和音かな入力
皆さま、日ごろ日本語入力にはローマ字入力をお使いでしょうか。
もしそうでしたら、
かな1文字入力するのに、キーを2~3回続けて押さなければならないことに、
もどかしさをお感じになられたことはないでしょうか?
もしそうであれば、ぜひこの和音かな入力をお試しください。
和音かな入力は、キーを同時打鍵することで、直ちにかな文字を入力します。
ローマ字入力と比べ、かな文字を直接入力する感覚に優れています。
慣れれば、ローマ字を意識せずに、直接かな文字を入力しているような感覚が得られます。
指先でおしゃべりするように、楽しく日本語入力を行うことができます。
※和音かな入力は、5つのルールを覚えるだけで、使い始めることができます。
和音かな入力の学びやすさ
和音かな入力の仕組みはシンプルです。キーの同時打鍵です。
2つのキーを同時に打鍵し、1つのかな文字を入力します。
例えば、「か」と入力したい場合は、「K」と「A」キーを同時に打鍵します。
この同時打鍵するキーの組み合わせは、ローマ字が基本です。
そのため、日ごろローマ字入力をお使いの方にとっては、とても学習の負担が軽くなっています。
和音かな入力は学びはじめの入力速度の落ち込みが他の優れた日本語入力方式の配列を覚えるよりも小さく、そのため入力の学びはじめから実際の業務で練習を兼ねて使い始めることができます。
(入力速度の落ち込みが大きいと、最初から業務などで使用することは困難です)
また、ある程度ローマ字入力も併用できますので、
学びはじめのハードルがさらにに低くなっています。
※同時打鍵は、1本指の指で1キーを順に押す順次打鍵とは明らかに違う指の操作となります。
そのため、慣れるまではどうしてもたどたどしい入力となります。
学び始めの入力速度は、間違いなくローマ字入力時よりも低下します。
これは体で覚えることですので、時間をかけて慣れるしかありません。
しかし、個人差はありますが、使い始めて早い人なら2週間程度で、
同時打鍵のリズムを体で掴み始めることができると思います。
更に1〜2か月程度使用を続ければ、
ローマ字入力と同じ日常業務に問題なく使用できる水準まで、習熟できるはずです。そしてローマ字入力にはなかった、日本語を直接入力する感覚を得ることができるはずです。
和音かな入力の柱 「V」キーとの同時打鍵
ローマ字の中には、「き(K+I)」など、標準的な指の運び(以下、運指と表記)では同時打鍵できない組合せがあります。
さらに、「あ(A)」などは、最初から同時打鍵する組合せの文字がありません。
そこで和音かな入力では、「V」キーをそれらと組み合せることとしました。
和音かな入力の、次に紹介する5つのルールのうち、3つは「V」キーとの同時打鍵を利用したものです。
つまり、和音かな入門で覚えなければならない最低限の基本は、以下の3つに絞られます。
1.「V」キーとの同時打鍵
2. ホームポジション付近キーでの「ゃ、ゅ、ょ、っ」の入力
3.「ん」の入力
入門編 5つのルールを覚えたら、すぐにご利用になれます
- 1. 「あ」「い」「う」「え」「お」 は、「V」との同時打鍵で入力。
詳しい説明
ローマ字入力では、「あ」「い」「う」「え」「お」は1キーだけで入力できましたが、
和音かな入力では、「V」キーと組み合わせによる同時打鍵となります。
これが、特に学び初めのユーザにとっての、和音かな入力の最大のデメリットです。
しかし、この同時打鍵には、思ったよりもすぐに慣れてしまいます。
和音かな入力では、他のかな文字も全て同時打鍵となるため、
慣れるに従い、「あ」行も同時打鍵の方が自然な入力方法に感じられてくるためです。
- 2. 同時打鍵できないローマ字の組み合わせも、1.と同じく「V」との同時打鍵
で入力。
詳しい説明
標準的なタッチタイピングでローマ字を同時打鍵しようとした場合、
どうしても同時打鍵できないキーの組み合わせが存在します。
それは、一つの指で打鍵する範囲のキーを、同時に打鍵しなければならない場合です。
(上図の、赤の6つのかながそれに相当します)
これらの文字は、1.の「あ」行と同じく、「V」キーの組み合わせで入力します。
これは暗記するよりも、和音かな入力で『同時打鍵できない』とお感じになった時に、「V」キーとの同時打鍵をお試しください。
