【総合型選抜入試】実はぴったりかもしれない入試方式とその対策をご紹介

はじめに

2020年もすでに秋に突入し、これを読んでいるみなさんの中には「卒業後の進路」をまさに考えている人もいるのではないでしょうか。この記事で解説するのは募集人員が年々増加し、注目が集まっている「総合型選抜入試(旧AO入試)」です。大学・専門学校問わず、さまざまな入試方式がありますが、進学にチャレンジする高校奨学生のみなさんには自分自身に一番あった入試方式を選んで、納得のいく進路を掴み取ってほしいです。

総合型選抜入試を一言で表すと○○

これまでの入試は、学力試験で合否が決められていましたが、総合型選抜入試をひとことで表すと「大学と受験生とのマッチング」を重視した入試です。受験生の「学びたい」と、大学教員の「教えたい」という想いが一致するとめでたく合格となるというシステムです。

受験生の「志望理由」と、学校側の欲しい人物像が示されている「アドミッションポリシー」がどの程度マッチしているかを、「志望理由書」や「面接」「小論文」などを通して審査されます。

そんな総合型選抜入試でまず問われるのは、志望校が育成したい人材像になる素質を、あなたが持っているかどうかです。もちろん、あなたのやりたいことを伝えることも欠かせませんが、同時に、その進学先がどんな学校なのかを深く知る必要があります。何か優秀な実績を持っていれば合格するというわけではなく、大学の目的・欲しい人材を理解することが、総合型選抜入試受験への第一歩です。

一目でわかる一般入試との違い

合格基準

学力試験のみで合否を判断される一般入試とは異なり、総合型選抜入試では、受験生の全てが判断の対象です。具体的には学力はもちろん、その受験生のひととなり、部活動での活躍や課外活動などの机上以外の学習の実績、語学力(英検)などです。

入試時期

1〜2月に一斉に行われる一般入試と比べて、学校や学部によってはで8月から出願が始まるのが総合型選抜入試の特徴です。合格発表も早く、10月に結果が判明する入試も存在します。

試験科目

英語、数学などの科目別の学力試験が必要な一般入試に対して、総合型選抜入試は「志望理由書」や「面接」「小論文」などを用いて審査します。字数制限や面接官の人数は大学・学部によってさまざまで、一度「募集要項」をチェックしてみる必要があるでしょう。

受験の特徴

大量に暗記が必要な一般入試とは異なり、「なぜ私は志望校に進学したいのか」「将来はどんなことをしたいのか」といった自分の内面と向き合うことが必要になります。同時に、自分のテーマについて、関連する書籍を読みあさったり、専門家のお話を聞いたり、実際に自分で活動をしてみたりと探究をするため、得意分野を進めていくことになります。

特待生向けの奨学金制度など

大学によっては、学費免除となる特待生合格枠も存在します。詳細は後述します。

どんな準備が必要?

【合格のために必要な3つの要素】を準備しよう

の3つが挙げられると考えています。

1:原体験

2:スキル

3:基礎学力

必ずしも3つの要素を兼ね備えている必要はありませんが、これらの総合点で評価する入試が多いです。以下に、それぞれの要素について説明していきます。

1:原体験について

原体験とは、志望理由のテーマをどのようなきっかけで抱くようになったのかという観点です。例えば、いじめの当事者経験があったり、直接いじめの現場に遭遇したことのある受験生が「学校現場でのいじめを無くしたい」と志すのは、現場に全くいじめのことを知らない受験生と比べて強い動機や使命感があると言えるでしょう。

そして、原体験が強い受験生が伝える志望理由は、説得力が段違いです。しかし、こうした説明を聞くと「自分には強い原体験なんてないのではないか」と悩む受験生も多いのではないでしょうか。でも、大丈夫です。あなたの人生の中に必ずあります。これまで生きてきた中で、「これおかしいな」「不思議だな」もしくは「不合理なんじゃないか」と思ったことはありませんか?

