth/smúːð/
(38) /s/ (39) /z/
日本語のサ・ス・セ・ソ、ザ・ズ・ゼ・ゾ の子音と似た音ですが、/s/は日本語よりも鋭い響きがします。/z/では、舌先を上の歯茎につけて破裂させてしまわないように注意してください。
sun/sʌ́n/
messy/mési/
pass/pǽs|pɑ́ːs/
zoo/zúː/
razor/réɪzɚ|-zə/
buzz/bʌ́z/
(40) /ʃ/ (41) /ʒ/
日本語のシ、ジの子音と似た音ですが、唇を丸めるとより英語らしくなります。/ʒ/では、舌先を上の歯茎につけて破裂させてしまわないように注意してください。
show/ʃóʊ/
pressure/préʃɚ|-ʃə/
cash/kǽʃ/
measure/méʒɚ|-ʒə/
rouge/rúːʒ/
(42) /h/
日本語のハ行の子音と大体同じですが、後に/i, ɪ/や/u, ʊ/が続くときには口で強く摩擦を作るのではなく、吐く息の勢いで音を出すようにしてください。
high/háɪ/
who/húː/
behave/bɪhéɪv/
破擦音
(43) /tʃ/ (44) /dʒ/
日本語のチ、ジの子音と似た音ですが、唇を丸めるとより英語らしくなります。/dʒ/では、必ず舌先を上の歯茎につけて破裂させるようにしてください。
chalk/tʃɒ́ːk, tʃɑ́ːk|tʃɔ́ːk/
pitcher/pɪ́tʃɚ|-tʃə/
catch/kǽtʃ/
joke/dʒóʊk/
major/méɪdʒɚ|-dʒə/
edge/édʒ/
鼻音
(45) /m/
日本語のマ行の子音と同じですが、子音の前や語末では、両唇を結んだまま「ン」とすればこの音になります。あとに母音をつけて「ム」としてはいけません。
meat/míːt/
summer/sʌ́mɚ|-mə/
ham/hǽm/
(46) /n/
日本語のナ行の子音と大体同じですが、子音の前や語末では、舌先を上の歯茎につけたまま「ン」とすればこの音になります。ことに語末と/s, ʃ/の前で、舌先をしっかり上の歯茎につけるように注意してください。
night/náɪt/
funny/fʌ́ni/
thin/θɪ́n/
sense/séns/
(47) /ŋ/
「ング」ではなく、「グ」と言う一歩手前で踏みとどまった「ン」に相当します。語末や母音の前で/ŋɡ/のように/ɡ/を入れてしまわないように注意して下さい。
young/jʌ́ŋ/
singer/sɪ́ŋɚ|-ŋə/
接近音[半母音]
(48) /j/
日本語のヤ行の子音と大体同じですが、/i, ɪ/の前でも現れ、口の天井できしむような音になります。
yell/jél/
yield/jíːld/
(49) /w/
日本語のワ行の子音に唇の丸めを加えたものに相当しますが、/e, æ, ɑː, ɒː/などはもとより/u, ʊ/の前でも現れ、その場合、唇を強くとがらせてそれをゆるめるという動作になります。
wake/wéɪk/
wood/wʊ́d/
(50) /r/
アメリカ発音では、母音/ɚ/の構えから急激に次の母音に移ることによりこの音になります。イギリス発音では舌先をそり返らせて上の歯茎の後方に近づけて次の母音に移ります。どちらの場合も、舌先は決して上の歯茎に触れないようにしてください。
right/ráɪt/
correct/kərékt/
側音
(51) /l/
後に母音がある場合、舌先を上の歯茎に密着させ脇から空気を出した「ウ」ないし「オ」のような音から舌先を離して母音に移ることにより、日本語のラ行に似た音になります。一方、子音の前や語末ではそのまま「ウ」や「オ」のように聞こえます。ここであとに母音をつけて「ル」としてはいけません。
light/láɪt/
collect/kəlékt/
fill/fɪ́l/
注意すべき子音連続
英語には日本語と違い、子音連続が多数あります。間に母音を入れたりしないように注意しましょう。特に注意すべきものを次に挙げます。
1 /tr/ /dr/
/t/と/r/、/d/と/r/をそのままつなげるのではなく、2つの音を一体化して、あたかも/tʃr/、/dʒr/のように発音します。ただし、合成語の要素間の境目のように、/t-r/、/d-r/と表記されている場合にはそのようになるとは限りません。
train/tréɪn/
dry/dráɪ/
bedroom/béd-rùːm, -rʊ̀m/
2 /(h)w|w/
