和気真也=ロンドン、山本知弘
スウェーデン王立科学アカデミーは12日、今年のノーベル経済学賞を米スタンフォード大のポール・ミルグロム教授(72)と、ロバート・ウィルソン名誉教授(83)の2人に贈ると発表した。電波の周波数の割り当てなどで使われるオークション(競売)に関する理論の発展や実用化への貢献を評価した。
ウィルソン氏は、競売参加者の入札価格の決定に関わる「共通価値」を研究。競売参加者が落札後に高値だったと後悔する現象「勝者の呪い」に着目し、合理的な参加者は見積もった価値より低い価格で入札する傾向を解き明かした。
一方、ミルグロム氏は入札行動を左右する「私的価値」に着目。有名な競売の参加者の戦略を分析し、複数の入札者が互いにどれぐらいの価値だと見積もっているかを知れば知るほど、価格はつり上げられ、出品者が優位になる仕組みを解明した。
競売は、魚や絵画の競りにとどまらず、海外では電波や空港の発着枠など公共的な分野でも広く使われている。2人は、こうした際に高値にこだわらずに社会の利益になる新方式を考案。1994年、米当局が携帯電話用の周波数を通信会社に割り振る際の電波オークションに使われ、その手法は各国に広がったという。
2人の理論はインターネットが…
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