例えば、「なんで日本はこんなに借金が多いんだろう」「なんでいじめはなくならないんだろう」「どうして格差はなくならないんだろう」といったことや「なんで学校の授業は面白くないんだろう」といった身近なことまで、全てが原体験につながります。疑問を持つだけでなくそれを社会の問題として捉えて、それをどう解決していくかを考えていくところまで取り組むことが重要です。「学問は驚きからはじまる」という言葉があります。日常や暮らしの中から不思議に思ったことから出発して、志望理由につなげていくことができます。

2:スキルについて

スキルとは、個人が持つ特技のことです。英語力や部活動の実績などが含まれます。これらは全て「あなたが過去に取り組んできたもの」としてどの総合型選抜入試でも評価されます。特にこれらは資格を取得することや、大会で実績を出すなどが評価対象となるので、早いうちから資格試験を受験しておく等の準備をする必要があるでしょう。

例えば英語力で言うと「英検2級」、難関大を狙うのであれば「英検準1級」以上の資格を持っていると、大きな強みとなります。

3:基礎学力/評定平均について

基礎学力とは、評定平均などを含む勉学への基礎力です。多くの総合型選抜で学力試験を実施していないからこそ、評定平均を重視する大学学部は多い傾向にあります。当然、評定平均は高いに越したことはないので、学校の定期試験や提出物など、日々の努力を怠らないことが重要となります。

学費免除になる特待生合格枠も

大学によっては、学費免除となる特待生合格枠も存在します。一般入試にも同じ制度はありますが、総合型選抜入試合格者専用の特待生合格枠を用意している大学もあります。一般入試に比べて受験者数の少ない総合型選抜入試だからこそ、特待生合格をつかむチャンスも多いことでしょう。詳しくは志望校の入試制度をチェックしてみてください。

大学無償化も有効活用しよう!

2020年4月に開始された「高等教育の修学支援新制度(通称:大学無償化)」があります。今年の春よりはじまった新しい制度で、4年制大学の他、短大や専門学校、高専(4・5年生)も支援の対象になっています。センパイたちの中には、大学無償化の制度に加え、あしながやその他の奨学金制度などを上手く利用し、学費の負担がほとんど無いという学生もたくさんいます。

大学無償化については思っている以上に負担が軽い!『大学無償化』とはをチェック

国公立大学でも拡充される総合型選抜

私立大学のみならず、国公立大学では全体の9割以上の大学が推薦型の入試を実施しています。近年は、東京大学や京都大学などの難関国立大学でも推薦型の入試が導入されるなど、広がりをみせています。

おわりに

以上が「総合型選抜入試(旧AO入試)」についての解説でした!進学にチャレンジする高校奨学生のみなさんには自分にとってベストな入試方式を選んで、納得のいく進路を掴み取りましょう!このほかにも、ひとりひとり準備が異なります。よければ先輩にも頼ってみてくださいね!

先輩に聞いてみる

総合型選抜のことを相談してみたい、もっと話を聞いてみたい、先輩に質問してみませんか?

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【体験談】なりたくないと思っていた“看護”の道に進むワケ

高校生のみなさん、こんにちは~!
私は福田葵といいます。高校1年生からあしながの奨学生なので、皆さんのセンパイですね!


今は地元・兵庫の看護の専門学校に通う2年生です。私は高校生の時からつどいに毎回参加しているんですが、今年コロナの影響で中止になったので、こうしてあしながBASEを通じて、私の経験を後輩である皆さんに伝えて役立ててもらえたらなと思います。


◇◆◇


 父、余命半年

私の家、理容院なんです。美容院じゃなくて、理容院。
おばあちゃんの代から続く昔ながらのお店で、父と母が後を継いでました。自営業で大変なこともあったと思うけど、父は、いつも家族を陰で支えてくれる大きな存在でした。

葵、幼少期に父と
1歳の自分と父。遺影として家族を見守ってくれている大事な写真

そんなお父さんが、自分が小6の時に、ガンで余命半年だと宣告されたんです。その時は「え……」と信じられなくて。

それから私たち家族の生活はがらりと変わりました。
兄も姉もちょうど大学受験があったり、私も勉強に加え、ずっと続けていたバスケの練習があったりしたんですけど、それでもほぼ毎日、家族それぞれが、時間を見つけてはお見舞いに行くようになりました。

実は、父の闘病に重なるようにして、祖母も心臓の手術のために入院することになったんですね。なので、母は、仕事しながら二つの病院に通い詰めてて。あの時、やれることは何でも精一杯やっているお母さんの姿は、傍で見ていて、本当に大変そうでした。

私も病院に通い詰めてたんですけど、その度に目にする父や祖母の、点滴とかたくさんの管に繋がれた痛々しい姿が、10代前半の自分の心に強烈に残りました。それが段々と病院への苦手意識に繋がって…。
誰かの苦しむ姿を見ることになるなら、看護師さんとか医療従事者には自分はなれないって思うようになりました。



 母の病気で見つけた自分の道

私が小学6年生の時に「余命半年」と宣告されて、それから2年後の、私が中学2年生の時に、父は逝きました。まだ、将来の夢もないし、高校をどうするか決まってもない私のことを心配していたと思います。

