ガンホーのファティーグパンツがやっぱり気分
デニム一辺倒だったメンズのボトムス事情。しかし今季はミリタリーパンツも注目されています。とくに狙い目は『ガンホー』のファティーグパンツ。その魅力を紹介します。
『ガンホー』とは?
『ガンホー』とは1972年設立の米テキサス発ワーク&ミリタリーブランド。設立は1972年。サプライヤーを出自とする老舗ブランド『アールズアパレル』のワークウェアラインという位置づけですが、40年以上にわたってUSメイドを貫く希少な存在でもあります。その特徴は質実剛健とうたわれるタフな作り、そして手頃な価格設定。代表作のチノパン、ファティーグパンツは、アメカジにしてクラシックな味わいが残る一本としても人気を博しています。
『ガンホー』のファティーグパンツの魅力とは?
今季は細テーパードからワイドシルエットへの転換期。もちろん、シンプルな見た目は必須事項のままです。そこで『ガンホー』が注目されるワケ。それは軍もののサプライヤーを出自とするもの作りの堅実さがひとつ。そして何よりもの手頃感。これに尽きるはず。
魅力1
▼過剰に“ミリタリー”を伝えないシンプルなデザイン
どうしてファティーグ(正式名称OG107ユーティリティ)なのかというと「完全戦場仕様ではないから」というのが大筋の回答でしょう。つまり軍もの感が薄味で、かつカーゴほど見た目にゴチャつかない。これがミリタリーテイストを求める今にハマる理由です。
一見して男らしさはあるものの、ごちゃついていないことが『ガンホー』のファティーグパンツが誇る最大の魅力。コーディネートを選ばない汎用性の高さも十分なため、着こなしの幅が広がります。
魅力2
ベージュ、ネイビーに続く、メンズの流行色“カーキ”
国内外の最新スナップを眺めると、洒落者の多くが“カーキ”をまとっていることに気づくはずです。最近流行したベージュ、ネイビーと同様、カーキも男の基本色。そもそも軍もの=現代メンズファッションの基礎ですから、手慣れた感じで扱えるひとも多いですよね。
素材にもよりますが、『ガンホー』のファティーグパンツははきこむほどに色みがあせていくのも、ひとつの魅力。クタクタな表情になるまではきこめば、それが”味”となって表れるのです。
魅力3
▼伸縮素材ではなく、シルエットで伝える“リラックス”
コンフォートな着用感も欠かせないキーワードです。ここ最近はストレッチ素材や立体裁断で心地良さが追求されましたが、ファティーグの場合はシルエットがキモ。このようにゆったりしたシルエットですから、見た目にもリラックスが感じられますよね?
夏場であれば、シンプルな無地Tシャツと合わせて着こなしたい『ガンホー』のファティーグパンツ。革靴+パンツのロールアップで、大人らしさと今っぽさを両立できるので、誰にでもチャレンジしやすいのでは?
『ガンホー』のファティーグパンツ、着こなすための基本スタイリング3パターン
ファティーグパンツ自体、余計な装飾のないボトムスですので、組み合わせが難しいということはないと思います。あとは解釈次第。アメカジ、ミリタリーといった印象をどうマリアージュするかが力の見せどころ!
