こんにちは。
連日デモ隊と警察との衝突が激しさを増している香港で、4年に1度の区議会選挙が実施されました。
区議選は18区議会の全452議席を、1人1票の直接選挙で争うため、香港で最も民意を反映しやすい選挙とされています。
そんな選挙立候補した人の中に、なんと日本人がいるというから驚きです。
香港では外国籍であっても、21歳以上で永住権があり、直近の3年間、香港に居住するなどの条件を満たせば立候補できるのですが、さすがに日本人が立候補しているのは驚きだったので、どんな方か調べてみました。
香港区議選の日本人賣間(うるま)国信ってどんな人?本当の国籍は?
本名 | トーマス ウルマ(日本名:賣間国信) |
年齢 | 46歳(2019年11月現在) |
国籍 | 日本 |
両親 | 父親:中国人 母親:日本人 |
職業 | 金融会社経営 |
香港で金融のコンプライアンス会社を経営する日本人と言う情報以外は結構謎に包まれているので、気になりますよね。
インタビューの動画がありました。
流石にこのインタビューだけしか見たことない人からしたら
「え?ほんまに日本人?」
ってなってしまいそうです。
少し調べてみたところ、お父さんが中国の方だという事で生まれこそ日本ですが、育ったのは香港だそうです。
一応日本で生まれたので国籍だけで言えば日本人で間違いないですね。
ただインタビューの日本語を聞く限りでは、かなり長い事日本語では話していさなそうです。
アメリカと日本で高等教育を学んだと仰っているので、日本に滞在していたのは恐らく数年間くらいでしょうか。
日本語は若干たどたどしいですが、日本生まれの日本国籍持ちなので、日本人と言う事で間違いはないです。
そんな賣間国信さんは、職業は金融会社を経営しているという話でしたが、どんな会社かまでは分かりませんでした。
ただ、一部中国の報道では、元HSBCプライベートバンクマネージャー(※1)だと報じられていました。
(※1)プライベートバンク(Private Bank)とは、経営に無限責任を負うプライベートバンカー(Private Banker)が経営する銀行を指します。スイス発祥の銀行の一形態で、顧客対象は主に世界中の王族や貴族を含む富裕層、主要業務は資産保全、資産運用です。
万一の場合は無限責任のパートナーが個人資産を含めて責任を負う形態で、情報秘匿性、信頼度が高いといわれます。銀行によって基準が異なりますが、対象は富裕層が中心で、米ドルで100万ドル、日本円で1億円以上の金融資産(不動産を除く)がひとつの目安とされています。収益減は顧客から預かった資産の保全、管理、運用の手数料で、顧客の資産が増加すれば手数料が増え、銀行も儲かる構造です。
ここから転じて、金融機関によって提供される、富裕層を対象にした総合的な資産管理を行う金融サービスをプライベートバンキング(Private Banking)といいます。出典:SMBC日興証券
香港でHSBCと言えば、香港上海銀行しかないでしょう。
※世界最大級のメガバンクとして有名なHSBCホールディングスは元々香港上海銀行の持ち株会社としてロンドンに設立されたものです。
HSBCのプライベートバンク事業は、どちらかと言うと個人向けの証券会社のようなイメージですね。
富裕層からお金を預かり、その資産を運用する部門を切り取って、「プライベートバンク部門」と呼んでいたと記憶しています。
世界的に有名な銀行のプライベートバンクマネージャーと言う事は、かなり「やり手」の金融マンとみて間違いなさそうです。
なぜ日本人が立候補?
デモの背景には、所謂香港での富裕層と貧困層との格差が広がっていることも挙げられています。
曰く「親中派の富裕層が、権利も富も掌握している」
という部分がデモを過激に走らせている一因として少なからずあることは周知の事実です。
そんな中、デモの支持層である民主派から「富裕層」でしかも「日本人」が立候補するというのが結構謎です。
普通に考えたら今の富んだ暮らしを変えたくないと思う気がするのですが、今回の立候補の理由について賣間国信さんは
「日中関係が良くない時でも、私を差別なく平等に扱ってくれた香港の人々に報いたい」
と語っておられました。
ご自身のルーツが2つの国にまたがっているからこその決断と立候補なのでしょう。
立候補した地域は中西部の山頂区と書かれています。
山頂といえば、ビクトリア・ピーク。
香港でも有数の高級住宅地なので、どちらかと言えば親中派の勢いが強い場所ですね。
選挙結果がどうなるかは未定ですが、香港の人々が、彼の判断をどうとらえるかに注目したいです。
選挙速報によると、民主派の圧勝ではありましたが、賣間国信さんは残念ながら落選されていました。
まとめ
今回は香港で区議選に立候補した賣間国信さんについてまとめてみました。
父親が中国人、母親が日本人の日本生まれで香港育ち。
元HSBCのプライベートバンクマネージャーと言う敏腕金融マンは、香港の人々の平等な扱いに報いたいという思いで声を上げています。
個人的には暴力的なデモはあまり擁護出来ませんが、平和的に民主化を進めるための選挙は大賛成です。
結果として賣間国信さんは落選したものの、投票率71.2%、そして民主派の圧勝と言うことで香港の民意は示されました。
今後の香港がどうなっていくかは注視しつつ、新たな情報は追記していきます。