葵、バスケの試合
バスケに夢中だった私を父は応援しつつも心配していたかも

その後、無事に高校へ進学はしたんですけど、今度は、母にガンが見つかりました。それから、また、苦い思い出のある病院に通う日々がはじまりました。でも、少しずつ、自分の気持ちに変化が出てきました。

それは、高校卒業後の進路を真剣に考えるようになった時、自然と「看護師」という選択肢が自分の中に湧き上がってきたんです。

確かに、患者家族として苦しい思いをたくさんしてきたんですけど、そんな時にサポートしてくれたのが看護師さんで。優しいだけじゃなく、豊富な医療知識で祖母、父そして母を支えてくれた看護師さんたちの存在は、本当に心強かったです。そんな姿をずっと間近で見てきたからか、次第に看護師という職業を自分の将来像として考えるようになりました。



 専門学校を選んだワケ

専門学校を選んだのは、「早く自立したかった。」この一言に尽きます。

学費のことや進路先について、家族から反対されたことは一度もないんですけど…。ただ、母との日常の何気ない会話から、家計が苦しいことは分かってたので、早く自分でお金を稼ぎたいと思うようになりました。高校生の頃から色んな奨学金を利用していたので、その分、将来返済する金額も多いから、早く自活しなきゃって。

でも、高校が文系の進学クラスだったので、高校卒業後にすぐ就職するのではなく、どこかに進学してから就職しようと考えていました。なので、看護師を意識してからは、地元で、看護を学べる大学と専門学校に絞り、それから、大学より短い3年間で学べる専門学校の方に進むことを決めました。それが高校3年生の夏頃だったと思います。

とにかく「早く手に職をつけて、早く自活できるようになりたい」その一心でした。



「向いてない」と思うことも

今、専門学校の2年生になったんですけど、正直なところ、「向いてないな」と思うことばかりです。

まず、私、本当に勉強が苦手なんです。家族からも進学するって話したときに、「受験勉強、大丈夫か」って学力の心配されたくらいで…。

高校の時とは違い、今の授業では医療の専門的な勉強をしているので、余計に難しく感じて、なかなかモチベーションがあがらないです。更に、来年からは、いよいよ国家試験の勉強が本格的に始まります。こうした座学の他にも、病院や学内実習もあって、実際の患者さんを相手に学んだことを実演していくんですけど、それも大変なことばかりです。

だから、学力的にも、自分の性格的にも、看護師としててきぱきと仕事をする姿なんて想像できないんです。かつての自分を支えてくれた看護師さんたちのようにはなれない、自分には向いてないって。

でも、一度なると決めたんだから、途中で投げ出したりは絶対にしたくない!
中途半端な知識の看護師にはなりたくない!そう心に決めて、ふんばってます。

葵、白衣姿にて
実習用の白衣をきて

でも、まあ、苦手なものは苦手なので、週末に友だちと外出したり、好きな映画を見るという楽しみを自分で見つけて、休む時はしっかり休んで勉強を頑張る。そんな風にメリハリをつけながら、今なんとか勉強を頑張っています。



 これからのこと

まだ、自分の中でどんな専門分野を持つ看護師になりたいか、とか働きたい病院のイメージがついていないんですが、一つだけ言えることは、

確固たる知識を持った信頼のおける看護師になりたい

ということです。

自分の決めた道、これからどうなるか分かりませんが、将来が定まっていなかった中学2年生の自分より、少しずつ成長してきているので、亡くなった父に心配をかけないよう、自分なりに努力してこれからを歩んでいきたいと思います。



 後輩のあなたへ

私みたいに勉強が苦手な人ってたくさんいると思んですけど、「○○になりたい」とかやりたいことがあるんだったら、あとはもうとにかく勉強するしかないですよね。

色んな勉強方法を試して、自分に合うものを見つけるしかないと思います。私は勉強方法を試しているその過程もいい勉強になったので、ぜひ諦めずにトライしてみてください。

あと、今の私自身がやっていることなんですが、オンライン授業を受けている人は、その授業の教科書だけじゃなく、関連する教科書とかノートを合わせて読みながら授業を聞くと、知識がリンクして理解しやすいと思います。あとはネットで分からないところを調べながらとかだと、小さな「?」というつまづきがすぐに解消できます。


そして、挑戦する気持ちを大切にしてください。

高校生の時の私にとって、つどいこそが未知の挑戦や刺激に満ちた場所でした。大学生のお兄さん、お姉さんの存在や同年代の高校生と将来について話すことは、普段の生活では体験できない時間で、本当に刺激的な経験でした。

