@chablis777
シャブリ

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♪「時にあらずと」
(佐智子)音先生 今までありがとうございました。
(シズ子)私は やめたくなかったんだけどお母さんが…。
(音)いいのよ。 こちらこそ ありがとう。
2人とも元気でね。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
次。
お願いします。はい。
ありがとうございます。次。
(吟)音!お姉ちゃん。
ちょうどよかったわ。 今からあんたのうちに行くとこだったの。
どしたの?
(小声で)あんた…また婦人会サボったでしょ。
あっ…。
うん… まあね。
うわさになっとるわよ。
婦人会に協力的じゃないお宅は配給にも差をつけられるしいろいろと不利益が出てくるの。は

い… はいはい はいはい。
本当に分かっとるの!? ねえ裕一さんにだって迷惑かかるんだから!
これから 私が入っとる婦人会の会合があるから あんたも一緒に来りん。
えっ? 何で お姉ちゃんとこまで…。
ほっといたら またサボるでしょう。
それに… 班長さんに妹も連れていくって言っちゃったし。
そんな勝手なこと…。いいから来りん!
少しは お国のために働きんよ。
ほら…。
えっ? はあ…。
皆さん 妹の音です。
古山 音です。 よろしくお願いします。
(薫)これ どうぞ。
ありがとうございます。
(克子)では 皆さん… 始めましょう!
一つ!
(一同)私共は日本婦人であります。神を敬い 詔を畏み皇国の御為に ご奉公いたしましょ

う。
一つ!
(一同)私共は日本婦人であります。誠をつくし 勤労を楽しみ 世のため人のために努力い

たしましょう。
一つ!(一同)私共は日本婦人であります。身を修め 家をととのえ日本婦道の光輝を発揚

いたしましょう!
本日は 竹槍作りをいたします。
これからの日本婦人は銃後の守りだけではなく共に戦うことが肝要です!
では 始め!(一同)はい!
節を削るの。
(晴恵)班長 これが完成したら次は竹槍演習ですね!
ええ そうです。そのためには体力作りも必要です。
皆さん!
お国のため 常に心身の鍛練を心がけてまいりましょう!
(一同)はい!
お返事。はい。
♪~(ラジオ)
はあ… 疲れた。
あそこの婦人会の班長さん すごい迫力で。
(恵)熱心な人っているわよね。
私は なじめないかな…。
(保)し~っ。外で そんなこと話したら駄目だって。
婦人会を敵に回したら怖いからね。
裕一さんもラジオの仕事で忙しいみたいだしお国のためってことは分かってるんですけどね。
まあ これでも食べて 一息入れてよ。
何ですか? これ。
里芋のババロア。里芋!?
今ね 代用品でのデザートの研究をしているの。
へえ~! 頂きます。
ふ~ん。
うん!
どう?
悪くはないですけどデザートっていうより… おかず?
うん… だよな。
発想は… 発想はいいと思います!発想は!
あ~ じゃあさ もう一個作ったのを食べてみてくれない?えっ?
里芋のツルを使ったかりんとうなんだけど…。
あっ いや それは また今度…。(保)そう言わず 一口だけでも。
いや 本当に。(保)いやいや 大丈夫 大丈夫。 おいしいから。
いやいや。おいしいの。ううん…。
手に入る材料がどんどん減ってきてるから知恵を絞るしかないんだよね。
少し前まで普通だったことが普通じゃなくなっていますもんね。
どう?うん ひとかじり。
(保)ちょっと…。(恵)ちょっと…。ちょっと…。
(恵)うん かわいいでしょう?(保)ちょっとだけ。
(恵)かわいいと思うの。(保)うん…。
(華)弘哉君 お教室 来ないのかな?来ないのかな?
・(走ってくる足音)
(弘哉)遅くなりました!教練が長引いてしまって。
このころは国民学校でも軍事教練が義務づけられていました。
そんな急がなくてもよかったのに。
でも 音先生が心配するかと思って。
さあ やりましょう。
(裕一)気を遣ってた?ええ。
弘哉君 全員が教室をやめたら私が悲しむと思って忙しいのに無理して通ってくれてたみた

