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「規制改革」を敵視する利権屋が「保守」を語り、ネトウヨ言論人として怪しげな言論を蔓延らせる/倉山満

無駄な規制で利益を得ている人も

 そして、無駄な規制で利益を得ている人もいる。たとえば、レストランでワインを売られたら酒屋は困る、など。しかし、すべての酒屋がこんな規制を求めているはずがないのだが。ただ、官僚は業者を保護することで権限を拡大する。  もちろん、すべての規制を廃止したら法令そのものが消滅する。また、安全保障に関する部分は規制強化が必要だ。外国人の土地取得が自由であるのに、有事の規制は存在しない。自衛隊周辺地が外国のスパイに使われたらどうするかなど、不安は尽きない。強化すべき規制もある。  また、ある規制を緩和することが、特定の業者の利益になることもあるので、公正な競争を担保する方法にも留意しなければならない。  菅首相が何を実現したら「規制改革」なのかは不明だが、基本的な議論は踏まえておいた方が良い。’73年、香川県生まれ。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。現在、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を行っている。ベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』のほか、『保守とネトウヨの近現代史』が9月25日に発売された
保守とネトウヨの近現代史

安倍内閣の8年間、なぜ「保守」と「ネトウヨ」は何もできなかったのか!?
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