@chablis777
シャブリ

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(華)お父さん 日本に帰ってくるの!?(音)うん。
下関に着いたって連絡があったからもうすぐ。
無事でよかった…。うん。
お父さん 福島に来るって。
(音 華)ばんざ~い!アハハハ。
(汽笛)
(汽笛)
(藤堂)「君がこの手紙を読んでいるということはもう 僕はこの世にはいないということだ。君と憲太に もう会えないなんてとても寂しい。昔から 僕はどこか冷めた部分を持った人間だった。自分の気持ちを素直に出すことが不得手だった。そんな僕を変えてくれたのは君だ。君を知るにつれ その明るさ まっすぐさに僕の殻は とけていった。残していくこと 心から謝る。君が好きだった。 愛していた。ありがとう 僕の人生に現れてくれて。君に会いたい」。
「藤堂清晴」。
(裕一)先生は…先生は 僕を車の下に隠してくれて…。
すぐそこで撃たれました。
多分…僕を守ろうとしてくれたんじゃないかって思います。
(昌子)そう…。
あの人 あなたのこと 本当に好きだった。
きっと… 自分の人生 託してたのね。
幸せだったな…。
楽しかった!
もう… あんな日 返ってこない。
会いたい…。
もう一度… 会いたい。
(すすり泣き)
・(戸が開く音)
お帰りなさい。・(戸が閉まる音)
はあ…もう~ 帰ってきたら「ただいま」でしょ。
心配かけたね。 ごめん。
よかった… よかった。
ただいま。お帰りなさい…。
(すすり泣き)
よかった…。
よかった…。
♪~
みんな 元気そうで安心した。
居心地がよくて東京に帰りたくなくなります。
♪~
お勤め ご苦労さまでした。
僕は先に帰る。
しばらく 一人でいたい。
私たちも一緒に…。
お願いだから…。
頼む。
戦況が悪化するほど国民の士気を高めるため裕一への依頼は増え続けました。
では…。待て!
このフィリピンの戦いは天王山!一大決戦だ。
もっと国民の士気を上げ またいかなる敵であるか明確に示すため敵将 ニミッツとマッカーサーの名前を入れて頂きたい。
(西條)人名を入れるなど下品だ。 断る。
君の意見など どうでもいい!我々は勝たねばならんのだ!
フンッ。
これで結構!
・ごめんください。
(鉄男)新聞社に復帰して毎日 何十人 何百人… 何千人死んだって記事書いてても何にも変わらず 食って寝てた。
どだに兵隊さん戦死しても戦争が嫌だって気持ちは変わんなくて歌詞書くの断ってた。
なのに…。
藤堂先生が亡くなられたって聞いた時俺は どうしようもなく腹立った。
先生の弔いがしてえ先生の無念 晴らしてえ!
先生 喜ぶかな…?
当然だべ。 先生は勝つために戦ったんだ。
そっか…。
そうなのかな…?
んじゃ… 何のために戦ったんだ!?
分かんない。
けど… やるよ。
(襖が閉まる音)
(光子)どこに行くの?
分かっとるよ。 集会に行くんでしょう?
(五郎)許して下さい。 僕には必要なんです。
大事にすべきものはほかにもあるよ 五郎ちゃん。
申し訳ありません。
ごろ…。
(ため息)
(岩城)帰ってこんですかん?
(梅)昨日の夜 集会に行ったみたいなの。
ああ… 特高ですかん。
お母さんが確かめに行ってくれとる。
(戸の開閉音)
どうだった?
ほかの人は 罪 認めて釈放されとるらしいけど 五郎ちゃんは…。
皇軍将兵が命懸けで戦ってる今戦争反対とは何事だ~! 国賊め~!
私の体の自由は奪えても心の自由は奪えません!
うるさい!
あ~! あ~!
時間がないのに…。
(空襲警報)
昭和20年6月19日。
豊橋は 深夜から未明までの空襲で市街地の7割が焼き尽くされました。
もう うち駄目だわ。 逃げよう!
待って 原稿!梅! 梅!
おかみさん!あっ…!
♪~
俺が助けます!
あっ! あっ ああ ああ…。
ああ~!
岩城さ~ん!
梅~!
岩城…。
(すすり泣き)
(物音)
♪~
あっ… ああ… ああっ…。
梅! 梅!
梅… 岩城さん…。
梅… 起きて!起きて…。
誰か… 誰か助けて…。
(玉音放送)「然れども朕は時運の趨く所堪え難きを堪え 忍び難きを忍び…」。
日本は敗戦しました。
(玉音放送)「朕は茲に国体を護持し…」。


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