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日本スケート連盟・福留富枝氏のビツクリ発言


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ネット上にこのような書き込みがありました。

「little wings2012のフォトブック」の中で、スケ連の福留富枝氏が浅田選手について
「ここ数年の真央選手はきれいで淡々と滑る選手でしたよね。ショパンなどのきれいな音楽で彼女らしい雰囲気を盛り上げ音の響きで清潔感を出して。でもそこで壁を作ってしまわずに、こちら側に出てきてほしい。これからの課題はちょっときれいすぎる点を打開すること、と思っていたのですが…。最近の彼女はオフアイスから相手を和らげるオーラがあるようです。…今までのガラスのケースに入った真央選手とは違うように感じました。」

で、例によって、当該の真央ファンは日本スケート連盟強化部スタッフの福留氏に怒りの声を発しています。なぜ、怒るのかはヤボなので言うまい。

しかし、上記の福留氏の言葉の引用は最後の一行目の箇所に省略があります。
補足します。


「一言言葉を交わしただけで、今までとは何かが違う。四大陸選手権ではコスチュームも一新し、明るさを全面に出し、今までのガラスケースに入った真央選手とは違うように感じました。箱からとびだして次なる進歩を求めているよう。ジャンプも安定しだしましたし、来シーズンはさらに新しいことに挑戦してくれるかもしれません。新しい音楽で、まったく新しい振り付けで、凄みさえも見せるような浅田真央に…次のシーズン、さらに楽しみですね!」

これにより、福留氏の言葉の印象はかなり変わるでしょう。故意か否かはともかく、不注意な引用は読み手を誤解させるので発信者は心しないとダメですね。特にネット上で確認の出来ない専門誌からの引用においては。

ところで、福留氏のコメントを見て、私は青嶋ひろの氏の「悪名高き?」コラムを思い出しました。これはネット上で確認が出来るので、一部のみ引用します。


「浅田真央が気づいていない大切なもの」
世界フィギュア女子シングル総括 2010年3月28日(日)

「…浅田はフィギュアスケーターとして必要な資質のすべてを持っている選手だ。しかし今シーズンはトリプルアクセルを作戦の中心に置き、超人的な努力を重ね、五輪では3度成功。キム・ヨナがいなければトリプルアクセルですべてをねじ伏せる形で五輪チャンピオンになっていただろう。

しかしやはり今の浅田のスケートには、フィギュアスケートとしてまだ足りないものがある。ジャンプもそのほかのエレメンツも「技術」としては完ぺきに近いが、「氷の上で自分を表現する、何かを表現する」というフィギュアスケートのもうひとつの大切な部分が、まだ少し足りない。いや足りないのではなく、それができる力を持っているのに、必要であることに気づいていないのだ。

浅田真央は素晴らしいスケーターだ。しかし「完成されたスケーター」ではない。すべての資質を持つ彼女が、フィギュアスケートに対する「意識」を目覚めさせ、本当の魅力に開花するとき、いったいどんなスケートを見せてくれるのか――考えただけでわくわくする…」

多くの真央ファンを怒らせた箇所ですが、これは福留氏のコメントと重なるような気がします。しかし、同じ真央ファンでもこれらの見解に頷いている人も少なからずいると思います。例えば、私がそうです。

しかし、私は真央ファンといっても「反主流派」ないしは「異端」なのでしょう。主流派ならば声を大にして彼女達の「真央サゲ」コメントに怒らなければならぬ。それが当然だ…というところでしょうか。

私が驚いたのは、福留氏の別の箇所のコメントに対してです。福留氏は日本女子の強さはジャンプ、ジャンプの回転が確実で、技術がしっかり確立されている、と述べた後に、次のように語っています。なお、専門誌の引用ですが、福留氏の意図に影響の無い範囲で省略しています。


「…その一方で弱点と言われているのは、欧米の選手達に比べ、総じてファイブコンポーネンツ(演技構成点)が出にくいところ。男子では高橋大輔選手がこの点で9点台を出した…中略…そこまでの選手は、まだ日本の女子にはいません。もしかしたら、破竹の勢いの日本女子を封じられるように、そのために考えられたのがファイブコンポーネンツなのかもしれませんね。女子シングルで日本と戦うためには、ここで差をつけようと、今はロシア勢などががんばって、どんどん美しい演技を見せるようになっています…」

オイオイ、そんな「陰謀論」めいた感想を、仮りにも日本スケート連盟強化部スタッフであり、国際審判をも務める人が言っちゃっていいの?

それに、旧採点法時代の末期は荒川さんと村主さんが活躍していましたが「破竹の勢い」ってほどでした?この頃はミシェル・クワンさんやスルツカヤさんの全盛期でしたね。

フィギュア界の「裏事情?」を知る人の発言だけに、とても気になりますね。過去、本当にそんな動きがあったのでしょうか?

しかし、ファイブコンポーネンツが誕生してから最初の五輪で、日本の荒川静香さんが優勝していますけど(^。^;)。それに2005年度~2012年度の8回の世界選手権で、日本女子が4回優勝していますが。

まあ、これがメジャーな大手新聞やテレビでのコメントだったら今頃は大変な騒ぎになっていたことでしょう。ジャッジは不正とする一部のファンにとっては「美味しい」お話しだからね。「これは得たり!」「それ見たことか!」とね。

ファイブコンポーネンツは、ソルトレイクの事件がキッカケで変わった新採点法の柱の一つで、旧採点法時代の「プレゼンテーション」をある程度受け継いだものと理解しています。「日本女子封じ」は関係無いのでは?

※演技構成点で気になるのは、新採点法が始まって以来、ここにはルールの変更や修正もなく、ほとんど手付かずで来ていること、文書に明記されぬ「運用面」で変わって来ているだけということ。これが、ただでさえ分かりにくい演技構成点を余計に理解困難にさせているように思います。

スケーティングや表現技術が高く評価されることは、ベテラン選手には良いと思います。女子の場合、体操競技と同様に、ジュニアの小柄な選手の方がジャンプ確率や精度の高さという点で明らかに有利には違いないと思うからです。

ソチ五輪の女子シングルでは、極論すれば、若手の技術点とベテランの演技構成点の争いになるかもしれません。



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2012.06.06 | | コメント(0) | トラックバック(0) | ルール・採点・技術関連



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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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