(もちろん上表の、従来どおりのローマ字の組み合わせでも、入力は可能です。「ぬ」、「む」、「ゆ」は、変則運指となりますが「U」を中指で同時打鍵すれば入力可能です。和音かな入力は、いままでのローマ入力の組み合せとも、可能な限り共存しています)
- 3. 「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」の入力
「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」は、キーボードホームポジション付近の、
隣り合ったキーの同時打鍵で入力します。
詳しい説明
使用頻度の高い「っ」に、指の負担が少ない良いホームポジションを割り当てています。これは慣れると非常に快適です。
また、「ゃ」「ゅ」「ょ」を左手側に集中させています。
この中で最も使用頻度の高い「ょ」を、真ん中のホームポジションに割り当てています。
なお、集中させることで頭では覚えやすくなりますが、
実際の入力については、体で慣れないと混乱しやすいというのも事実です。
そのため、「ゅ」は右手側でも入力できるように割り当てています。
- 4.「ヴ」の入力
「ヴ(ゔ)」は、「V+B」の同時打鍵で入力します。
詳しい説明
通常、ローマ字入力では「ヴ(ゔ)」は、「V+U」で入力します。
しかし、すでに和音かな入力ではこのキー組み合わせは、
1.で「う」に割り当て済みです。
そのため、「ヴ(ゔ)」の入力を、「V+B」の同時打鍵に割り当てました。
この組み合わせは、変則運指となります。
しかし使用頻度と覚えやすさを考慮して、この組み合わせとしました。
- 5.「ん」 の入力
「ん」は、「N+;」の同時打鍵で入力します。
また、「N+K」でも入力できます。
詳しい説明
「ん」は、ローマ字では「NN」で入力します。しかしこれは同じキーのため、絶対に同時打鍵はできません。
和音かな入力では、「V」と組み合わせ「N+V」で入力することが和音かなの基本ルールに沿った組み合わせとなりますが、
それは既に2.で「ぬ」に割り当てています。
したがって、「N」と、そのままホームポジションにおいた小指キーで同時打鍵できる「N+;」に割り当てました。
ただし、この組み合わせは、入力は楽ですが、小指が疲れやすいという欠点があります。
そのため、ホームポジションに置いた中指で打鍵できる
「N+K」も割り当てました。
「ん」の入力には、お好きな方をお使いください。
応用編
必須ではありませんが、さらに快適にご利用になりたい方に...
詳しい説明
キー配列左手側の「S」「D」「F」キーを、
上キーボード図の右手側にある紫のキーと同時打鍵した際の
母音キー「I」「U」「O」と見なします。
既に、左手側の母音キーとして存在している「A」と「E」と合わせると、
「A」「I」「U」「E」「O」セットの母音キーとなります。
例えば「ぽ」(P+O)や、「ぷ」(P+U)などは
ホームポジションから指が離れるために同時打鍵しづらいのですが、
この左手母音キーを使用すれば、「ぽ」は(P+F)、「ぷ」は(P+D)など、より入力がしやすい組合せが選択できます。
キー配列左手側の「J」キーを、
上キーボード図の左手側にある紫のキーと同時打鍵した際の
母音キー「A」と見なします。
既に、右手側の母音キーとして存在している「I」「U」「O」と合わせて、
「A」「I」「U」「O」セットの母音キーとなります。
(なお「E」キーは割り当てていません。)
かなの小書きは、基本はローマ字と同じく、「L」(もしくは「X」)との同時打鍵で入力します。
「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」は使用頻度が高いため、ホームポジション付近で同時打鍵できるよう割り当てました。
しかしそうすると、「ぃ」「ぅ」「ぉ」も使用頻度からいえば同時打鍵できた方が違和感が少ないため、割り当てています。
「K」キーと上段の数字キーを同時打鍵することで、括弧付き数字を入力できます。
「M」キーと上段の数字キーを同時打鍵することで、丸囲み数字を入力できます。
(「K」はカッコ[K)akko]、「M」はマル[M)aru]の略です。)
箇条書きの際に威力を発揮します。
また、「V」+「H」で、「様」が入力できます。
ビジネスメールなどで使用頻度が高いため、割り当てました。なお現時点では公にした漢字定義はこの一文字のみとなります。