トランプ氏、感染後初の支持者集会 大半マスクせず感染拡大懸念<フロリダ州>
2020年10月13日 20時30分
【ワシントン=金杉貴雄】トランプ米大統領は12日、新型コロナウイルス感染後初の支持者集会を大統領選の激戦州、南部フロリダ州で開いた。同州では現在も1日平均2000人超の新規感染者が出る中、集まった支持者の大半はマスクなしで密集し大歓声を上げ、感染拡大が懸念される。トランプ氏自身が退院時にツイートした「新型コロナを恐れるな」の言葉を実践するような集会となった。
◆マスク投げ配りながらトランプ氏登場
トランプ氏は手に持ったマスクを投げ配りながら2000人以上の支持者の前に登場。自らはマスクをせず、演説でコロナからの「復活」を強調した。免疫ができたと主張し「力がみなぎっている。皆のところに行きキスして回りたいぐらいだ」などとアピールするたびに、大歓声が上がった。
専属医は12日、トランプ氏の検査結果が数日連続で陰性で、他人に感染させる恐れはないと発表。ただ、トランプ氏得意の大規模な支持者集会は2次感染を引き起こす「スーパー・スプレッダー」集会だとの非難の声も上がっている。
◆劣勢の流れを変えようと必死
トランプ氏は大統領選まで3週間で、劣勢に立たされている。12日現在、民主党のバイデン前副大統領に全米支持率の平均で10.2ポイント差まで広げられ、大票田のフロリダでも3.7ポイントのリードを許す。このため流れを変えるのに必死で、感染拡大の懸念をよそに、激戦州での大規模集会を今後連日開く予定だ。
一方、バイデン氏は12日に中西部オハイオ州で遊説し、トランプ氏が新型コロナの危険性を軽視し多数の国民が命を落としたと指摘。「自らが感染してからの向こう見ずな行動も常軌を逸している」などと批判した。
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