い。
うん… そっか。
だから これからは 気が向いた時に来てくれればいいよって言っておいた。
まあ… 教練も忙しそうだし。うん…。
優しいんだよね~ 弘哉君って。そういうとこ好き。
えっ?弘哉君が来なくなったら さみしいな。
こな… ちょっと 華?うん?うん?
えっ それ… ど… どういう意味?・ごめんください。
はい…。
えっ? 今 好きって… 好き…?は~い。
(トキコ)弘哉から お教室を閉じると聞いてご挨拶をと思いまして。
本当に お世話になりました。
これからは 弘哉君の都合のいい時に遊びにいらして下さい。
うん… いつでも遊びに来て。また一緒にハーモニカ吹こう。
はい。よかったね。
あっ あの… もしよかったらこれ 召し上がって下さい。
かぼちゃ!うちの庭で採れたんです。
ありがとうございます。 すいません。いえ…。
これ みんなで頂きません?そうだね。 いいね!
うんうん。弘哉君 入って 入って。 どうぞ どうぞ。
どうぞ どうぞ…。
へえ~ 弘哉君は体育が得意なんですね。
すごいね~。僕は もう運動は本当に苦手。
弘哉君 勉強もできるんだって。佐智子ちゃんが言ってた。
へえ~。ただ 音楽は ずっと苦手でね。
でも 音先生たちのおかげで克服できました。
今は 音楽が一番好きです。
本当に?教室やってよかったね。 フフフ。
おいしそうだね~。頂きましょうか。
頂きま~す!(一同)頂きます。
あ~ おいしそう。
華ちゃん そんな大きいの食べられるの?
うん。 かぼちゃ大好き。
じゃあ 僕のも あげよっか。えっ 本当?
いや! いやいや… 弘哉君 ねっ育ち盛りだから 食べて。
華にはね ほら…お父さんの… お父さんのあげる。
はい 食べて。じゃあ 頂きましょうかね。
頂きま~す。(一同)頂きます。
ほら 華 食べな。 ほら 食べな 食べな…。
(智彦)そうだ… ようやく転属が決まった。
えっ?
大陸の第一線部隊だ。 近々 出征する。
おめでとうございます。
ああ…。
楽しかったね。久しぶりに かぼちゃ食べられたね。
うん! おいしかった。うん!
ねっ 家の庭であんなに立派なかぼちゃ作れるんだね。
ね~。
そうだ!うん?
うちの庭でも何か作ろうよ!
ああ…。よし… 決めた!
♪~
・(戸の開閉音)・ただいま~。
お帰りなさ~い。
お~ やってますね。フフフフ…。
いろいろ考えたんだけどお芋がいいかなと思って。
よし… じゃあ 手伝おうかな。何すればいい?
じゃあ… 石を桶に入れてくれる?はい。 任せて下さい。
はい お願いします。はあ~ すごいね。
はい…。おお…。
石もすごいね。ねっ!
・(華)ただいま~!おっ 華 お帰り~。
お帰り。 華も手伝って。うん。
あっ ねえ これ… お手紙来てたよ。
ありがとう。かばん置いてくるね。
誰?
「報国音楽協会」。
あれ? 小山田先生が会長やってるとこだね。
うん?
何て?音楽挺身隊…。
あ~ えっとね… 軍需工場とか病院とか慰問で回る楽団って聞いたね。
音楽学校出身の人たちが集められてるって言ってたよ。
ああ…。
「国民一致協力団結の精神を培い戦いのために不撓不屈の気力を養うことが音楽に課せら

れた重要な任務であります」。
一致団結か…。
・ごめんください!
何?あれ? えっ 何で?
はい! はい!
はいはい… はい…。
わっ 五郎ちゃん! 久しぶり!
(五郎)先生…。何だ 何だ? うわうわ…。
うん?会いたかった…。
えっ? 何だよ 何だよ…?先生…。
ちょちょ ちょちょ…。先生…。
何だよ! 何だよ!先生…。
ちょっと! や… やめて!


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