皆さんは今、何かに挑戦していますか。

進路を考える時に、自分のこれまでの経験値だけで考えるのではなく、ぜひ、周囲に相談したり、興味のあることにトライしたりと、刺激を自ら積極的に受けつつ、自分の未来を決めていってほしいと思います。


今の私にとっての挑戦は、看護師になるということ。


叶えてみせます。



◆◇◆

アオイ先輩に質問してみたい!という方は「先輩に聞いてみる」からどうぞ



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【情報】思っている以上に負担が軽い!『大学無償化』とは

就職か進学か。高校卒業後どちらに進むか考える時に、「進学はお金がかかる」と悩んだことはありませんか?

もちろん全くの0円で済むことはそうそうありませんが、それでも皆さんが思い込んでいる以上に、今や進学に金銭的負担がさほどかからないようになっています。


それが「高等教育の修学支援新制度(通称:大学無償化)」です。


今年の春よりはじまった新しい制度で、4年制大学の他、短大や専門学校、高専(4・5年生)も支援の対象になっています。センパイたちの中には、大学無償化の制度に加え、あしながやその他の奨学金制度などを上手く利用し、学費の負担がほとんど無いという学生もたくさんいます。

「制度の存在は知ってるけど、よく分からない」という、そこのアナタ!

少しでもその漠然としたモヤモヤを解決し、進学を視野に入れてみませんか?
これから進路を考える高校1・2年生や進路決定の時期にいる高校3年生、そして保護者の方、みなさん全員必読です!


◇◆◇

高等教育修学支援新制度ってなに?

この制度は入学金・授業料減額/免除給付型奨学金の2つを提供しています。

誰が、どれくらいもらえるのか、どこに申し込んだらいいのかなど、詳しく見ていきましょう!


支援対象ってだれ?

この制度の支援対象は、主に次の3つにあてはまる人となります。


①住民税非課税世帯もしくはそれに準ずる世帯
②対象の大学・短大・専門・高専(4・5年生)に進学する

③進学先での学習意欲を持っている


①住民税非課税世帯って?

一律で○○円以下の所得だと住民税非課税世帯になるわけではありません。その世帯の所得金額に応じて住民税が非課税(払わなくていい)となる世帯のことです。自分の家が当てはまるかどうか、保護者の方に確認してみてください。

※生活保護を受けている場合/障がい者、未成年者、寡婦(夫)で、前年中の合計所得が125万円以下の場合(給与取得者204万4千円以下の場合)/前年中の合計所得金額が各自治体の定める額以下の場合が住民税非課税世帯とされます


②対象にならない学校もあるの?

あります。ほとんどの学校が対象内ですが、一部の学校は支援対象から外れていることがありますので、進学先の学校が対象かどうか必ず確認してみてください。

検索サイト:文部科学省「支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧」


支援金額はいくら?

授業料減免額と奨学金の給付額は、人によって異なります。金額が決まるポイントは大きく3つ!


●世帯の所得がいくらか
●進学先の種類(大学・短大・専門・高専か、国公立か私立か)
●通学が自宅もしくは自宅外(ひとり暮らしなど)からか


進学資金シュミレーター(日本学生支援機構)を使えば、あなたの場合の支援額がいくらになるのか5分程度でわかります!


センパイたちのモデルケース紹介

今春から早速、この制度を活用している大奨生の声を集めました!

大奨生モデル①
大奨生モデル②
大奨生モデル④
大奨生モデル⑤
大奨生モデル⑥

※モデルケース内の授業料は全て半期の金額です
※金額等支援の内容は人によって異なりますので、あくまでも参考程度にご覧ください


申込はどうやって?

給付型奨学金

給付型奨学金は進学する前の年の4月頃から、在学校を通じて申し込みます(予約採用)。学校によって申請期間が異なりますので、担任の先生や奨学金担当の先生に確認しましょう。

進学後に在学採用という形で申請することもできます。ただ、在学採用の場合は、7月頃にならないと支給額が振り込まれませんので、ご注意ください。(4月分からさかのぼって支給はされます。)



授業料等減免

授業料等減免は、入学してから進学先の学校で申し込みをします。学校の掲示板や学生支援課のような窓口、奨学金説明会などをチェックしましょう。

なお、入学金の免除または減額は入学後に申請するものですので、一旦納付し、申請後に相当額が返金されることになります。


さあ、あなたもやってみよう!

高等教育修学支援新制度について、少しわかりましたか?それでは下のリストを元に、早速行動してみましょう!