パターン1
▼ボーダーカットソーと合わせる
ワイドシルエットがマリンパンツをイメージさせること、ボーダー自体がベーシックな柄であることなど、ファティーグとボーダーの好相性の理由はいくつもあります。ただ、どう選ぶにせよ、ボーダーの間隔は幅の狭いものが気分。大人っぽく魅せるための秘訣です。
選んだのはバスクシャツ御三家『ルミノア』を使ったコーディネートです。この辺は好みですけど、首元までみっちり縞の詰まったトップスは、筆者的にいえば少々大味。首回りに抜け感のある長袖バスクをラフに腕まくりするくらいのほうが爽やかにこなせるはずです。
続いて、御三家の一角『セントジェームス』のバスクシャツ。大定番のウェッソンですね。首元にまで縞の入るタイプですと、柄を効かせる感じで1枚シャツやカーディガンを羽織るのもありです。色数を2~3色に絞る要領で、ボトムス以外を紺×白でまとめると爽やかです。
最後の御三家最後の一角『オーシバル』のボーダーネック。彼のいいところはハット使いでしょうか。中折れではなく、マウンテンタイプのブレードハットを選んでリゾートのイメージを都会的にいなしています。ボトムスに合わせた“つば広”の選択に好感を覚えますよね。
インディゴで流行を織りまぜています。あせ感のあるオリーブボトムスに対して、濃色のトップでメリハリを効かせている点がまず優秀。惜しむらくはサンダルですね。幅広帽で太パンツと調和を取っているのだから、もう少し量感のある一足を選びたいところ。
パターン2
▼白トップスと合わせる
ファティーグパンツの持ち味はシンプル。とはいえ、男臭さがまるでないワケではないんです。そこでトップスでアク抜きをしましょう。ここで有効なのが、清潔さを強調する白トップス。カットソー、シャツなど定番アイテムを選べば、違和感なく着こなせます。
大人が選ぶ白トップで代表的なのは、やはりボタンシャツ。それも彼のようなワークテイストが真似しやすいかと思います。テイストの決め手は、キャップとチャッカ丈のUチップシューズ。ワークは印象が重たくなりがちなので、裾&袖のロールアップをお忘れなく。
せっかくの太パンツですから、パリモードで盛りとなっているヒップホップの感覚を取り入れるのもありかと。あくまでニュアンスですから、やりすぎは大人を損ねます。欲しいのはトップスに見るオーバーサイズ感。このくらいの着崩し感なら大人でも楽しめます。
カットソー1枚で勝負するなら、ファティーグでカモ柄を差すのもあり。彼のようにくるぶしが見えるくらいに裾遊びすれば、サンダルでもだらしなく見えないはず。どこか物足りない、とアクセサリーに頼りがちですが、今季はクリーンさが要。潔さに徹しましょう。
カットソーであれば、ニットTを使うという手も。天竺と比べて生地感が強く、しかもやさしげな編み地なので、パンツの男臭さを程良く中和することができます。これであれば彼のように足元にはローファーを。シンプルな組み合わせでも、上品に見えますよね?
パターン3
▼チェックシャツと合わせる
何度もいいますが、ファティーグの持ち味はシンプルな見た目。柄を使っても印象が乱れませんから、チェックシャツとの合わせもOKです。ただ気になるのは柄選び。アメカジとクラシック。どちらも好き好きですが、夏であれば後者で爽やかさを演出したいところ。
アメカジ風チェックシャツでファティーグを着こなすとなると、彼のコーデがスタンダードでしょう。シャツはタータンチェック。ザ・アメカジといったスタイルですが、ラフな袖遊び、それからサンダルを合わせることで、アクの強いチェックを手なづけています。
同じくタータンチェックシャツですが、彼が上手なのは羽織り方。第1から第3までのボタンを締め、風に遊ばせるように着ていますよね。ここで軽快感を上手に高めている。足元は武骨な山靴ですが、裾を遊ばせることで重厚感を見事にいなしています。おしゃれです!
スリーブは細身ながら、スモック風のゆったりとした着心地を伝えるプルオーバーシャツを着用。柄は変形のタッターソールでしょうか。ほのかに味感のあるファティーグ&ワークブーツの野趣が、タッターソールシャツの品のよさで打ち消されているのがわかるはず。
最後はグラフチェックの半袖シャツとファティーグ。何てことない組み合わせですが、どことなく上品さが伝わるのは、巧みな色使いがあってこそ。白×紺の2トーンは、野趣感が前のめりになりがちな軍パンを都会的にこなすうえで、もってこいのカラーパレットです。
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