2020.10月の月いちコンサートの「そして月は廃寺に落ちる」 | あっという間に秋のブログ

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通風発作で行けなかったと思った。
前日の昼過ぎに立ててから、必死に飯を食う。体力回復のためである。毎月、秋田県湯沢市役所一階ロビーで開催している、月いちコンサート。ジャンルで様々であるが、10月はクラシック。


諸事情で第2部は中止となり、第1部のみ。

2人のピアニストが、それぞれソロを弾き、最後に連弾というプログラム。
いつもより観客の集まりが早い。(田舎では、開演時間ギリギリに来る人が多い)

市民無料コンサートのプログラムじゃないよこれ。

特にドビュッシーの映像第二集「そして月は廃寺に落ちる」は繊細の極致の曲。

久しぶりにYouTube見て予習しました。


1人目のピアニストは原田 梢さん。ベートーヴェンとシューマンの歌曲をリストがピアノ独奏用に編曲した、シューマン/リストの「献呈」のプログラム。ヨーロッパの宮殿の曲線美が脳裏に浮かぶ。

やはり献呈が1番良かった。ふくよかな和音の響きとメロディが、ロマン派の香りを会場に放射している。ヨーロッパの宮殿の曲線美が脳裏に浮かぶ。

2人目のピアニストは、廣田ちひろさん。ドビュッシーの映像第二集から「そして月は廃寺に落ちる」。先の献呈とは対照的な演奏。
最初の和音。和音の響きが上に上がって行かない。驚いた、和音が例えるなら絵の具を混ぜ合わせて、ややひんやりとした透明な色彩になっていると言えば良いのだろうか。ドビュッシーが同時のジャポニズムを受けていたのではと思わされるのが納得の音色と間。ピアノのタッチコントロールが凄いのだろう。各自の指の力の配分を繊細にしないと和音でもぶつかりあって濁りが生じる。
この「そして月は廃寺に落ちる」の和音は濁ってはいけない。廣田ちひろさんの演奏は幾度も聴いているが、ここまで繊細な演奏をするとは思っていなかった。
透明な墨絵の演奏のようだ。様々な音色を混ぜ合わせて透明な色彩にした素晴らしい演奏だ。
演奏者も観客もゾーンに入っていた。演奏が終わり静かな沈黙から次のドビュッシーの「仮面」の激しい演奏に移る。

連弾終了後にアンコールでファゴットも加わり楽しくコンサートは終わった。

献呈からドビュッシー2曲へと続く時間は世界が変わっていた時間だった。

プログラムの順番から、今の時世に対するものが伺われた。

やはり語彙力の無さに頭を抱える。なんか良い表現はないかと考えていたが浮かばないままブログを書く羽目になってしまった。

言える事は良い音楽。それだけの事なんだ。


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