 ◇◆◇

いかがですか。「進学には莫大なお金がかかる」という、もやっとしたイメージが、少しだけでも現実的に考えられましたか。

何かサポートを受けるには、家庭環境や収入など、これまで他人に教えたこともないようなことを書く必要があり、正直あまり気乗りしないですよね。また、手続きが複雑で、「もういいや」と申請を諦めてしまうこともあるかもしれません。

こうした制度を利用するかどうかは、皆さん次第ですが、進学をすることで、長い人生の生涯年収に差が出てくることも考慮しつつ、高校卒業後の進路を考えてもらえたらと思います。(関連ページ:進学について


参考リンク

文部科学省特設ページ「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」
高校生対象:https://www.mext.go.jp/kyufu/student/koukou.html
大学生対象:https://www.mext.go.jp/kyufu/student/daigaku.html

※この制度に関する質問はあしながBASEではお答えしかねます。詳しくは学校の先生や奨学金相談センター等にご相談ください。



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【報告】9/25 「留学制度~高校トビタテ × JICAインターン 短期編~」

9月の海外特集最後を飾るのは「留学制度は、「あしなが・短期」だけじゃない! ~高校トビタテ × JICAインターン 短期編~」です!あしなが育英会の海外研修制度以外を利用し、海外留学やインターンを経験した、バイタリティ溢れる奨学生2人をご紹介します。


◇◇◇

高校トビタテ生〈かりん〉の場合

かりん(大坂出身)はあしながの高奨生を経て、今年大学1年生になったばかり。実は彼女、高校3年生の時に、文科省主催の「トビタテ!留学JAPANの高校生コースを利用し、単独、フィリピンに渡った経験があります。

きっかけは、中学3年生の時に訪れたフィリピンでのごみ山問題。この問題は、かつて「スモーキーマウンテン」という言葉で、日本でも問題視されていましたね。

彼女は、そのごみ山の傍らで暮らす同年代の子どもたちの進学率や中退率がどれほどなのかもっと知りたい!と思い、大学受験を終えた高校3年の冬にフィリピンへと向かいました。

トビタテ留学の様子
「勉強はしたいけど金銭的に厳しい状況は自分たちと似ていた」と話すかりん

現地では、ボランティア活動の他、16歳~19歳の若者を対象にした就学状況を調査する活動を行ってきました。そこで見えてきた実情は、家族を養うために進学をあきらめたり、性教育が充分でない環境での妊娠・出産による中退、宗教的な問題など、日本とはまた異なる理由で勉強を諦めている若者の現状でした。

動画ではさらに具体的な活動内容や、渡航にかかった費用、活動を通して感じた率直な意見が話されています。

トビタテ!留学JAPANは、行きたい国や活動場所、期間、活動内容を自分自身で計画するため、大変な部分もありますが、その分、自分の力で自身の世界を広げる充実感があるようですね。気になる人は、動画に加え、「トビタテ!留学JAPAN 高校生」で検索してみてください!


◇◇◇


JICAインターン〈ソフィー〉の場合

ソフィー(京都出身・大学4年生)はアフリカ・タンザニアにてJICAインターンを5か月経験してきました。

彼女がアフリカに興味をもったきっかけは、同じく大奨生だった姉が、あしなが育英会の長期研修でウガンダに行ったから。身近な存在が遠いアフリカの地で成長してきた姿を見て、全く興味のない、むしろネガティブなイメージのあるアフリカに次第に興味がわいてきたんだそうです。

大学入学後、あしなが育英会を通じてJICA*のインターンシップに応募し、見事タンザニアでの5か月のインターンシップを勝ち取ります。現地では、青年海外協力隊の受け入れ業務や、現地企業でのインターン、稲作普及のプロジェクト視察など精力的に活動してきました。

*JICA…独立行政法人国際協力機構。開発途上国への国際協力を行う機関で、技術や資金提供を通して約150か国に協力している。取り組みの一つ、青年海外協力隊が有名。


タンザニアの干し芋をつくる会社にて
干し芋企業では、同僚は全員タンザニアの人々

様々な業務を通じて、海外を舞台に活躍する人材として必要とされるスキルの他、アフリカにボランティアといった「支援」という形だけではなく、「ビジネス」として関わる可能性もあると知れたことは大きな学びになったとのことです。

動画の締めくくりに、ソフィーが高校生の皆さんに向けた力強いメッセージの一つが、「自分の心に正直に生きよう」


彼女自身、母子家庭で育ち金銭的に厳しい経験もしています。そんな中でも、自分の人生は一度きりで後悔したくない、と考えるようになったことで、今回のインターンにもチャレンジすることができたそうです。

やりたいことを叶える上でのコツも、具体的に紹介してありますので、気になる方はぜひソフィー先輩の動画をチェックしてみてください!


