どうも。暇な医大生です。
前回はこんな記事↓を書きました。と言っても書いたのは1年半くらい前で、(あとがき)は最近(2020年10月初旬)書いたのだけれども。その続きです。気分でゼロから書こうかなと思いましたので書きます。
まず、確率というと受験生で得意な人がかなり少ない分野だと思います。図形・整数・数Ⅲ微積と並んで四天王と暇医は勝手に思ってるのですが、ある程度の努力と経験で何とかなる数Ⅲ微積と違って、確率はやればやるほど数えもらし、正答率が低くなってくるように感じる分野でしょう。(ちょっと大袈裟かな)その原因は色々とあると思うので、個人的に思った事をまとめておきたいと思います。
学校で習った程度やテキトーに勉強している輩は置いときます。普通に真面目に確率に向き合ってるのに、確率が苦手な受験生メチャメチャシンプルに場合分けしてみると……
①ある程度有名問題は触れたけど……
②予備校で授業も受けたけど……
③参考書も買って色々解いてみたけど……
何だか全体像が見えず、「見たたことあるような問題を数え漏らすか漏らさないかの勝負」or「上手く数える方法を思い出す勝負」に帰着してるパターンだと思います。
①~③はどれも違う原因が潜んではいるのですが、根本的に「確率が何故苦手に感じるか」を考えると同じ原因があります。まず、共通している点を考えてみると、そもそもの場合の数。すなわち、「数える」ことの根本を忘れ去ってるケースが多いです。
というのも、数え上げの基本姿勢は「全てを漏れなく確実に数え上げる。何だったら全部数え上げてやるよ。コンチキショー。」というモノです。皆さんも初めて場合の数を習った時は樹形図を習ったと思います。樹形図なんて要る要らない論争は非常に不毛なので、ココでは割愛しますが、要は全てを数え上げようとしてきたハズです。
そして、その数えてる途中で「規則性」に気付いたり、「対称性」に気付いたりして、ラクな数え方を見つけて数えてきたハズです。
しかし、皆さんは例えば1対1対応の演習とか、青チャートとか、まぁなんでもいいンですけど、そういった網羅系の参考書(キチンと最初から数えあげることの重要性を強調していない感じのやつです)をやると、この姿勢をどこか遠い記憶のように感じてるのか知りませんが。ちょっと数え方が見えない抽象的な問題や、樹形図を描くのが億劫になりそうな問題に遭遇すると……
解答を見て、せっせと解法を暗記しはじめます。
解答を見ると、なんとまぁ、上手い数え方が載っている事でしょう。それを皆さんは覚えるわけです。「こういう問題はHを使うとか。鋭角三角形の個数は余事象を考えるとか。」コレは別に悪いワケではありません。もし、これらの有名問題(もしくは似た問題)が本番に出題されたら、基本的に定石を思い出しながら、解けばいいのですから。
そういう問題は、超有名問題で「数え方のテクニック集」みたいなものです。そのような問題から上手い数え方を学習する事は非常に大事です。何事もそうですが、定石というのは存在します。そのような問題を0からキチンと数えあげて、その中で上手く数える方法を見つけよう!なんて時間制限のある本番にやってられません。だから、世の中の問題集も参考書も「有名問題」を沢山入れるワケです。予備校の先生も基本的に有名問題を扱うでしょう。
その類の問題は一通り触れた受験生からすると、結構問題数は多いですから、「ある程度確率は出来るようになった」とか「確率は大丈夫かな」と思うようになる訳ですが、模擬試験とか本番とか、なんだったらちょっと難しい大学の過去問を力試しに解いて見たりした時に、「初見」だと、ちんぷんかんぷんで「今までの問題を頭の中で検索しながら数えていく」ワケです。そして、数え漏らしがあったり、そもそも初手から間違ってたりして。
「ぁぁあ、確率分かんない(泣)」
ってなるワケです。ここまで読んで暇医の話が理解できてる人は、何が言いたいのか見えてくると思いますが、出来ないのは、「有名問題の上手い数え方をいきなり適用しようとしてるケースがほとんど」です。すなわち、数え方の根本を忘れてるのか知らないのかですね。
初見の問題で、しかも自分が見た事ないような問題に対していきなり、頭の中で検索をかけて、似たような問題が見つからないと言ってパニくるからダメなんです。ハッキリ言うと、難しい大学の問題だと迷彩を掛けてるので君たちがパッと見た段階で「あ、この問題はこうやって数えたらええ問題や」なんて出てくるハズがありません。(考えたら分かるでしょ。そんな問題出しても差がつかん)
やっぱり基本姿勢は崩したらダメやと思います。その中でいつでも使えるように「上手い数え方をストックしておく」ことです。ポイントは「いつでも使えるように」です。全く同じよう問題でしか使えないのはダメで、ココは問題演習で養うしかないと思いますし、初めに上手い数え方をストックする段階からキチンと「自分で上手い数え方見つけてやる」くらいの「姿勢」が大事やと思います。
抽象的なお話をしてもアレなので、具体的に入試問題を紹介すると↓
2020年の京大の問題ですが、なんかアレコレ言われてました。魔方陣が出た!とか。くっそショーもない。世の中の解説ブログとか色々見てるとクソみたいなやつばっかりですな。シンプルに「樹形図書いてみろ」でいいと思うし、京大が問うてきたのはマサにココやと思う。この問題をいきなり上手く数えようとするなんて多分無理。とりあえず書き出してみるしかない。そしたら、解決する。ちょっと面倒だけど。
この「ちょっと面倒」がポイントで、上手い数え方を知れば知るほど面倒になり、キチンと数えあげようという姿勢が消えていき、例えば抽象的な確率の問題(n個の〜みたいなやつとか)が来ると、例えば2個だったらどうだろう。とか、そういう当たり前の事をすっ飛ばすようになるのだと思う。
