学習=アクティビティ
――すみれさんが、まだ赤ちゃんの頃からスタートしたという母娘の家庭学習。すみれさんはイヤだと思ったことはなかったのでしょうか?
すみれ 普通は「勉強=やらされている」という感覚なのだと思うんです。ただ、私には「やらされている感」がまったくなかった。なんとなく覚えているのは、家の階段一段ごとに英語の問題を書いた画用紙が置いてあって、一問一問解いて上がっていくと、一番上におやつとかおもちゃのご褒美があって。私にとっては、ミッション感覚でした。「ミッション・インポッシブル」を「ポッシブルにする!」みたいな(笑)。
真理 ああ、2~3歳のときね。英語のセンテンスを書いた画用紙を、一枚ずつ階段に置いて、並び替えるとストーリーができるようなゲームにしてたの。ワクワクするじゃない?
家庭学習といえば、最初にしてたのは散歩。体育よ。脳と筋肉はつながっているから、体力づくりと筋力を鍛えることは大事。歩けるようになったら、まだオムツ穿いてる頃から毎日1時間以上、川の土手とか由布院の町を歩いてた。土手を上まで上らせて、「下りてきて」って言って、また上らせて(笑)。冬で雪の中もガンガン歩いてたね。寒くて凍えたら温泉に入って。覚えてない?
すみれ よく外に遊びに出かけてた記憶はある。
真理 私としては、「勉強」をさせているつもりはなくて、「世界のありとあらゆる記号を読み解きする作業をしよう!」というつもりだから。英語も日本語も数字も音符も記号。音符は24音階のスケールカードを作って「これは何でしょう?」「C Dur(=ハ長調)!」って覚えてたのよね。算数は私が苦手だから途中で挫折したけど(笑)。
受け取る側も勉強、って思ってないし、もちろん記号を解読する作業してるとも気づいてないのよ。
すみれ そう、単なるアクティビティだったよね。中学校に入って、英語が「教科」として始まって、ああ、これは世の中では「勉強」とされているんだな、と初めて知ったくらいかな。遊びのなかで自然に覚えてたから、中2くらいの時に学校で、文法の並べ替え問題をやっていたら、塾に行っている友達に、「そこ、まだやってないのに、なんでできるの!?」って驚かれた。
真理 階段のセンテンスカードで並べ替えやってたからね(笑)。
すみれ 自分の中では「感覚的にわかる」って思っていたけど、教科として学ぶ友達にはそんな感覚はなくて。だから、中学校で習う「英文法」は逆に新鮮だった。感覚的だったことを初めて説明してもらえて「ああ、そういうことなんだ」って。
真理 私は文法説明しないからね。