◆◆◆


先週よりお送りしている約15分ほどの動画、お楽しみいただけましたか?まだ17日公開のアフリカ奨学生の回、観てない!という方は、通学や勉強の合間にぜひご覧ください!



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【募集】10/17特別イベント参加者募集中!

10月17日イベント告知チラシ

【金銭教育プログラム「Money Connection」】

日時:10月17日(土)13時~15時(予定)

媒体:zoom

人数:高奨生10名限定

主な内容:
“お金と仕事”について考える「稼ぐ」編


運営:認定特定非営利活動法人育て上げネット 様
協賛:株式会社新生銀行 様

参加申込:9月30日(水)締切


     


◆◇◆


自分の“金銭感覚”わかりますか?

「お金は大事」ってことはわかるけど、自分の「金銭感覚」って知ってますか?


これから先の長い人生において、進学や就職、結婚や子育て、介護や老後の暮らし等、何かしらのライフイベントが発生してきます。何よりも高奨生の皆さんには、高校卒業後の進路選択は、奨学金の返済にも関わる重要な問題。


今回のプログラムは、若者の就労支援を行っている育て上げネット様より講師をお迎えして、「生きていくために必要なお金のこと」を知り、様々な状況をシミュレーションしながら将来の生活をイメージするワークショップです!


進学あるいは就職。どちらの道を歩むにしろ、自分のお金に関する価値観を、あしながBASEと一緒に考えてみませんか!


【zoomの利用方法】

zoomでの参加方法は過去の「【情報】zoomの使い方」記事を参考にしてみてください!



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【報告】9/18「YOUは日本でなにしてる?~あしなが留学生の話~」

出演:留学生3名

コンゴ民主共和国出身🇨🇩ペテモヤくん

ナイジェリア連邦共和国🇳🇬チゲメズさん

ルワンダ共和国出身🇷🇼サムくん

これまで毎週金曜にライブ配信でオンラインイベントを開催してきましたが、今週と来週は動画投稿になります。

あしなが育英会は国内の遺児支援に加え、サブサハラ以内アフリカ49か国出身の若者の大学進学も支援しています(アフリカ遺児高等教育支援100年構想)!

これまでアフリカ諸国から世界各地の大学に進学した数は約180人!その中でも日本の大学等に進学した学生はこれまでに約80人で、すでに大学を卒業し、就職をしている人もいます。今回は、現在日本の大学で勉強している海外奨学生3名に、アフリカ100年構想についてや、日本にきた理由、今どんなことを勉強しているのか、将来はどうするかなどを聞いてみました!

アフリカ大陸の中心に位置し、人口8,000万人以上を誇るコンゴ民主共和国。その首都キンシャサで生まれ、ルワンダとの国境沿いの地方キブでペテモヤさんは育ちました。

彼の課題意識は、都市と地方の発展の差だと言います。

「首都にいる人は普通に生活でき、人生(を豊かに送るきっかけをつかむこと)が簡単です」「首都キンシャサには国際的な(ヒト・モノ・カネ)が集まるが、交通網が整備されていないので、、それが地方まで届いていかない」

実際に、外務省の報告書においてもサブサハラアフリカ49か国の中でも都市と地方格差が大きいことが指摘されています。

日本では都市環境工学を専攻し、母国だけでなく、広く途上国の交通網整備に関わるのがペテモヤさんの夢。

「まだ発展していない国の交通網整備に関わりたい」

母国のみならず、交通網が発達していないすべての途上国に貢献したいと語り、インタビューを締め括ってくれました。

2017年にあしなが育英会と出会って、翌年に来日し、2年間の語学学校で日本語を学び大学へ進学したチゲメズさん。大学では心理学を学び、将来は教育を通して心に病を抱える子ども達に貢献したいと志しています。

「現在のナイジェリアではメンタルヘルスはあまり重視されていません。また、メンタル的な問題に直面している人は社会から切り捨てられている状態です。」

そもそもアフリカの国々では、心の病気が一般大衆に認識されていなかったり小児神経科医、児童精神科医などが絶対的に不足しているとの報告もあります。加えて、研究も進んでいないため、データが不足しており、行政機関が問題を認知できないなど、メンタルヘルスを取り巻く環境はこれから整備をしていく必要があると言えます。

