ギャル化ラー
俺の名前は小林遼。とある地方都市の高校に通う17歳だ。
最近俺の市では何故かギャルが急増しているらしい。駅前の繁華街などを歩くと、明るい髪で派手な格好をしたギャル達がちょっと異様なほど多く闊歩している。また同時に、ちょっと不審な話が広まっている。最近ギャル化する女の子たちは、本当に突然変わるらしい。朝家を出るときには普通だったのに、帰ってくるときには髪色も服装もメイクも、考え方まですっかり変わってしまっているとか。
また、もうひとつ、ささやかれている噂がある。繁華街に遊びに行ったまま帰ってこない、失踪してしまう男が最近何人もでているとか。これもあくまでも「うわさ」だが。
とはいってもやっぱり俺もまだ17の高校生だし、繁華街に遊びには行きたい。というわけで繁華街をぶらぶら歩いていたのだが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんだあれは?少し人気の少ない裏通りを歩いていたとき、女子高生5人の集団を見かけた。最近よく見かけるギャルっぽい女子高生4人と、普通の、いや、まじめそうな、というか悪く言うと地味で暗そうな女子高生がひとり。妙な取り合わせだな。もしかして、カツアゲとか?5人は、裏通りからさらに2本ほどなかのまったく人気のない道にある古びた店に入っていく。ちょうどドアが少し開いたままだったので、気になった俺は中をのぞいてみた。
中は美容室のようなつくりになっていて、鏡と椅子が並んでいる。地味な方の女子高生は、その中のひとつに座っていた。
「わたし、自分がこんな暗い性格なのが本当にいやで。そのカラーをすれば、本当に私も明るいギャルになれるんですね?」
「うん、だいじょーぶ。あたしも前はあんたみたいだったけど、いまではこのとおりだよん。」
茶髪、ミニスカ、濃いメイクの女の子が答える。
「色は、あんたとってもまじめそうだからブロンドでギンギンに染めてあげるー。ブロンドだとどんな娘でも一発で、生粋のギャルっこになるよ。」
まじめっこのセミロングの黒髪に薬剤が塗られる。普通のヘアカラーと違って、甘ったるい濃い香りがする。
「あとはまつだけ。だんだん染料が髪と頭に染み込んでいくんだよ。」
・・・・・・
「だんだんそまってきたね。どう?気持ちいいでしょ?」
「な、なんか頭の中がとろけてるみたーい。なんか、今までこだわってきたいろんなことがどうでも良くなってきちゃった。」
「うん、順調。頭の中も髪の毛もね。」
・・・・・・
「さあ、もういいかな。液を流すよー。」
染色剤が流され、メイクが施され、着替えも行われる。
さっきまで地味な感じだった女子高生は、金髪のギャルになってしまう。表情もさっきまでと違ってどこかギラギラとした感じを受ける。
「どう、気分は。」
「さいこー!まじなんであたしあんなまじめな生活してたんだろ?遊べるときはあそんだほうがいいに決まってるじゃん。ねえねえ、どっか遊びいこー?彼氏もつくりたいしー。」
「うん。もう100%完璧にギャルになったね。一度染めたら二度と前の性格には戻らないから安心して。」
マジかよ。ギャルが増えてる原因てまさかあの毛染め?あれじゃまるで洗脳だ。なんなんだよあれ。ってか、あんなことしちゃっていいわけ?うわ、やばいところを見ちまったー・・・。
すると、突然後ろから声がした。
「なにやってんの。アンタ?」
振り返るとプラチナブロンドの髪をした女の子。
「見たね?」
しまった。見つかった!後ろにも幾人ものギャル系女子高生が。こいつら中のやつらの仲間か!?囲まれてる!
「いや、ちっちが、これは。」
「あんたも仲間になりたいんだ?いいよ?男だってギャルにできるんだから。」
「べ、別にいいです俺。」
「あんたに拒否権はないよ。秘密を知ったものは、みんなあたしたちの仲間になる。かわいくしてあげるよ?」
数人に両腕をつかまれる。すごい力だ。離せない。店の中に引っ張り込まれる。
「や、やめろよ!なんなんだお前らは!!こんなのはんざいじゃ・・・う・・・」
「はいはーい☆動かない動かない。」
俺の腕に一本の注射が突き立てられた。少しずつなかの透明な液が注入されてく・・・
「え・・・うそ・・・ち、力が・・・力が抜けていく・・・・・・・」
俺はその場に座り込んでしまった。いくらもがこうとしても力がはいらない。
「この薬はあんたから男の部分を全部とってくれるんだよ。」
言い返そうとしたが、めまいを感じて前のめりに倒れこむ。
う、動けない。それに体が、すごく熱い。い、意識がとおの・・・く・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「う、うーん。」
俺は目を覚ました。まだ体がしびれている感じがして、指1本動かせない。どうやら俺は椅子に座らされているようだ。そして目の前を見ると、俺と向かい合って座っている黒髪の女の子が1人・・・
なにやってんだ?この子。
そう思っていると向こうも怪訝な顔をする。
ん?なに?俺がどうかしたの?
