勝浦市内の大型観光施設「行川アイランド」跡地の開発を手掛ける共立メンテナンス(東京)は29日の県環境審議会・部会で、ホテル2棟(計228室)を建設し、1日の最大宿泊者数を計664人とする計画を示した。部会では棟数などを了承。10~11月の県の事業決定を経て、同社は早ければ2020年春にも着工する。01年の閉園から約17年、跡地活用がようやく動き出す見通しで、従業員の雇用や宿泊客の消費による経済活性化へ地元の期待は高まっている。
同社によると、「(仮称)勝浦シーサイドパークリゾート」として28・78ヘクタールの敷地を再開発。計画でホテル2棟は、ペット可の「ルシアン」が地上7階建て72室、海の眺めのよい「ラビスタ」が地上8階建て156室で、1日の最大宿泊者数は664人。同社が今春、同審議会に示した計画ではホテル4棟(1日最大1220人宿泊)としていたが、事業の継続性を重視して規模を半減した。
ホテルの他に日帰り客も使える運動広場も整備。JR外房線「行川アイランド駅」近くの入り口に案内所や駐車場を設けるほか、蒸気機関車風の電動トロッコ列車で敷地内を移動できるようにするという。これまでの審議会での議論を踏まえ、景観保護のため、ホテル外壁は岸の土の色に近いベージュ系でそろえる。
この日、千葉市内で開かれた審議会・部会では宿舎の棟数や高さ、宿泊者数などを了承。審議会の答申を受け、県が10~11月にも事業決定する。県は同社が今後作成する詳細設計が関連法令に適合するかなどをチェックしてから、最終的に認可する。同社は早ければ20年春にも着工する。
部会での了承を受け、勝浦市の猿田寿男市長は「市として大変うれしい。施設が完成すれば、雇用の増加や地元産品の消費など地方創生に大きく寄与する。事業に早く着手してもらいたい」とコメントした。