これからのキャリアとしてチゲメズさんは、学校のカウンセラーもしくは児童心理学者を目指したいと話してくれました。

「最終的には心理的な問題で教育を受けられない子ども達のための学校を作りたいです。」心理的なケアが必要な子たち達を理解できる世の中にして、平等に活躍できる社会を築きたいと語ってくれました。

医学部で医療生体工学を学ぶサムくんは「夢は医療研究センターを設立することです」と語ります。幼いころから、アフリカで病気や健康問題に取り組み、命を救うことができるひとになりたいと志していました。医学の道を志したときに、高度な医療技術を学ぶためには欧米やアジアの先進国など、ルワンダ国外ヘ行かざるを得ないところに疑問を抱いたところがすべての出発点でした。生まれ育った街には高度な医療研究が可能な機関がないことが問題だと指摘しています。アフリカ大陸で抱える医療・健康問題はアフリカの人がアフリカで研究し、治療法を確立できるような環境が必要だと熱弁してくれました。

加えて、医療研究のみならず医療機器も欧米やアジアからの輸入に頼っているのが現状です。

「アフリカで開発できるような環境構築をしたい。」

世界人口の約15%がアフリカ大陸に暮らしているにもかかわらず、アフリカ内で生産できる医療機器や医療用品は「全体の2%しか製造できません」とアフリカ社会の問題も語ってくれました。だからこそ、アフリカならではの事情に寄り添った医療研究と医療機器開発ができる医療研究センターを設立することが夢なのです。

いかがでしたでしょうか。

アフリカからはるばる日本に留学をしにやってきた同世代の仲間たちは高い志と、母国への貢献を夢見て学業に励んでいることがわかりました。

みなさんはどのような夢を持っていますか?すでにみつかっている人もそうでない人も、これを機に改めて考える機会を作ってみてはいかがでしょうか。

アフリカ遺児高等教育支援100年構想もぜひチェックしてみてください。

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【締切間近】「トビタテ!留学JAPAN」せかい部がレポーターを募集

「留学したいけどコロナ禍で行けない」、「なにか活動をしてみたいけどきっかけがない」そんな悩める高校生のみなさんにおすすめな活動の募集がはじまりました。その名も#せかい部×SDGs探究です。

せかい部が高校生レポーターを100名募集

高校生にも身近な5つの社会課題からメインテーマを選び、レポーターに応募。 選出された高校生レポーターは、各課題の専門家とオンラインで出会い、グローバルな視点でそれぞれの課題を探究します。各テーマに用意したプログラムは5つほど。それぞれの課題を管轄する中央省庁や国立研究機関などの職員、国連や大使館の職員、大学教授、NPOや企業の第一線で社会課題の解決に現現場で挑戦するナビゲーターたちから、ここでしか聞けない話を聞いたり、施設を案内していただくなど、みんなの「知りたい」を応援するアクティブなプログラムを経験できます。

プログラムに参加した後には、学んだことや感じたことを自分のSNSやトビタテ公式SNSから「#せかい部sdgs」のハッシュタグをつけて発信・レポートします。全国100名の高校生、5人の先生が、共に学びを通じた交流をします。

高校生レポーター100名には、各テーマ1名、計5名がベストレポーターとして表彰を受けるチャンスも!各種メディアや人気インフルエンサーとコラボしたさらに世界に発信する機会を設ける予定もあります。

#せかい部×SDGs探究公式ページより
https://tobitate.mext.go.jp/sekaibu-SDGs/

せかい部とは

海外に興味のある高校生による、SNSやイベントを通じて交流するソーシャル部活動。公式SNS(Twitter・Instagram)をフォローすることだけが部員の条件です。文部科学省の留学応援プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」が運営しています。

SDGsとは

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

ベストレポーターにはスペシャルな舞台が!

SNS合計フォロワー400万人越えと若者に絶大な人気を誇り、自身も米国留学し国内外で活躍中のクリエイターのkemioさんに、1月下旬開催予定のオンラインイベントで探究で学んだことを話せるチャンスをプレゼント!

締め切りは9月28日までです。ぜひチャレンジしてみてくださいね♪

詳細はこちらから

#せかい部×SDGs探究公式ページ

https://tobitate.mext.go.jp/sekaibu-SDGs/

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【報告】9/11 Youtubeライブ終了!

9月11日配信風景

ご視聴ありがとうございました!


9月4日20時~21時、あしながBASEオンラインイベント第10回目は「海外研修の気になるあれこれを、先輩が教えちゃいます!!~ウガンダ × トルコ × ベトナム~」をお送りしました!


