この展示会で展示された9つの作品
2000年以降に話題となった作品を選んだとの事
『ソラニン』 浅野いにお
(小学館「週刊ヤングサンデー」、2005 ~ 2006 年連載)
フリーターの種田とOLの芽衣子を中心に、
モラトリアム期の若者が現実と葛藤していく姿を描いた作品。
2010 年に映画化された。
展示は作中に登場するような黒い背景に白抜き文字のモノローグが続く廊下を抜けると、
主人公の種田と芽衣子の部屋をイメージした部屋に入ることができる。
『シュガシュガルーン』 安野モヨコ
(講談社「なかよし」、2003 ~ 2007年連載)
魔女ショコラとバニラの親友同士が魔界の次期女王を決めるためライバルとなる。
少女が他者とのふれあいや恋愛を通して成長していく姿を描いた作品。
2005 年にアニメ化された。
展示室内にはシュガルンの世界から飛び出したようなカラフルな装飾が施され、
作品のカラーイラストと原画を立体的に展示している。
『海獣の子供』 五十嵐大介
(講談社「なかよし」、2003 ~ 2007年連載)
ジュゴンに育てられたという2人の少年と主人公・琉花の出会いと、
世界中で魚が消えるという現象の謎を描いた作品。
展示室を覆う天井まで伸びた布には海中風景が描かれ、
鯨の声がBGMとなり海の底にいるような感覚を体験できる。
中央の机には原画の展示もある。
『センネン画報』 今日マチ子
(太田出版、2008 年~)
高校生の日常の一場面など情感のあるテーマを元にした1ペ―ジマンガであり、
セリフがほとんどなく読者が解釈していく作風である。
もとは作者のブログで発表されていた。
原画の展示と、作品世界をイメージした装飾。
白い壁に人物の絵が描かれ、作品が持つ浮遊感や情感を感じさせる。
『駅から5分』くらもちふさこ
(集英社「コーラス」、2007年~連載
現在は本作のスピンオフ作品『花に染む』連載のため一時中断している)
架空の町である花染町を舞台に場所や時間軸の異なる複数の人物の視点から描かれる作品。
迷路のようなつくりのパーテーションに作中のコマを1つずつ切り分けて貼り付け、
時間軸や空間軸を表現している。ベトナムでは映像バージョンを展示。
『のだめカンタービレ』 二ノ宮知子
(講談社「Kiss」、2001 ~ 2010 年連載)
風変わりな天才ピアニスト・のだめと、
世界的指揮者を目指す千秋を中心としたクラシック音楽が題材の作品。
2006 年にテレビドラマ化、2007年にアニメ化、2009 ~ 10 年には映画化がされている。
カラー原画や下絵などが掲示された部屋の中央にピアノが置かれる。
作中登場するコスプレをした演奏者による生演奏も定期的に行われる。
『BECK』 ハロルド作石
(講談社「月刊少年マガジン」、1999 ~ 2008 年連載)
主人公コユキが挫折を繰り返しながら、
バンド活動を通して仲間とともに成長していく作品。
2010 年に映画化された。
部屋をライブハウスに見立て中央に楽器を配置し、
周囲のスクリーンでマンガの演奏シーンを用いた無音ライブを上映している。
『ナンバーファイブ』 松本大洋
(小学館「スピリッツ増刊IKKI」「月刊IKKI」、2000 ~ 2005 年連載)
砂漠化した未来の地球を舞台に、
人造の新人類でつくられた組織から逃亡した主人公と追手との戦いを通して
正義や命とはなにかを描いていく。
2010年にiPadアプリで1巻が配信されている。
展示室一面に特大のイラストが飾られ、緻密に描かれたイラストを再現している。
原画の展示もある。
『神のみぞ知るセカイ』 若木民喜
(小学館「週刊少年サンデー」、2008 年~連載)
恋愛ゲームが好きで現実には失望している主人公が、
悪魔・エルシィとともに女性に取り憑いた魂を回収していくストーリー。
恋愛ゲームの知識を元に現実の女性を攻略していく様子や、
「萌え」や「お約束」などを作中にとりこみ現実と虚構の世界をメタ的に描いている。
2010 年にアニメ化された。
展示では作品の舞台である教室に見立て机や椅子を設置しており、
黒板に作品解説が書かれる。アニメ声の作品解説もあり。
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