- アメリカの多くの地域で新型コロナウイルスの感染が拡大しているようだ。
- 12の州 —— アラスカ州、コロラド州、インディアナ州、カンザス州、ミネソタ州、ミズーリ州、モンタナ州、ノースダコタ州、ネブラスカ州、オレゴン州、サウスダコタ州、ユタ州 —— で直近1週間の新規感染者数が過去最多となった。
- 救急医のミーガン・ラニー(Megan Ranney)氏は、「非常に恐ろしい第2波」の可能性があるとCNNに語った。
- 国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、秋冬に向けて「備える」ようアメリカ人に呼びかけている。
アメリカの多くの地域で新型コロナウイルスの感染がこれまでになく拡大しているようだ。
当局が発表した新型コロナウイルス関連の数字をまとめているCOVID Tracking ProjectのデータをBusiness Insiderが分析したところ、12の州 —— アラスカ州、コロラド州、インディアナ州、カンザス州、ミネソタ州、ミズーリ州、モンタナ州、ノースダコタ州、ネブラスカ州、オレゴン州、サウスダコタ州、ユタ州 —— で10月10日(現地時間)、直近1週間の新規感染者数が過去最多となった。
アメリカ全体では過去4日間、1日あたり5万人以上の新規感染が確認されている。これほどの増加は、8月半ば以来のことだ。
ニューヨーク・タイムズの分析によると、26の州で1週間の平均で見た1日あたりの新規感染者数は、少なくとも10万人あたり15人と多くなっている。この26州以外でも、1日あたりの新規感染者数は16の州とワシントンD.C.で増加している。
「わたしたちの救急救命室にやってくる、本当に体調が悪くて入院や集中治療を必要とする新型コロナウイルスの患者さんの数が増えています」とブラウン大学の准教授で救急医のミーガン・ラニー氏は10月11日、CNNに語った。ラニー氏は「わたしたちは皆、これが非常に恐ろしい第2波の始まりではないかと憂慮しています」と話した。
専門家は以前から、夏休みが終わって児童、生徒、学生たちが教室へ戻り、気温が下がることで人々が屋内で過ごすことが増える秋には、新型コロナウイルスの感染が再び増加する可能性があると警鐘を鳴らしていた。
感染症の専門家で国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の所長でもあるアンソニー・ファウチ氏は、アメリカ人は「この秋冬を乗り切るために備える」必要があると話している。
ファウチ氏は「秋になり、屋内での活動が増えるにつれ、わたしたちは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の増加を目にすることになるだろう」とハーバード・メディカル・スクールとの9月のパネル・ディスカッションで語った。
1日あたりの死亡者数は減少傾向が続いている。だが、新型コロナウイルスに感染して命を落とすまでには時間がかかるため、一般的には、死亡者数の動向は感染者数の動向と3、4週間のタイムラグがあるとされている。
ワシントン大学医学部のInstitute for Health Metrics and Evaluation(IHME:保健指標評価研究所)のCOVID-19モデルの予想では、新型コロナウイルスによるアメリカ人の死亡者数は1月半ばに1日あたり約2300人でピークに達し、死亡者総数は2月までに40万人にのぼるという。
人口の95%が公の場でマスクを着用すれば、2月までの死亡者総数は約31万5000人になるだろうと、IHMEのモデルは見ている。調査によると、現時点で公の場でマスクを着用していると答えたのは回答者の70%以下だ。
(翻訳、編集:山口佳美)