海外研修とは、あしなが育英会が大奨生を対象に提供している、世界10か国18か所での約1年間の研修制度のことです。研修内容は各地によって異なり、自由研修もあれば、現地の企業やNPOでのインターン、野球などスポーツ指導、日本語指導補助などバラエティに富んでいます。

※今年度はコロナウィルスの影響により海外研修を中止しています。来年度以降は、渡航レベル等を考慮した上で開催判断を行います。



前回に引き続き、今回もあしなが海外研修を経て、一回りも二回りも成長したセンパイたちをご紹介!


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「それって日本で出来ないの?」

みきてぃ(青森出身)は教育について勉強中の現在大学4年生。去年一年間、大学を休学し東アフリカのウガンダ共和国で研修を行ってきました。


現地では、学校訪問や、障害児施設、養護施設といったNGO訪問など、教育・ケアについて理解を深めるべく、精力的に活動していました。

ウガンダ研修生寺子屋にて
あしながウガンダが運営する寺子屋の子どもたち(小学校1年生)と折り紙の授業にて

また、その合間に現地の子どもたちの家7軒でホームステイを行ったりと、常にウガンダの子どもたちに関わる濃い日々を送っていたそうです。

ウガンダ研修生ホームステイ先にて
水汲み、料理の家事からダンスなど楽しい日々を送ったホームステイ

研修中は「ここウガンダで私は何ができるのか」と自問自答する日々も多くあったようですが、「ここでとまっちゃいけない」と悩みながらも、今の自分にできることを、手探りながらも挑戦してきたそうです。


配信の中で、「他の人には、それって日本で出来ないの?海超えなきゃいけないの?と言われることもあるけど、私はウガンダというフィールドだからこその挑戦をすることができた。文化やニーズの違いの壁にぶつかって、そのたびに自分に出来ることを考えた、この挑戦こそ何にも代えがたい経験だと思う」と力強く話してくれました。


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「新しい出会い、見たこともない景色」

イヴェス(三重出身・大学3年生)は、去年一年間、親日国としても有名なトルコ共和国で研修を送っていました。

トルコ研修生配信スライド

研修先である現地の大学で授業を受けながら、長期休み等を利用し、トルコ国内を旅していたイヴェス。旅の途中、新しい出会いを通して新しい経験をし、これまでにはない勇気を自分の中ではぐくむことが出来たと話してくれました。



配信の中で、トルコであったちょっと怖くて笑えるエピソードも披露していますので、気になる方は動画をチェックしてみてください!


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「異国の人に日本語を教える大変さ」

でぐ(神奈川出身・大学3年)は、ベトナム研修生として、現地の日本語学校で授業補助を去年行ってきました。


毎日9時~17時30分まで日本語学校で先生のサポートや、実際に授業を持つ経験を積んだおかげで、配信中も、とても丁寧で聞き取りやすい日本語で話していた姿が印象的だったでぐ。

ベトナム研修新年
お正月にベトナム人の生徒と書初め(写真前列右から3番目)

授業中、あえて日本語で日本語を指導する方法をとられていたため、ジェスチャーや分かりやすい例えを用いるなど工夫が大変だったそうです。

ベトナム研修運動会
学校の運動会にて

研修は日本語を教えながらも、プライベートではベトナム語を習得したいと、現地の人の言葉の音をまねたり、口の動きをまねたりと精力的に生活していました。ちなみに、今も趣味はベトナム語の勉強とのこと(^^)


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ウガンダ・トルコ・ベトナム。それぞれの国で、現地の言葉を駆使して、その土地に暮らす人々の生活に根差した研修生活を送った三人。


言語習得のコツとして、「まずは真似してみる」ことだと三人共話してくれました。日本語や英語と違い、耳馴染みもなければ、文字そのものが目新しい文字のため、まずは音や口の動きを真似ることが、習得への道に繋がってるということでした。


この他にも配信の中では、ウガンダの運動会でのちょっと笑えるエピソードやトルコ語・ウガンダ語・ベトナム語での「ありがとう」等、経験者ならではの話が聞くことができます!


今回の≪おうちで世界旅行≫、お楽しみいただけたでしょうか?


今週18日からは、ライブ配信ではなく動画投稿に切り替わります。これまで生配信中に、コメントや質問等お寄せいただき、ありがとうございました!


今後も投稿動画に関するコメントや、センパイへの質問はじゃんじゃん受け付けておりますので、ぜひ、みなさんの進路選択にあしながBASEを活用してくださいね!



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