対面の女の子は相変わらず怪訝な表情を崩さない。
でも、そういえばこの子、どっかで見たことあるような・・・
誰かに似てないか?なんか身近なやつにとてもよく似ている気がするんだが。
パタパタと足音がしてさっきの女子高生の集団が現れる。どうやら店の奥にいたらしい。
「あ、起きたんだー。おはー。」
俺に注射をしやがったプラチナブロンドの女が声をかけてくる。
「あ、お前!!どうしてくれんだよ。体が動かねえじゃねえか!って、あれ!?」
あれ、声が、なんか変。
「あーー、あーーー。」
発声してみるが・・・・なんか、声が、変・・・・
いつもよりかなり高い感じがする。
「あれ・・・・・どうしたんだ?ノド。」
「んー?なに。あんたまだ気がついてないの?あんた、もう女の子になったんだよー?」
「え・・・・・女・・・・の子?」
「ほら。アンタの目の前の鏡。そこに映ってるのはじゃあいったい誰なのよ?」
あわてて前を向く。
え?これ・・・鏡?・・・・・ってことは。
「ええええええええええ!!これ、俺ぇっ!!」
今まで対面に座っていると思ってた女の子が・・・・・俺!?
ためしに口を開けたり、変顔をしたりしてみるが、残念なことに鏡の中の少女もまったく同じ動きをしているようだ。
「え、おい!!マジかよ!!どーしてくれんだよ!!お前、こんなことしていいと思ってんのか!?元に戻せ!!」
「あ?うるせえよ。あたしらの秘密を知ったら仲間になってもらうっつったろ?」
プラチナブロンドの女は不機嫌な表情を浮かべる。
「ねえ、詩織ー。こいつキャンキャンうるさいから早いとこやっちゃお?」
後ろのほうにいた一人が声を発する。
「そーだねー。カラーすればすぐおとなしくなるもんね。」
プラチナブロンドの女が答える。どうやら詩織という名前らしい。
さっきの子がやられていたような甘ったるい香りのする液体が用意される。それを刷毛にたっぷりとつけ、俺の頭に塗ろうとする。
「や、やめろ!やめろってば!!」
唯一動く首から上をぶんぶん振って必死に抵抗するが、取り押さえられる。
「こら!動くんじゃないよ!はやく塗っちゃって!!」
「くそ!!」
詩織の持った刷毛が近づいてきて、
とうとう俺の髪に・・・・・・触れた。
「ふ、ふあああぁぁぁ。」
その瞬間、背筋を駆け上るような強烈な快感が襲った。快感で頭がクラクラする。
ぺた、ぺたとどんどん塗られていく。そのたびに快感が頭を襲い、頭がだんだんボーっとしてくる。
「うあ、うあう。やあっ、ん。」
だらしなく声を上げてしまっているがもうそんなこと気にしている余裕がない。どんどんと思考が鈍ってきて、俺の頭の中はピンク色の生ぬるい霧に覆われているかのように、かすんで、トロトロととろけてきていた。
「うわー。この子気持ちよさそー。あえぎ声なんかあげちゃって。」
「元男だった子の方が快感が強いらしいよ。見てよ。この子の呆けた顔。さっきまでの威勢はどこにいっちゃったのかなー?あはは。」
「さあ、終わった。じゃあまたしばらく待ってようね。」
遼の髪はすべて薬剤が塗られている。
あ、あたまーー。きもちいいーーー。きもちよすぎて、なにも考えられないるれ。るれ?ふあああああー。きもちー。とろけりゅーーー。
薬剤がどんどん髪から頭皮に染み込んでいき、それにあわせるように髪の色がだんだん明るく変化していく。
あ、あたまの中になんか入ってくるーー。なんか声がはいってくるよぅ。え?俺はおんなの子ーー?ちが、俺はおとこで・・・おとこで・・・・・・・・・・・ふぁ。もうどーでもいーやー。きもちいー。・・・・・・はい。俺は女の子です。
しゃべり方がおかしい?・・・・・・・あ、そうか・・・・俺女の子だもんね。こんなしゃべり方かわいくないもんね・・・・・・きゃん・・・・・・・はい。ごめんなさい・・・・・
なおしますー・・・・・・・・わたしは女の子ですー。これでいいですかーーー?ん、んゃ。
・・・・はい。そうです。・・・・・・わたし女の子なんで、かわいいものとか大好きなんですぅ。服とかも・・・・・。え?わたしはギャル系の格好がだいすき?・・・・・・へー、そうなんですかあ。・・・・・・じゃあそうします。・・・・・・はい、わたしはギャル系の格好がだいすきです。頭の中までギャルに染まっていますぅー。
頭の中の快感は最高点を越え、脳みそは再び覚醒に向かい始める。
遼の髪の毛は、既に1ミリも残さずミルキーブロンドに染まっていた。
「もうそろそろかな?じゃあ薬剤を流そうか。」
薬剤を洗い流すと、遼の頭はスッキリとして完全に覚醒した。もちろん、『ギャル系女子高生』として。
まったく抵抗感なくメイクをされ、女子の制服に袖を通し、スカートをはく。
「気分はどお?」
詩織に聞かれてあたしは答える。
「さーいこー!女の子って、ギャルになるって気持ちいいね。」
「うん、OK。ちゃんと髪も心も染まってるね。」
こうしてあたしも彼女達の仲間になった。また新たな仲間を増やすために。
<END>