結局のところ、背景には「数学はこういう問題が来たらこう解く!みたいな反応速度を上げるトレーニングが必要だ!」と勘違いしてる指導者も受験生も多いからだと思う。
確率(場合の数)に真面目に向き合ってないのに、どうして出来るようにならないと悩んでいるのか。当たり前すぎて書くのすら躊躇ったくらいです。具体的に問題を使って解説するのは、ブログでは基本的にやってないので、この辺にしておきます。YouTubeもそうだけど、タダほど危ないです。「分かりやすい」と思ってるYouTuberもメチャメチャ地雷だったりしますよ。
できる限り、予備校でキチンとした先生の授業を受けるべきだし、そこにお金を払うのをケチってたら完全に情弱になります。課金ユーザーと無課金ユーザーだとどっちが良いアイテムを揃えられか考えたら分かるよね。(まぁ、それが使えるか使えないかは課金・無課金関係ないけれど)数学の技術的なお話はnoteで売ってます。と言っても、まだ数Ⅲしか書いてないのだけれども。(そのうち確率も書くかもね。未定です。)
って事で、確率と真面目に向き合うにはどういう参考書をやればいいんや。っていうお話になってくると思います。まず、暇医が確率と向き合えるようになったキッカケの本はコレです。
こちらは、「大学への数学」の執筆陣の1人である、かの有名な安田先生による確率に特化した参考書です。かなり基礎から例題を通して場合の数・確率について、「しっかり数え上げる」ことから始めるという、確率の入門書としても非常に素晴らしい1冊となっています。(と言っても初学者にはしんどいです。)
生徒と安田先生の会話で話が進んでいく形式で「安田節」が炸裂しており好きな人には好きなタイプです。正直なところ、確率の参考書に関してはこの1冊で十分だと思います。公式の証明や、みんながわけも分からず使っている「P」や「C」といった記号の意味もしっかりと学べます。
まずは、例題だけしっかり取り組めばいいと思います。後半部にいくと非常に難しくなってくるので、一旦置いておいて全然大丈夫です。(特にハイレベル演習の項目)例題を通して確率の全体像をしっかり掴んでおけばいいと思います。確率の問題をなんとなく解いて、答えが合うか合わないかの確率問題になっている……という方には是非とも手に取って頂きたい1冊だと思います。
まぁ、ちょっとクセはあります。安田さんが書いてるので。この問題集のいい所は、「有名問題でもキチンと数えあげる姿勢を崩さずに取り組み、そこから上手い数え方を習得していく」というものです。個人的には、ココが1番いい所だと思います。そのため、「P」とか「C」は使うな。なんてことまで書いてます。
暇医が尊敬してる杉山先生は「PとかCは使え。」と言います。それは、「自分がなんの計算をしたのか分かりやすい。ちゃんと、その記号の下に何の計算をしたのかメモること。」というメリットも示しています。
ここで、「予備校とかで授業も受けて分かったハズなのに」問題を解いてると確率がよく分からんくなった。という現象に陥るのですが、それは、予備校講師でも確率に対するスタンスが違いすぎるからだと思います。有名な先生ですらスタンスは違います。そこを見極めるのも大事です。
これらの先生は色々分かっていて、そのような教え方をされていますが、その辺のYouTuberや学生講師。最悪の場合は学校教師やプロ予備校講師は分かってない事が多いですから大変危険です。誰かが警鐘を鳴らさないとヤバいと思ってるので暇医が言っておきます。
個人的には思い出補正で、ハッ確が好きなのですが、コレもよくまとまってます。
- 作者:広瀬 和之
- 発売日: 2016/03/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
コチラの方がコンパクトというか、有名な数え方を一通り知る分にはいいと思います。辞書的にも使うのも良いでしょう。他にも有名な問題集を何冊か並べてみたりして、類題を探すと、「ぁあ、コレは有名問題なんだ」とか「コレは数えあげる姿勢が大事な問題だ」とか「こんな上手い数え方思いつくかよ!」とか色々見えてくると思います。最低限の上手い数え方は、ハッ確で学べると思います。
横に置いておいたらイイ問題集を列挙しておくと……
- 作者:森谷慎司
- 発売日: 2016/09/21
- メディア: 単行本
大学入試 苦手対策! 場合の数 確率 に強くなる問題集 (大学入試苦手対策!シリーズ 4)
- 作者:箕輪浩嗣
- 発売日: 2020/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:Z会出版編集部
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
新こだわって!国公立二次対策問題集数学 (3) (河合塾SERIES)
- 作者:井上 正祥
- メディア: 単行本
あたりでしょう。個人的には絶版ですが、こだわってを使ってました。解説というかセレクトされてる問題が良かったです。上から2個目のやつは安田先生に影響されてる方が書いてるので、ハッ確とセットでやるのがいいと思います。まだ、中身を吟味出来てませんが解法への道を読んだ限り、オススメ出来ると思います。
最終的には公式をバンバン使っていく杉山先生のような感じと(駿台のオンデマンド講座で確率の攻略と完全攻略があります。是非とも受けてみてください。)、安田先生みたいな「公式は要らん。理解してないなら使うな。」というスタンスの間を取って、一長一短を理解していたら、大体の問題は闘えて、多少苦手意識は払拭されると思いますし、そんな感じで入試を迎えたら、まぁ、何とかなっていると思います。
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