@chablis777
シャブリ

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(大倉)先生!(裕一)あっ。
藤堂大尉の所在が分かりました。
前線のやや後方 補給路の警備と物資の中継に当たっている部隊の隊長をされています。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
「藤堂先生の居場所が判明してから10日が過ぎた。会いたい気持ちが日に日に募ってくる。

『ビルマ派遣軍の歌』を藤堂先生へささげたい。慰問を申し出たい。それなのに そのことを考

える度に音や華の顔が浮かんでくる」。
(足音)
(中井)どうしました?
いや… 眠れなくて。
最後の一杯です。 明日 出発します。
命令ですか?いえ… 申し出ました。
私の役目は これからの日本のために戦争の実情を伝えることですから。
そ… そうですか。
どうされましたか?
この地に私の恩師がいるんです。
私を音楽に導いてくれた大切な人で…。
会いに行きたいんですけど…体が動かなくて。
古山さん。
古山さんの慰問の目的は何ですか?
音楽で 命を懸けて戦う人々の力になることです。
ほかにはありませんか?
ほか…?
古山さんの音楽は国民を戦いに駆り立てる音楽だ。
そのことに良心の呵責を覚えていませんか?
自分の作った音楽がトゲになっていませんか?
もし… トゲを抜きたくて自分の行いが正しいと確かめたくて戦場に行くなら おやめなさい。
戦場に意味を求めても何もありません。
いや… な… 中井さんだって先ほど 行く意味を話されたではありませんか。
私は 後世の人に事実を伝えたいだけです。
私だって… ただ皆さんに 音楽で勇気を持ってもらいたいだけですよ!
落ち着いて。
命令ならば しかたがない。運命だと思って 行けばいい。
それまで お待ちなさい。
いや… いや もう…もう… さんざん待ちました!
おか… おかげさまで腹が決まりました。
せっかく来たんだ… 恩師だっている。
明日 参謀に直訴します。
これが… これこそが運命です!失礼します。
古山さん!
はい。
戦場に意味はありません。それは先ほど聞きましたよ。
戦場にあるのは生きるか死ぬかそれだけです。
♪~
慰問の申し出は認められすぐに出発することになりました。
♪~
裕一は目につく楽器をかき集め3か月滞在したラングーンを後にしました。
(藤堂)いつまでたってもこの暑さには慣れんな。
(神田)全く… 日本とは段違いであります。
(藤堂)神田は確か… 故郷は千葉だったか。
(二木)隊長殿!
(藤堂)どうした?明日 慰問が来るとの通信がありました。
ほう…。 誰が来るんだ?
「露営の歌」を作曲された古山先生であります。
古山… 古山が!?
(浩二)音さん 華ちゃん 出来たよ。
(華)うわ~ きれい!
(音)すごい 浩二さん!
独りが長えからね。
何 何… 気にしてねえがら。手 洗ってき。
う~ん おいしい…!
う~ん 甘い物は偉大だわ!
うん… いい出来。
(鈴の音)
(まさ)ねえ 華 もう寝た?
うん… ぐっすりだ。
子どもって かわいいな。
(まさ)孫は もっとかわいい。
えっ? 俺と兄さんより?
フフッ… かわいい。
フフフ…。
俺 早く結婚して子ども つくるべきだった。
んだね。 見たかったかな 浩二の子ども。
2人には 跡継ぎのことでつらい思いさせたわね。
私 あん時… 何 守ろうとしてたんだろう。
家族じゃねえの?そう… そうだけど…。
もっと大事なものがあるんじゃないかって今は思うの。
だから 浩二…。うん?
これからは…自分が生ぎだいように生ぎなさい。
フフッ…。
俺が一番大事なのは家族だ。
父さんから託された この家 守る。
それが俺の生ぎだい道だ。
じゃあ… 早く結婚しないと。
お父さん きっと あの世で…。
(三郎)おめえは固えとこがあっから 女にモテねえんだ。
女は立てろ! 頼むぞ!
よし!(安隆)王手!
あっ! ちっと待ってくれ これ…ちっと待った!
か~っ!
フフッ…。
何?
私は あなたたちの母親で幸せ。
ありがとう。
僕こそ… 僕らこそ ありがとう。
お連れしました!
ありがとうございます。
先生…。古山…。
藤堂先生!よく来てくれた。
コンサートをしたくて手当たりしだいに 楽器を集めてきました。
あの… え… 演奏できる人は?
そんなことだろうと思ってもう集めてある。
先生…。よく来たな。
陸軍上等兵 神田憲明。得意な楽器は打楽器全般であります。
召集前はダンスホールで演奏しておりました。
一等兵 東 次郎! 宮大工でトランペットが趣味でありました!
同じく一等兵 岸本和俊!
自分は 民謡歌手の父を持ち 召集前は楽団でギターを弾いておりました。
ドラム トランペット ギターいい編成です。
えっと 歌…。
先生 歌 いかがでしょう?
お… 俺?はい。歌?はい!
ああ… まあ みんなの元気のためだ。
やるよ。
慰問会は明日だ。俺は用事があるから内容は任せる。
早速 練習してもいいですか?あの… しっかりしたものを皆さんにお届けしたくて。後で合流

する。はい。
よし…。さて…。はい。
どうしましょう? 1曲目は やはり「露営の歌」から始めますか?
「露営」…。「暁に祈る」も捨て難い。
自分は「決戦の大空へ」を推します。(2人)おお…。
(神田)先生 どうしましょう?あっ… あの…これ あの 1曲目にいかがでしょうか?
あの… ラングーン滞在中に書いてみたんですけど。
「ビルマ派遣軍の歌」。
お~ 我々のために!?士気が上がります!
本当ですか?(一同)はい!
じゃあ 1曲目 これで大丈夫ですか?(一同)もちろんです!
ありがとうございます!よろしくお願いします!
(一同)よろしくお願いします!
(練習する音)
出来ました。ありがとうございます。
出来ました。ありがとうございます。
編曲です。 よろしくお願いします。
隊長殿!
「隊長殿」は よしてくれ。いえ 皆さんの前ではそう呼ばせて頂きます。分かったよ。はい。
よし… やってみるか。はい!
♪~
♪「イラワジ河の水ゆるく」
♪「御国の楯とすすみゆく」
今日は自分たちにとって夢のような日であります!
先生の曲に勇気をもらい出征した者も数多くいます。
自分も そうでありました。「暁に祈る」を見て感激しました!
みんな 劇場を出た者はあの曲を歌ってました。
♪「ビルマの民衆に」
♪「兵の笑顔の莞爾たり」
♪「御稜威洽しビルマ派遣軍」


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