アメリカ発音では/h/を生かさずに/w/とする発音と、生かして/hw/とする発音の両方があります。この/h/は「ホ」のように聞こえますが、/h/を生かさない発音の方が一般的です。イギリス発音では、もっぱら/w/と発音します。
when/(h)wén|wén/
where/(h)wéɚ|wéə/
white/(h)wáɪt|wáɪt/
3 /tn/ /dn/
ここでの/t, d/は普通に口の中で破裂するのではなく、舌先を上の歯茎の裏につけたままで鼻の中に向かって破裂します。ことに語末では難しいので注意しましょう。
flatness/flǽtnəs/
button/bʌ́tn/
midnight/mɪ́dnàɪt/
garden/gɑ́ɚdn|gɑ́ː-/
4 /tl/ /dl/
この連続が子音の前や語末に来たときには/l/は「ウ」ないし「オ」に聞こえるので「トウ」「ドウ」のように聞こえます(アメリカ発音では/t, d/ が (30) (31) での説明にある、はじいたラ行の子音のようになり「ロウ」に聞こえる場合がよくあります)。一方、後に母音が続く場合には、/tr, dr/ のように一体化はしないので注意しましょう。
cattle/kǽtl/
middle/mɪ́dl/
slightly/sláɪtli/
sadly/sǽdli/
5 /nl/
この連続が子音の前や語末に来たときには/l/は「ウ」ないし「オ」に聞こえるので「ノウ」「ヌー」のように聞こえます。一方、母音が後に続く場合は/n/は「ン」、/l/はラ行の子音のようになります。
channel/tʃǽnl/
tunnel/tʌ́nl/
only/óʊnli/
moonlight/múːnlàɪt/
3 音のつながり・アクセント
音のつながり
1
単語が子音で終わり次の単語が母音で始まる場合、その子音と次の母音はつなげて発音するように注意しましょう。特に、/n/の場合は「ン」とはせずに、次の母音と合わさってナ行の音のようになるようにしましょう。アメリカ発音の (18) (19) (20) (21) (22) (23) (25) の/ɚ/の場合も、/r/になるようにしましょう。アメリカ英語の/t, d/の場合、(30) (31) で説明したような舌先を歯茎ではじいたラ行の音のようになることが多いです。
look up
fill it
obtain it
turn out
[アメリカ発音のみ]
repair it
hammer it
write it
set off
2
[イギリス発音のみ]単語が/ə, ɑː, ɔː/の母音で終わるとき、次の単語が母音で始まっている場合に/r/が挿入されます。正しくはつづり字にrが入っている場合にのみ起こるとされていますが、実際にはrが入っていない場合にもよく起こります。
never again
a car and some trucks
before eleven o'clock
tuna and mayonnaise
law and order
アクセント
3 ◎ 語アクセント
個々の単語は、単独で発音されたときには必ず第1アクセント(最も強調して発音されるところ)を1つ持っています。これを、発音記号の母音字の上に/ˊ/をつけて表します。第1アクセントを持つ音節は、声が高いところから急激に下がり、音節の長さも他よりも長くなります。
care/kéɚ|kéə/
beautiful/bjúːtəfl/
begin/bɪgɪ́n/
単語によっては、第1アクセントのほかに第2アクセントも持ちます。これは/ˋ/で表します。第2アクセントは、第1アクセントの前では、第1アクセントほど声が高くないという特徴を持ちます。また、第1アクセントの後では、低い声で、音節の長さが長いというのが特徴です。
information/ɪ̀nfɚméɪʃn|-fə-/
qualify/kwɑ́ːləfàɪ|kwɒ́l-/
4 ◎ 文アクセント
文の中では、名詞・動詞・形容詞・副詞などの内容語がアクセントをおいて強く発音され、冠詞・代名詞・助動詞・前置詞・接続詞などの機能語は弱く発音されます。そして、とくに理由がない限り内容語のうちで最後に現れるものが最も強く発音されます。また、機能語の中で、発音表記の欄に「弱形」と示してあるものは、その発音が使われます。
Àll the/ðə/ pìctures that/ðət/ I pàinted làst yèar are/ɚ|ə/ shòwn hére.
ただし、前後関係などから強調するべき理由があれば、最後以外の内容語や、機能語でも最も強く発音されます。