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（藤堂）♪「我が兵の背に高く」
♪「黄金のパゴダそびえ立ち」
♪「セクパンの花萌え出でて」
はるばる　よく来てくれたな。（裕一）本当に来れてよかったです。
まあ　本番は明日だけどな。（笑い声）
でも　今日の練習だけで本当に…　胸が熱くなりました。
あ…　明日　少しでも皆さんの力になれればいいんですけど。
（神田）間違いありません。必ず　みんなの心に届きます！
はい。
岸本　どうした？
（岸本）隊長殿…。
自分は今日で　少し死ぬのが怖くなりました。
自分…娘に会ったことがないんであります。
どういうことだ？
（岸本）自分は　悪い人間でした。いろんな人を傷つけて生きてきました。そんな暮らしの中で　捨てた女が…俺の子を黙って産んでたんです。それを知って　会いに行ったんですが…断られて。
頭の片隅で　ちらっと聞こえた赤ちゃんの声が離れないんです。
俺…　このままじゃ駄目だ。
会わせてもらえる人間になろうちゃんとした人間になろうと思い戦っております。
もう…　会える資格はあるさ。
そうでありますか？ああ。
帰ったら会いに行け。
はい。
岸本さんは…死ぬの　怖くなかったんですか？
自分の人生は思い出したくないことばかりでした。
死んだら　忘れられると思ってました。
今は　隊長殿や仲間に恵まれて今日のようなすばらしい時間を過ごすと大切な記憶が増えて…死ぬのが怖くなります。今まで失うものがなかったのに今は掛けがえのないものがある。
だから　怖いのであります。
俺も怖い。
私も。（東）私も。
恐らく　あと少しの辛抱だ。
みんな　生きて帰ろう。
はい。はい。はい。
それじゃあ　はるばる来てくれた古山にあれ歌うか。
（一同）はい！
♪「あゝあの顔で　あの声で」
♪「手柄頼むと　妻や子が」
♪「ちぎれる程に　振った旗」
♪「遠い雲間に　また浮ぶ」
♪「あゝあの山も　この川も」
♪「赤い忠義の　血がにじむ」
♪「故国まで届け　暁に」
♪「あげる興亜の　この凱歌」
（すすり泣き）
古山。はい。
俺が死んだら　渡してくれ。
嫌です。　やめて下さい。
こんなの受け取れません。
頼む。
絶対に生きて帰ってきて下さい。
ああ。
（雷鳴）
お…　大げさですよ。
これでも抑えめにしたぐらいです。いやいや…。
（雷鳴）天気…　もちますかね？
…といいんですけどね。あっ　岸本さんは？
先生にお土産を　と言ってましたが。あ～　そうですか。
先生　これを！
あっ　イギリス兵からぶんどったものです。　大変うまいです。
い…　いやいや…　受け取れません　そんな。食料に困ってるの　皆さんですから。
先生　これは気持ちですから！　はい。
ありがとう…　ありがとうございます。
じゃあ　本番前に演奏だけ　もう一度　練習しときますか。
何度でも！しましょう。（笑い声）
（銃声）
狙撃兵だ！　応戦しろ！敵襲～！
敵襲だ！　銃を取れ～！
（銃撃音）古山！　こっちだ。
（銃撃音）
ここに隠れてろ。（銃撃音）
ああっ！大丈夫か！？
（銃撃音）
あっ　あっ…　ああっ！　ああ～っ！
（銃撃音）あっ　あっ…　ああ～っ！
（銃撃音）
（爆発音）
（銃声）うっ！
ハァ　ハァ　ハァ…　ハァ…　ハァ…。
先生…。
（銃撃音）先生！
（銃撃音）あっ　あっ…　先生…。
先生！（銃撃音）
♪～
（銃声）ひっ！
どうしよう…　どうしよう　これ…。
何をすればいいのか　分かんない…。分かんない…。
先生…　先生…　先生。
古山…。
先生？　先生？　先生！
うっ…。先生…。
すまん…　俺のせいで。
な…　何言ってんですか　先生。
僕…　僕は僕の意思で来たんですから！
先生のせいじゃありません！
手紙は？　手紙　持ってるか？
手紙？　手紙　手紙…。
あっ！　手紙　手紙！手紙　ここにあります！
ちゃんと　ここにありますから。先生…。
最後に…　お前に会えてよかった。
先生…。
そんなこと言わないで下さい。先生…　い…　一緒に帰りましょう。
先生　ほら…。
昌子と憲太…。駄目…。　先生…　嫌だ　嫌だ　嫌だ…。
先生…。頼む…。
嫌です！　先生…　先生…。
先生！
もう一度…。先生…。
会いたかった…。先生…　嫌だ　嫌だ　嫌だ…。
先生…　先生…。
先生？
先生…　先生…？
うそ　うそ　うそ　うそ　うそ！
うそだ！　先生！
先生！　先生…　先生！
先生～！
ご無事でしたか。
先生が…。
神田さんは？手榴弾でやられました。
あ　あ…　ハァハァ…。
あ…　あっ　あっ　あっ　あっ…。
僕…　僕…　何も知りませんでした。
何も知りませんでした…　ごめんなさい…。
ああ…　ごめんなさい…。
知らなくていいこともあります。
ごめんなさい…。
僕　何も知りませんでした…。
ごめんなさい…。
先生…　ああ　ああ…　先生…。
ああ　ああ…　ああ　ああ…。
先生…　ああ　ああ…。
ごめんなさい…　ごめんなさい…。
それから間もなくインパール作戦は中止となりました。
およそ９万の将兵が投入されましたが生還者は１万数千人しかいませんでした。
♪～