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知恵を絞り出して

作者:竹仲法順

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 つい最近、ふっと考えたことがあった。いつも週明けと週末に買い物する量販店まで、自転車で片道二十分ほど掛けて行くのだが、午後三時過ぎだと若干空腹を覚える。財布に百円玉が何個かあったので、自販機で糖分の入ったジュースか何かを買おうと思ったのだ。

 そして目が行ったのが、シュガーレスのダイエットコーラだ。確か黒い地に赤い色で文字が書かれている。砂糖が全く入ってないので、興味があって一缶買って飲んでみた。コーラってここ二十年ぐらい飲んでない。案外美味しかった。もうこれから相当先まで飲むことはないと思うのだが……。

 表題通り、知恵を絞り出すことも大切だと思う。ボクも限られた金しかない。正確に言えば、月に約六万五千円の障害年金しかもらってない。いくら節約しても、これじゃ足りない。将来的に固定資産税が免除されて、家賃が実質ゼロとなるこの持ち家に住んでも、わずかな額、不足するのだ。一万五千円から二万円ぐらい加算されると助かる。だから生活保護が今のところ、有力な選択肢に挙がっている。

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 年金生活者にとって、百円のジュースでも、一個が八十円ぐらいのレトルトカレーでも、下手すると、割れてしまった卵一個だって惜しい。それが現実だ。何せ入ってくる分が少ないからである。だから、どっちにしてもこれからの生活は幾分制約を受ける。

 でも、無事申請が通って生活保護を受給し始めれば、今よりも少し潤いが出てくるかもしれないのだ。もちろん、計画的に金を使うことに変わりはない。何せ自治体が定めた最低生活費だからだ。それ以上は一銭たりとも支給されないのだし、あくまで一般のサラリーマンの方たちなどが一週間ぐらいで稼いでしまう金を丸々一ヶ月で使うからである。

 昔、学生時代からずっと貧乏してきた。いろんな知恵を絞って、やってきたのである。今だからこそ言えるのだが、大学一年の十二月に福岡市内のボロアパートに住み始めてから、最初冷蔵庫もガス台も炊飯ジャーもなかった。自転車も持ってなかったのである。だから買い物は徒歩で行っていたのだし、あの頃は自炊してなかったから、ちょっと食費が高く付いた。

 今でこそ、もうお弁当やおかずなどを買うことはほとんどない。大学時代も自炊していれば、もうちょっと安く済んでいたと思う。だけどあの頃だって、今から十年以上前だったし、最初パソコンを買うまでは旧型のワープロを使って、レポートなどを書いたりしていた。

     *

 まあ、将来の生活に関しては何とかなるので、今の持ち家を管理しながらやっていこうと思っている。生活保護に切り替わっても、今の住居から引っ越すことはまずない。別にアパートやマンションなどを借りなくても済むのだし、そう言った物件でも家賃などは保護費から到底支払えないからである。 

 いろいろと悩むのが人間だ。そう思っている。実際、電話相談などをすることも多々ある。だが、ほとんどの悩み事が解決しているのでいいのだ。後はオヤジをどう処分するか、だが……。

 一応オヤジには数年以内に特養に入ってもらう。あんなろくでもない人間、家に住む権利などまるでない。当然だ。「やりたい放題やってきたんだから、責任取れ」とでも言いたい。ワンマンで人の言うことなどまるで聞かない。全く馬鹿げている。そんな人間のやる会社など、百害あって一利なしだ。ちなみに妹も追い出す。「二度と敷居をまたぐな」ときつく言ってやるつもりだ。確かにうちの家は地域で孤立するだろう。だが構わないのである。他人様からどう言われようが。実際、今でもうちの家自体、ほとんど宙に浮いたままなのだし……。

 対策はこれと言って何もない。単に邪魔者どもには出ていってもらうというだけで、それ以上のことは何も望んでないのである。ああ、オヤジのボロ会社の社員どもがまだやってるのかと言った程度で……。

 要はボクも今まで散々苦労してきたので、これから先、理不尽な人生を送りたくはない。自分らしく知恵を絞りに絞って、わずかな額のお金を使いながら生活していくということである。金銭面などで過大な要求など一切ない。単に最低給付で一向に構わないのだ。そう思っている。

 ひとまず一筆書き綴りましたが、またこれからもエッセーはたくさん発表していきたいと思っています。読者の皆様、どうぞよろしく!

 ではまた。

                            (了)


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